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禅会vol.2「未来のモノづくりはアートになる」レポート

禅会vol.2「未来のモノづくりはアートになる」レポート

スペックと機能から離れた新たなモノづくりの未来を探るためのオープン座談会!

9月8日(日)、mass×mass関内フューチャーセンターにて、禅会vol.2「未来のモノづくりはアートになる」を行った。

「禅会は、禅問答にインスピレーションを受けた対談の場、zenmonoのリアルな会合です。オープン、シェア、共感、幸せをキーワードに、モノづくりの未来について語り合いたいと考えています。結論を出したりはしません。対話をしながら、参加した人の中に、何か答えが生まれるであろうことを期待しています」

はじめに、enmonoの三木より、禅会について説明させていただく。

今回のゲストは中村さん。

中村さんは株式会社オリジナルマインドの代表取締役である。

この会の開催は、中村さんが渋谷に拠点を設けるということで、一度会食させていただいた時にしていた会話がきっかけだった。

17年目を迎えるオリジナルマインドを経営する中村さんとは、2012年10月にご出演いただいた第43回MMS以来の付き合いになる。自分が本当に作りたいものを企画して製造して販売する、まさにマイクロモノづくりの先駆者であり大先輩である。その中村さんとの会食の中で、これからのモノづくり、製造業は製品を生み出すのではなくて、作品を生み出すようになってくはずだろうということで大いに共感した。そこで、そのようなモノづくりの未来について、対話できる機会として禅会を企画した。

中村さんの自己紹介として、オリジナルマインドの会社紹介ビデオ「オリジナルマインド15年間のあゆみ」を見た。

その後、中村さんから本日の禅会に向けたプレゼンをしていただく。

中村さん:「まずは自己紹介をさせていただきます。当社は個人ユーザー向けにCNC工作機械を販売しています。99.9%がネットからの販売で店頭販売はしていません。他に基板加工機や折り曲げ機、アルマイトキットなども扱ってます。」

三木さん:「さて今日のテーマ、これからのモノづくりはアートになるということですが。」

中村さん:「そのテーマに入る前に今の社会について述べておきたいことがあります。現代は、知識経済社会になってきているということです。インターネットの出現と普及によって、販売のハードルが劇的に下がり、中小企業や個人でも自分で作ったものを流通させることが可能になっています。膨大な種類のものが溢れるようになり顧客の選択肢も無数になっていると言えます。そうなると種類ごとの数量が少なくならざるを得なくなり、少品種のものを多数生産するという大手メーカーの従来のビジネスは成り立たない、これが一番重要な流れだと思います。

モノが潤沢に供給されるようになることで、ヒトは感性でモノを選ぶことができるようになったと言えます。機能的にはもう十分という状態になると、あとは十人十色、各人の好みでモノを選ぶという時代になってきていると言えます。

また、SNSの発展にともない、マスメディアでの情報発信だけではない情報を入手できるようになってきていると言えます。そうすると、大手メーカーが多額の費用を投じて宣伝をするだけでは人々が満足しえなくなっているのだと思います。

また、「生産消費者」という言葉があります。ユーザーでありパートナーでもある消費者というような意味です。彼らは知識経済社会になる上で重要な存在となります。」

三木:「オリジナルマインドの工作機械を購入されたロボットを自作する方も、生産消費者にあたりますよね。」

中村さん:「生産消費者はものを購入するだけではなくて、メーカーのパートナーと言える存在としてとても重要です。お客様はパートナーなのです!

さて、これからの日本のモノづくりについて述べたいと思います。日本の強みは、”暗黙知”にあると思います。ところが、現状大手メーカーなどでは、経済合理性により製造コスト低減を求めると、デジタル化や標準化が進められ、労働コストの安い海外へと移転が進んでしまします。つまり日本でモノを作る合理的な理由がないのです。

だから、これからの日本のモノづくりは製品づくりから作品作りへとシフトする必要があると考えています。日本のモノづくりの参考になる国に、スイスがあります。スイスの時計は、統計を見ると数量的には世界の数%しか占めていませんが、金額で見ると、中国の100数十倍になります。いかに高付加価値の時計を生産して販売しているかがわかります。

