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第180回MMS(2019/5/10収録)「人類学を学び世界中がつながる未来を志す」後編 教育人類学者 井本ゆきさん

前編からの続きです。

●シアターワークの今後の展開と安心、安全な場所づくり

 三木:引き続き今のシアターワークという新しい学び方についてお話を伺っていきたいんですが、安心、安全な場所を作って本当に言える空間を作るという、今まさにビジネスマンが最も重要なこと、大学だけじゃなくて実は社会人…

宇都宮:社会人が鎧を着て戦ってるので。

三木:社会人の方々、特にzenschoolに来られるような大企業の課長さんとか部長さんとかいう方達に本当は受けてもらいたいと思っていて、日本の企業って今色んな意味で頭打ちの状態なんです。色んなデザイン思考とか海外のものをどんどん取り入れて「じゃあこのステップを入れればうまくいくんだね」ということで一生懸命イノベーションを起こそうとしてるんですが、方法論の前に心の部分の土台ができてないというか、何でも言い合えるような環境ができてないので、いくら方法論を海外から取り入れても言いたいことが言えないのでイノベーションが起きないということに気がついたんです。僕らのzenschoolでまさに書面上のNDAを結んで、あとは自己開示ということで自分の人生をホワイトボードに全部書き出して、お互いにそれを1日ずっとやるんです。その後で初めてビジネスのアイデアを考えるとすごいお互いに協力し合う関係ができて、本当にイノベーティブなビジネスがどんどん出てくるので、安心、安全な空間を作るっていうのが本当に重要だなということで、シアターワークはすごい興味があったので参加したという。

井本:ぜひ会社員の方、社会人の方に受けてほしいですね。

三木:そうなんです。だから今の教育自体が社員研修として非常に有用だと思って、そういうオファーとか来ないですか?企業のほうから「やってほしい」みたいな?

井本:小木戸さんは会社向けの研修とかもやってるみたいですし、今後そういう展開はしていきたいと思っています。

三木:たぶんユニットが結構パワフルなので、瞑想と内観と体のワーク自体が企業に提案できるものだと思うんです。

井本:はい。zenschoolともご一緒できたらおもしろそうですね。

 三木:そうですね。一緒に。僕らも日々ビジネスの現場の色んな話を聞いているのでそれをすごい感じるんです。日本の企業の組織の限界というか、言いたいことが言えないっていうのがあって、今やってらっしゃる活動とか研究が非常に有用だなと。

井本:私もゼミの中で今はできることをやっている状況なんですが、自分事として研究を進めていくために、まず自分の人生を振り返って自分が一番興味があるものは何なんだろうって探って、それを自分の卒論のテーマとしてフィールドワークをして研究をしていくことをやっているので、たぶんすごく近い観点でやってると思います。

三木:近いと思います。企業のニーズも今まではどっちかって言うと「こういう型があってその通りにやるような研修をお願いします」っていうのが多かったんですが、MBAでさえ体感ワークショップを入れようとしていたりとか、アートを感じるようなアート思考っていうのを入れようとしてたりとかしてどんどん変わってきています。たぶん今の教育現場の課題と企業の課題って結構似たようなものがあるような気がしてるんですがどう思いますか?

井本:そう思うんですが、ゼミの4年生がちょうど今就職活動中で、私は3年生を1年かけてじっくり内省をして個々人の一番関心が持てる好きなことを追求することを大事にしているんですが、春休みになって就活がはじまると、みんな表情もガラッと変わって。服装も話し方も、、みんな同じふうになっていくんです……

三木:型通りの…

井本:そう。それはどうやって変えていけばいいんですか?

三木:難しいですね。1回そこの門を通る形になっちゃいますからね。

井本:一度通ってまた崩していくっていう感じなんですか?

