NEWガイアの夜明けで紹介された、クラウドファンディングを活用して新規事業を立ち上げるためのスクール「zenschool(ゼンスクール)」 23期新規募集(残席3名)

第176回MMS(2019/2/2収録)「50歳過ぎて起業してうまく行かず、転職して週末だけ葉山で自分の基地生活を楽しむライフスタイルを確立」前編 コーヒーレンジャー 小野勝秋さん

●ご挨拶と出演者紹介

 三木:第176回マイクロモノづくりストリーミング始まりました。今日はこちらの素晴らしい葉山ファクトリーという元建設会社の社宅を改造したクリエイティブファクトリーというところで、“コーヒーレンジャー”をされている小野さんをお訪ねして色々お話を伺っていきたいと思います。

小野:よろしくお願いします。

 

●enmonoとの出会いとzenschool受講の経緯

三木:小野さんは実はコーヒーレンジャーになる前に色んな顔をお持ちでして。

宇都宮:IT企業の役員をされていたんですよね。その当時にお会いしたような気がするんですけど。

三木:我々とお会いしたのがどれぐらい前ですか?

小野:3年半ぐらいじゃないですかね。(実際は2014年なので5年前)

宇都宮:その頃は今の面影がなかったというか(笑)。カッチカチのサラリーマン。

三木:カッチカチのサラリーマンの役員みたいな感じでお会いされて、zenschoolにその直後に入学されて。

小野:9期(2014年11月)ですね。

三木:結構前ですね。

宇都宮:今は2019年なので5年前ですね。

三木:その時にどんな体験をされたんでしたっけ?その時からつなぎを着てませんでしたっけ?

小野:その時はつなぎを着てなかったですね。zenschoolに行った頃は。

三木:どういう経緯でそういう?

小野:元々セミナーで三木さんの講演を聞いて、それがきっかけだったんです。

宇都宮:新谷さんのやつだ。トーマツイノベーションサポートっていう。

小野:そうです。僕もその頃会社で役員とかやってたけど、これまで30年ぐらいずっとやってて、何か「これでいいのかな?」みたいな感じで、世の中色々変わってきてるし、自分も変わらなきゃいけないんだけど、会社は古い体質でずっと変わりそうもないし、本当は会社を変えていければ良かったんでしょうけど、そういう周りを動かせる力もなく、自分1人でもやもやしてたっていう時でした。

 

●zenschoolで生み出されたもの

三木:それでzenschoolに入ってどういう発想を考えたんですか?

小野:zenschoolに入って本当に自分がワクワクすることをやろうっていう発想がこれまで振り返ってみると本当に忘れてた。僕のこの50年近い人生でいつの頃からなくなってたなみたいな。

宇都宮:50歳の頃でしたっけ?

小野:50ちょっと前だったかな。それが衝撃的っていうか、ガツンと頭を殴られたような感じで、それを自分で見つけないとつまらない人生になっちゃうだろうなっていう感じもあって、気持ち的には何か見つけなきゃ、見つけなきゃっていう焦った気持ちでした。

三木:それで発表会ではどういう発表をされたんでしたっけ?

小野:僕はその時本が好きだっていうことで、電子書籍ってページをめくる感覚がないので、電子書籍にページをめくる感覚をつけたいみたいな発想だったと思うんです。そういったガジェットみたいなのを作ろうっていう発表をしました。

宇都宮:あと衝撃の告白も。

小野:そうですね。それを考えてた時にもうこの会社を辞めようって決意してて、その発表会でちょうど「来月か2ヵ月後かに辞めます」みたいな話をしたんです。

宇都宮:みんな驚いてて。僕らも初耳だったので。

三木:決して我々は辞めることを奨励しておりません。できれば辞めないほうがいい。辞めないで自分の好きなことを始めて、そこからなにか可能性が見えてきたらちょっと考えるぐらいがいいかな。でもその前に決断されてしまったんですね。

小野:そうです。そこでどうせならもう思い切って退路を断ってみたいな(笑)。

三木:断つ必要ないのに何かそう思い込んじゃった?

小野:そう思い込んじゃって、そこからが大変でしたね。

三木:どう大変?どんな人生が?

宇都宮:先を決めてないみたいな。

小野:そうですね。実際に辞めて何もなくなって、最初はまだ多少は蓄えとかもあるし勢いもあるからいいんですけど、段々不安になっていくっていうか、何も見えない状態で「まずいな、これ」みたいな焦りも出てくるし。

三木:我々はあの時サポートを1年間やっていく中で段々変わっていきましたよね。

小野:そうですね。やりたいことがちょっと変わっていって、本に絡むことでしたけど、モノを作るっていうよりも場を作る、本を使ったみんなが集まれる場を作る発想に変わっていったんです。

三木:何か本が読めるカフェみたいな?