製品と作品の対比について述べたいと思います。製品は、理性的に機能と価格を吟味して購入され、作品は感覚的に購入されます。また、製品は壊れたから買い換えるなどの代替需要から求められ、作品は作者への思い入れから買い足していくという性質があります。また製品は対比されるけれども、作品は唯一無二であり比べる相手がいないということが特徴です。

このような作品を生み出すと、次は生み出したメーカーのブランド戦略がとても重要になってきます。スペックを伝えるのではなく、経営者や開発者そして販売に関わる人まで全てがそのものに掛ける思い、そのものを手にすることで得られる未来の姿などを熱く語れる必要があります。アップルのスティーブ・ジョブズなども同じようなことをしていると思います。

そして、競争から独創の時代になっています。今の時代は、競争しては勝てないと思います。いかに競争しなくてすむような独創的なものを生み出すことに注力しています。

これからの時代の成長というのは、大きくするということではなく、小さく熟成したものを増やすということが成長です。」

三木:「手前味噌ですが、マイクロモノづくりこそまさにこれからの時代の成長戦略と言えますね。

中村さん:「最後にこれからの経営者は、頭で考えた理念ではなく、心から湧き上がる理念に基づいた経営をしなくてはならないと思います。」

以上で中村さんのプレゼンが終わり、来場いただいたの質疑応答をもらう。

来場者:「商品の値付けはどうしてますか?」

中村さん:「個人の方がターゲットなので、高くてもボーナスで買える金額を想定しています。だけど、安くして性能を落とすというのであればそこは犠牲にはしたくないという思いがあります。」

三木:「感性のモノづくりにシフトするという考えについてはどう思いますか?」

来場者:「最初に紹介されていた工作機械が、機能云々よりもまず見た目が美しいと思えました。こだわりがあるのだろうという印象を受けました。」

来場者:「感性のモノづくりと仰ってますが、オリジナルマインドの機械を購入された方の作品とかってやっぱり感性に訴えかけるものだったりするのですか?」

中村さん:「実際にHP上で作品募集したりしています。感性に訴えかけるようなものが多数ありますよ。」

ものづくり文化展

日程
2013年9月2日〜12月28日 作品募集期間
2014年2月中旬 受賞者発表
http://www.originalmind.co.jp/cultural_exhibition/recruitment.php

後半、来場された方とのダイアログ(対話)を展開した。その中で、経営や事業を創り出すということもアートなのでは、という議論になった。市場に声を求めても得られない今までになかったようなものを提供する中に、共感が得られるモノがあり、それを提供するということは、アートに近いのではないだろうか。アートだからこそ共感が得られるのではないだろうか。

メーカーにはVEという考えが従来あったけれど、ここでいう価値というのは、機能と定義されていた。しかし今の時代、価値=機能とは到底言えないわけで、VEという考えも当てはまらなくなってきているのだと思う。同じ価値(=機能)だからコストダウンするすることで、最高のコストパフォーマンスを提供できたわけだけれど、価値(≠機能)になってきているので、コストダウンすることが最高のパフォーマンスを提供できているとも言えない。アートはVEに当てはまらない。

参加者の方々とのダイアログも、興味深かった。ディープ過ぎて公開できないのは残念ではあるが、皆さん、熱い熱い思いを語ってくださった。

自分の考えや思いを公表することによって、支援を集めたり交流できるのが、zenmonoだ。リアルな場「禅会」も合わせて活用しながら、交流を深めていただきたいと思う。

 

次回禅会vol.3「テーマ:そろそろオープンIPについて語ろうか」:10月20日(日)
https://www.facebook.com/events/153786801495621/

概要
 今や、モノの価値とお金の関係について、お金のスペシャリストとともに、議論を深めていきます。またモノを生み出すために必要な資金も、クラウドファンディングと呼ばれる調達方法も出てきています。まだ新しい仕組みのため、さまざまな試行錯誤が繰り広げられと思いますが、モノを生み出そうとする人々にとって有効な手段であることは間違いがないと思います。このような仕組みをどのようにして、社会に定着させていくのか、といった議論も深めていきたいと思います。
 日本のモノづくりを活性化し、よりワクワクする未来に向けて、タブーなき議論を交わすことができればと思います。

ゲスト
 山内さん/公認会計士山内真理事務所
  https://www.facebook.com/mari.yamauchi.90

 

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