三木:就職するのじゃなくて、方法論としては自分で起業するっていう可能性もあるかなと思います。

宇都宮:起業をいずれするつもりで就職するのだといいんでしょうけど、好きなことを見つけるよりその先にあるものを見つけるっていうか、実現したい具体的なものを見出すとたぶん就職することも1つの選択肢になれればいいと思うんですが、就職がゴールになっちゃうとフォーマットが決まってるので合わせるしかないですよね。ゴール設定がちょっと違うかもしれない。

井本:そう思います。皆さん大学生になるまでもまずは中学受験して、大学受験して、今度は就活して大企業に入ってって…

宇都宮:フォーマットに合わせることに慣れてるから、一旦崩しても戻りやすい状態ですよね。小さい頃から内省してるとたぶん違うんですかね。小中高と叩き込まれるじゃないですか。

井本:そうですね。私自身結構そういうタイプだったんです。ゴールは例えば学校で良い成績を修めてとか、母親に認められてとか、良い大学院に入ってとか、Ph.D.を取るとかそういうゴール設定で来たんですが、「Ph.D.取ってじゃあ何なの?」みたいな壁にぶち当たった時期があって。

宇都宮:何が起きたんですか?壁が押し寄せてきたんですか?

三木:表面の自分と本当の自分の乖離があったっていう感じ?

井本:そうですね。壁なのかな?

三木:今はそれは統合しつつある?

井本:今は統合されてきてるんです。

 三木:たぶん色んなワークを自分でも体験したりとかしてるから?

井本:体験して内省して内観することによって、こうあるべきとかここに行かなきゃいけないっていうような生き方じゃなくて、いかに自分らしく自由にいられるかっていう方向にベクトルが変わりつつあって、もちろん完全に自分らしくありのままではまだ全然ないんですが、徐々にやってることと自然体の自分っていうのが統合されてきてるようには感じます。

三木:時代が変わってきてマインドフルネスが少しずつ広まってきてるし、やってらっしゃる研究は逆に時代が求め始めてきていると思っているから、よりやっていることを尖らせていくと時代がようやく追いついて。企業のほうがもう限界なんです。今のピラミッド式の組織を維持するとか、そこで生み出される価値がどんどん下がってきているので。

宇都宮:企業が必要とする社員像でずっとやってきて、40過ぎたら今リストラ対象になってるわけです。それってかわいそうじゃないですか。言う通りにやってきたら「いらない」って言われるのって。「えー!?」みたいな。

三木:僕もリストラされた経験者で、その時は本当に組織人間っていうかKPIばかりを追いかけてきていて、1回全部壊されて本当の自分じゃなかったっていう。禅と知り合うことができて、禅をベースに色んな瞑想をすることで「本来の自分はこういうことをやりたかったんだ」と。それを他の人にもお伝えするお仕事ってなると自分のやりたいこととお仕事が一致できて、今心のほうはかなりヘルシーな感じで、給料は何分の1になりましたけど、心はすごくやりたいことをやってるという感じです。

井本:きっとこれからは心の豊かさが一番の資本になってくると思うので。

三木:いいですね。

 

●マインドフルシティ鎌倉の可能性について

三木:マインドフルシティの話をしていきたいんですが、この鎌倉には色々な経験を積まれた方がどんどん集まって来ていて、先週ゴング瞑想というのを体験しまして、シンガポールでバリバリ働いていたキャリアの女性がちょっと違うかもということで全部それを捨てて、ゴング瞑想というのを鎌倉で起業された方がいて、とても素晴らしい瞑想法なんです。色々経験して「何か違うな」って言ってそれをお仕事にトランスフォームした人が集まって来てるという町に段々なってきていて、マインドフルシティというところで鎌倉をよりバージョンアップさせていきたいなと動いてるんです。こういう考えに何かご意見があれば。

井本:私もこの鎌倉のお隣ですが、マインドフルシティに仲間入りさせていただきたいとは思ってるんです。

三木:マインドフルシティ逗子。鎌倉と一緒に。

井本:この土地について今すごく感じてるのは場の力というか、自然が本当に豊かで流れる時間も都心とは違って、鎌倉とか逗子の空気を吸ってこの場を感じるだけですごく心が豊かになると思うんです。生活するにしても仕事をするにしても、まずは場の豊かさっていうのが重要だと思うので、マインドフルシティっていうのは鎌倉っていう場があるからこそできる素晴らしいプロジェクトだなと思っています。

三木:その可能性みたいなものは感じているものがあったら教えていただきたいです。

井本:可能性は色々感じてるんですが、ここに集まる人がすごい面白い人が多いと思うんです。どういう風に面白いかと言うと、オルタナティブな視点を持っていて、でも東京ともつながっているっていうことですごくイノベーションを起こすには最適なポジションだなと思うんです。人類学の狭間とか境目にいる立場っていうことだと思うんですが、2つの世界を行き来するみたいなスピリチュアルとかオルタナティブな世界ともっとど真ん中の(リアルな)世界を行き来することができる人達が集まる場だと思っているので、そういう意味でそういう人達がどんどん鎌倉に集まって来て、私だったら研究とかマインドフルネスの実践の領域で仲間を作って新しい教育プログラムを立ち上げたりとか色んな活動ができる可能性をすごい感じています。