小野:そうです。

三木:リヤカーか何か移動式か、そういう場を作るかどっちかみたいな話で。

小野:墨田区の助成金の募集に応募して1次審査は通ったんですけど、2次審査のプレゼンでダメだったんです。

三木:そうなんだ。どんなことをプレゼンで言われたんですか?

小野:今まで自分があまり人前にパッて出るタイプじゃなかったから、その辺を変えたくて役所にどピンクのつなぎを着て行ったんです。

宇都宮:プレゼンで役所に!?どんな反応でしたか?

小野:入った瞬間「誰ですか?今忙しいんだけど」みたいな(笑)、業者の人と間違われた感じで、もうそれでドン引きになっちゃった感じでした。

三木:でも印象には残った。

小野:そうですね。「何でそんな恰好してるんですか?」って言われて。

宇都宮:ピンクのつなぎの人(笑)。

三木:その場は盛り上がった感じなんですか?

小野:結局難しい質問をされて終わっちゃったなみたいな、これダメだなみたいな。

三木:「どうやって回収するんですか?」みたいな。収益計画みたいな。

小野:そうですね。その辺全くできていなくて甘かったのもあるでしょうけど。

 

●コーヒーレンジャーについて

 三木:その後どんな人生でした?

小野:そこからが困っちゃって、色々やろうとしてたんですけど、ビジネスにしようとした時に色んな課題もあるし、1人でやってたものですから、相談することもできずに結構もやもやした感じでずっとやってました。

三木:僕らのところに連絡くれれば良かったのに。

小野:そうですね。その時にたまたまトーマツのセミナーでも一緒だったコーヒー屋をやってる社長と知り合って、その人に「それだったらうちに手伝いに来いよ」って言われて、コーヒー屋に期間契約社員みたいな形で入れてもらったのがコーヒーとの出会いだったんです。

宇都宮:それまではコーヒーは?

小野:コーヒーは飲むぐらいで別に好きでもないし、こだわってもないし、ミルとかそういうのも持ってなかったので。

三木:どれぐらいやられたんですか?

小野:そこは1年ぐらいです。ちょうどネットの販売とかもやってたので、一応IT経験があるっていうことでお手伝いさせていただいたんです。

三木:自分としてはどんな感じでした?コーヒー屋さんの体験は。

小野:コーヒー自体がどうこうっていうのはなかったですけど、コーヒーに関する知識は色々教えてもらったり体験したことが結局は今につながってはいるんです。

宇都宮:コーヒーレンジャーですからね。

三木:コーヒーの煎れ方とかをそこで学んでいった?

小野:そうですね。豆の種類が色んなものがあるとか、焙煎によって結構変わるとか、そんなことを少しずつ学んでいく中で、自分でもできるかもしれないなみたいな感じで、それでコーヒーの会社を毎日行ってたのを週2回に減らして、コーヒーを自分で焙煎して売るっていうのをやり始めたのがその後ですね。

三木:それが今でも続いてる?

小野:そうですね。

                                             三木:結構人気だって聞きました。

小野:最初直接の販売とかをやろうとしてたんですけど、なかなか集客とかが難しくて、たまたま在庫処分みたいな感じでメルカリで出したら意外と売れて、「あれ?」っと思ってそれからメルカリに出すようになって2年半ぐらい経つんですけど、段々コツというかこうすればいいかなっていう、徐々に価格はこれぐらいがいいとかも何となく分かってきて、やるうちに段々リピーターも増えてきて。

三木:小野さんの焙煎の仕方がおいしいっていうことで?

小野:そうですね。

三木:焙煎で味が変わっちゃう?

小野:そうですね。だいたい一般の人って普通スーパーとかで買うじゃないですか。そういう豆って焙煎してから結構時間が経っちゃったりしてるものが多いんですけど、僕のは焙煎した翌日には発送するので、焙煎したての豆って全然新鮮さが違うっていうところが分かってくれる人達が増えてきて。

三木:いわゆる通の人達が?

小野:通までいかないその下のレベルぐらいで、「これ結構おいしい」「普段飲んでるのと何か違う」みたいな感じだと思うんですけど、そういう人達がリピーターになってくれて、今評価数が1,200ぐらいなんですけど、普通以下はゼロでずっと良い評価が続いていて。

三木:すごいですね。

宇都宮:どれくらいの期間続いてる?

小野:2年半ぐらい。

三木:その間に1,200の商品を出して。そこからコーヒー豆おじさんになったんですね。

小野:それは本業まではいかないですけど、副収入程度にはなるようになったっていう。

宇都宮:豆は普通の豆を仕入れて焙煎するんですか?

小野:前に働いてたところから仕入れさせてもらって。

三木:焙煎の技が職人芸みたいな感じでしょ?

小野:いやいや、それほどでもないです。

三木:プロがいるからね。

小野:メルカリっていうマーケットにどういう層の人がいるかとかそういうのも含めて、こうやれば反応がいいかなとか色んなことを試行錯誤しながらやってる感じです。

 三木:何ていう名前でメルカリをやってるの?

小野:それが『コーヒーレンジャー』っていう名前です。

三木:皆さん、コーヒーレンジャーで検索してください。そうするとメルカリで出てきます。(https://www.mercari.com/jp/u/435486544/

宇都宮:カフェインレスとか。

小野:カフェインレスは主婦の方にすごい人気。子育てしてまだ授乳してる方とか。

宇都宮:カフェインレスってどういう意味ですか?そういう風に焙煎するってことですか?

小野:豆の状態からカフェインを抜く処理があって、それは海外でやってるんですけど、カフェインを抜かれたものを仕入れて、ほとんど100%近いぐらい抜けてるっていうことです。

宇都宮:味も違うんですか?

小野:そうなんです。普通のカフェインレスって結構味が落ちちゃうことがあるんですけど、僕が仕入れてるのはカフェインレスかどうかも分からないぐらい味が変わらないっていうことで割と評判が良いです。

宇都宮:体にも影響は…

小野:カフェインがないので、カフェインにどうしても弱い体質の方とかもいるので、そういう人達には非常に評判が良くて。妊娠中の方、授乳中の方はコーヒー好きなんだけど飲めないっていう人が結構多いので。

宇都宮:そういう人はメルカリで『コーヒーレンジャー』を検索すれば。

小野:カフェインレスは本当にお勧めです。


●空き家レンジャー活動について

三木:そこからどういう経緯でここに辿り着いた感じですか?

小野:ここに来たのは、元々プレゼンやったりした時も町工場の空き家を使って何かやろうみたいな発想だったんです。ここも空き家を再生してみたいなキーワードが近かったっていうのもあって行ってみようかなって。最初ここを立ち上げた人間がDIYで改装しようっていうのを募集してたのを見て何か面白そうだなっていって来たっていう。

宇都宮:それはFacebookか何かで募集してた?

小野:Facebookで。たぶん宇都宮さんがシェアしたか何か…

宇都宮:加藤さんのメイクネットワークパーティーっていうのが世田谷ものづくり学校で開催されて、それに僕が何度か行って。

小野:それを見たんだと思うんですけど、来たのが2年ぐらい前かな?

三木:2年前にここに来た時はどんな状態だったんですか?

小野:使わなくなってそんなに経ってなかったんですよ。だからそんなに寂れた感じではなかったんですけど、普通に人が住んでるなっていう状態でしたね。

三木:人はもう住んでいらっしゃった?

小野:住んでなかったんですけど、まだテレビが置いてあったり布団が置いてあったりとかもあったので、そんな感じで。

宇都宮:キッチンもちゃんとしてますね。

小野:そうですね。社員食堂だから結構立派な厨房があったりとか。

三木:何人ぐらいでここをリフォームしていったんですか?

小野:中心メンバーは20人ぐらいでやってたんですけど、毎週毎週募集してやってるような感じなので、延べ人数だとたぶん200人ぐらい来てるんじゃないかっていう。

宇都宮:クラウドファインディングで募集して。

小野:1回来てそれっきりっていう人結構いたりするので、そういう人も含めるとかなりの人数が関わってると思うんです。

宇都宮:地元付近が多いですか?葉山とか逗子とか鎌倉とか。

小野:湘南エリアの人達が割と多いですけど、でもたまに東京から来たりとか、千葉とか埼玉とか「えー?頑張って来たね」みたいな人が結構いたりして、僕もその頃は横浜に住んでたので横浜から毎週通ってたんです。

三木:空き家レンジャーになると色をもらえるんですよね。

小野:そうですね。自分で好きな色をつけなきゃいけないっていう。

三木:小野さんは何色なんですか?

小野:僕はコーヒー色なんです。だからコーヒーレンジャーっていう。

宇都宮:ピンクのつなぎからコーヒーに進化したんですね。

小野:そうそう。ピンクレンジャーは加藤太一がピンクレンジャーで。

宇都宮:取られちゃってたんですね。すでに。

小野:それは決まってたんです。ピンクは人気があるから。僕はコーヒー色にしたんです。

三木:200人でここを1年半ぐらい?

小野:1年半後にオープンっていう形にしたので、1年半ぐらいかかって改装して。

 

●葉山ファクトリーと漫画図書館について

三木:その後からまた新しいことを小野さん始められたじゃないですか?