 三木:鎌倉に集まって来る人が色んな人が増えていて、あと体験を一緒にしようっていう人達が集まって来て、今度Zen2.0のコミュニティでも島田(啓介)さんって去年登壇いただいた方が月に1回来て瞑想会をしていただけることになったので、ぜひ参加していただいて。

井本:はい。

三木:ちょっとサンガ的な、Zen2.0も色々大変なので癒しながらかつボランティアワークに勤しんでいただきたいということで、島田さんも快く引き受けていただいて、だいたい土曜日か日曜日どちらかで参加できる人が集まってやりましょうということで、場所はまだ未定なんですが、どこかお寺を貸していただけるところがあればお寺で、あるいは大町会館のどちらかでやろうと思っていて。体験、体感を一緒にするってすごい重要だなと思っていて、Zen2.0でも色んな人が手伝っていただくんですが、一緒に座ったりとかしてるとコミュニケーションとかスムーズにいくし、この人はこんな感じだからたぶんこういう風に対応すればいいだろうとかなって、そんな感じでZen2.0も1つのサンガの中で色々活動していきたいなと思っています。

井本:すごい可能性を感じます。研究者もそうなればいいのにと思います。

宇都宮:学会に行くと結構厳しく議論し合ったりしますよね。

三木:僕もかつてはいましたけど、そもそも前提が違うとかいじめられて(笑)。

井本:そうそう(笑)。

宇都宮:マインドフルな学会?

井本:鎌倉でマインドフルな学会を作りましょうよ。

三木:いいね。

宇都宮:研究を持ち寄って研究者を癒すための学会をここで開催する。

三木:まずは一緒に座ってから。

井本:一緒に座って体を緩ませてそれから対話をする。

宇都宮:「その前提面白いね」って慰め合う。

三木:お互いに高め合う感じで。

宇都宮:ここで癒されて議論に臨むという。

井本:そうですね。それこそイノベーションはそっちのほうが起こりますよね。

三木:マインドフルシティ鎌倉自体も研究対象にと思っていますか?研究者として。

井本:はい。したいと思っています。

三木:まさに体験中だから。

井本:実際そうなんだと思います。私はアメリカでのマインドフルネスの状況を研究して、今度はそれが日本とどうつながっているのかっていうのを今は見ているので、Zen2.0とか鎌倉のエリアもそこに入りつつ研究の対象としていけばいいなと思って。ちょうど重松先生が鎌倉にいらしているので。

三木:今日本に来られてますけど、この間やったワークは先生も「良かった」っておっしゃっていただいて、おかげさまで良かったので。

井本:ありがとうございます。

三木:今度日本からスタンフォードに何人かExchangeとして行けるような流れを作っていきたいなと思っていて、鎌倉とスタンフォード大学なのか、あるいは別のエリアなのか分からないですけどつながっていくとまた面白いなと。

井本:そうですね。どんどん鎌倉から世界とつながっていきたいですね。

三木:ありがとうございます。ぜひ逗子の井本さんのお力が必要なのでどうぞよろしくお願いします。

井本:よろしくお願いします。

 

●井本さんの考える「日本(世界)の○○の未来」に対する想いについて

 三木:井本さんの考える日本の○○あるいは世界の○○でもいいですが、こういったものがこうなってほしいみたいな未来のことを、ご自身の関わっていらっしゃる観想教育でもいいですし…

井本:今の日本の教育とか日本人みんながつながってほしい。Zen2.0のキーワードを言っちゃったけど、心底そう思っています。壁とかボーダーとかどんどん取っ払ってつながる時代ですから。

三木:そうですよね。

井本:だから日本の未来はつながり。

三木:今年のZen2.0のテーマはつながりですから。

井本:つながっちゃった(笑)。

三木:そのままですね。素晴らしい。またZen2.0でもよろしくお願いします。

井本:よろしくお願いします。楽しみです。

井本ゆきさん
https//www.facebook.com/yuki.imoto.73

 

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