小野:そうです。2階の元々の居住スペースを工房っていう形にして、そこでモノづくりをしたりとか、アート系の人とか陶芸をしたりする人もいたりするんですけど、各部屋をそれぞれに使いたいように使っていいよみたいな感じで貸し出しています。

                             

三木:先ほどちょっと拝見したんですけど、京都大学の吉田寮みたいな感じで、昭和でかつかなり自分達で色々手を入れられる感じですね?

小野:そうですね。それがウリっちゃウリなんですけど、自分でどんどん改装してよくて、原状復帰義務が全くないので。

宇都宮:原状復帰しなくていいの?

小野:いいんです。塗ってもいいし壁に釘打ってもいいし、もう自由に何でもできるっていう。

三木:何で漫画図書館にしたのですか?

小野:元々はそこでコーヒーの焙煎を始めたんです。最初は自宅でやってたんですけど。

三木:匂いがすごいんじゃないですか?

小野:煙とか匂いがすごいから、僕はベランダでやってたんです。

宇都宮:ベランダでも隣の家から…(笑)。

小野:クレームは来なかったんですけど、迷惑してる人もいたんだと思うんです。ここがあるからじゃあここでやろうってことで、ここを借りることにしてここで焙煎をやってたっていうのが最初だったんです。

三木:焙煎は焙煎マシーンみたいなのがあるんですか?

小野:そうですね。電動の焙煎機があって。

三木:煙がブワーって出るんでしょ?

小野:結構出ますね。ここだったら割と外に出しても大丈夫みたいな感じです。この広い場があるので、ここで人が集まって何か面白いことをやりたいなってずっと思っていて、結構ここに来る人に「秘密基地みたいだよね」って言われることが多くて、「あ、そっか」と思って、「秘密基地だから秘密基地にあるものって何だろう」って考えてて、「やっぱり漫画が必要だよな」っていうのが最初のきっかけ。コーヒーもそうですけど漫画もそんなに好きじゃなくてあまり興味を持ってなくて、だから最初1冊も持ってなかったんですけど、漫画は必要だろうって思ってそれで漫画を少しずつ増やしていったんです。

三木:子供達のためとかじゃなくて?

小野:大人の秘密基地っていう感じです。

宇都宮:大人の秘密基地にするために備品として漫画が必要っていう。

小野:そうです。最初はそんなに多くなかったんですけど、でも漫画カフェっていうのも何か俗っぽくて嫌だなと思って漫画図書館にしようと思って、それで今5,000冊を超えてるんです。

三木:すごいな。5,000冊。

宇都宮:どうやって集めたんですか?

小野:ブックオフ、メルカリ、ヤフオクとかその辺の一番安い価格を見つけて仕入れるとか、あとやってる中で色んな人が持ってきてくれたりとかも結構あります。

三木:それでクラウドファインディングをやったんですよね?

小野:そうですね。

三木:どれぐらい集まりました?ゴールはできた?

小野:目標は20万。直接現金でくれた人もいたので、その分をカウントできなくて、目標には達成しなかったんですけど。

三木:キャンプファイヤーでしたっけ?あれって達成しなくてももらえるやつですよね?

小野:そうです。漫画はある程度仕入れたので、僕は今平日は会社勤めしてるから、平日も開けたくて、それを資金にしてアルバイトの人を雇って平日店番してもらってる感じです。

三木:アルバイトを雇える余裕があるんだ。

小野:それも収入がないのに先に支出作ってしまって、2ヵ月ぐらいは支援していただいたので何とか賄えるかなっていう感じですけど、その後どうしようかなっていうのが今の課題です。

三木:今はそのアルバイトの方はいらっしゃらない?

小野:平日しかいないので今日はいないんですけど。

三木:平日とか来る方いらっしゃるんですか?

小野:この辺に住んでる主婦の方とか、割と平日のほうが来やすいっていう人も多いんです。

三木:利用料はいくらぐらいなんですか?

小野:会員制になっていて、月1,000円が基準価格です。半年とか1年契約していただくと割引がちょっとある感じです。

三木:今会員は何人ぐらい?

小野:会員は20人ぐらいです。クラウドファインディングで支援していただいた方もいて。

三木:僕も会員。初めて来ましたけど初会員で。

宇都宮:会員証もらってますから。

小野:1人北海道から支援してくれた人もいて、北海道の人はさすがに普段来れないからっていうことで特別に回数券にして。

三木:なるほど。今の課題はどうやってビジネスを回すのか。

宇都宮:経営課題ですか?

小野:経営課題ですね。だから皆さん会員になってください。よろしくお願いします。

三木:お問い合わせはこちらまで。

後編に続きます。

小野勝秋さん
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