NEWガイアの夜明けで紹介された、クラウドファンディングを活用して新規事業を立ち上げるためのスクール「zenschool(ゼンスクール)」 22期新規募集(残席1名)

第164回MMS(2018/4/9収録)「自社の金型工場に美術館を建てて1周年。想像の斜め上行くことが起き過ぎてます」前編 (株)フジタ 代表取締役 梶川貴子さん

●ご挨拶と出演者紹介

 三木:本日もマイクロモノづくりストリーミング始まりました。本日は株式会社フジタの素晴らしいFactory Art Museum Toyamaのほうにお伺いして、梶川社長に色々とこれを生み出した経緯を伺っていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

梶川:お願いします。

 

●Factory Art Museum Toyamaの1周年記念イベント

三木:素晴らしいミュージアムで完成してすでに1年ということで…

梶川:昨日(2018年4月8日)でちょうど1年です。

三木:この1年どうでしたか?このミュージアムがオープンしてから。

梶川:ミュージアムオープンしたと言っても毎日人がわんさか来るわけじゃなく誰も来ない日のほうがまだまだ多いんですが、一番決定的に違うのが、絶対ミュージアムをやってなかったら一生会うことがない人達が足を運んでくれると。そういった現象がポツポツと増えてきて、イベントとかすると「よく分かんないけど場所がここだったから来ました」というような人達もまたさらに増えていくということは現実的に起こってます。

三木:具体的にどういう新しい出会いがありましたか?

梶川:セミナーとかイベントを開催して、Facebookとか見て「おもしろそうだ」と言って来られて、来て初めて「ここ一体何ですか?」みたいなのがあって、そもそも製造業なので製造業の方が多かったりということで、実際お仕事じゃなくても技術情報の交換というつながりにはなりました。

三木:業種でいうとどういう?

梶川:サラリーマンだったり、一人でお仕事されてるデザイナーさんだったり、モデラーさんだったり、Web屋さんもいたりっていうことで色々…

三木:製造業以外の出会いが結構多いですね。今ここに後ろにいらっしゃる阿修羅像、これも豊田市のzenschool卒業生(今井さん)ですけども、今回の1周年のセレブレーションするにあたって、どういう流れでここに展示されることになったんですか?

宇都宮:オープニングの時に一応試作品を今井さん展示されたんですよね?まだ門外不出なのにテレビに出ちゃったっていう…

梶川:そうです。去年のオープニングの日にこれの前の試作品を持ち込まれて、それが新聞とかニュースで流れて、それを見た人が「阿修羅像って無いのですか?」みたいなのをよく言われたので、やっぱり人気あるんだということで今井さんに「常設したいんですけど」って言ったのがありますね。

三木:この洞窟は何ですか?

梶川:この洞窟は川崎市のヒラミヤさんの作品なんですけど。

宇都宮:ポリゴンつながり?

梶川:そうですね。「1周年が4月にあるので、こういうのを飾れたらおもしろいと思います」ということで、この阿修羅さんのポリゴンつながりで言ったと思います。

三木:それで阿修羅さんから紹介していただいたんですか?

梶川:いや、ヒラミヤさんは去年私のほうから一度会社に伺っていて、その時は展示する云々はなかったんですけど、この人のこれとこの人のこれを飾ったらいいよねっていうのが閃いたんです。

三木:何か企画力がすごい上がってるような気がするんですけど。

梶川:ありがとうございます。

三木:以前だったら僕らがお手伝いしたりプログラムを考えたりとかしてたと思うんですが、今回全部自分で…

梶川:気づいたら集まってたみたいな。

三木:どういうメニュー構成になってるんですか?この2日間で色々イベントがありますよね?

梶川:4月7、8日でまずオープニングのイベントがありまして、来週4月15日が哲学カフェ。(このあと、5月13日(日)に第4回「人工知能x倫理」、6月10日(日)に第5回「幸福とはなにか?」が開催予定です。)

三木:哲学カフェ。それは何ですか?

梶川:これは哲学を専攻していたzenschool富山1期生(野末さん)がいまして、今製造業なんですが、よくよく聞いたら「実は大学時代哲学を専攻してた。哲学カフェも開催してたんだけど今忙しくてちょっとご無沙汰してる」って言うので、「じゃあミュージアムでやりませんか?」というのが去年開始してこれで3回目になります。

三木:結構人気があるって聞きました。参加できる人数は何名ぐらいですか?

梶川:だいたい最初10名ぐらいだったんですけど今はもう15名まで伸ばして。

三木:どういう内容なんですか?

梶川:1回目は技術とテクネーっていうギリシャ語のモノづくりみたいなことでテーマがあって、2回目はアトムとビット。次の4月15日は人工知能AIと人間の仕事が残るのかっていうことを、哲学的に見てディスカッションするということで、そちらのコーディネートは講師の野末さんがやってくれます。

三木:参加してる方はどんな方ですか?

梶川:私も初めてやって初めて分かったんですけど、そもそも根強い哲学ファンがいて、私は哲学全然知らないので今まで会うことのなかった人達なんですけど、哲学カフェってページを上げた途端にパタパタパタって参加があって。

宇都宮:なかなかいないわけなんですか?そういう方同士が話せる場というか…

梶川:何か求めてるみたいですね。場がほしいみたいです。その場があれば遠くから1時間かけていらっしゃるので。

三木:その哲学カフェの後(1周年イベント)何かあるんですか?

梶川:その後は次の週4月21日に100万人のクラシックライブコンサートっていうのと…

三木:クラシックライブ?すごいですね。

梶川:それは財団でそういう活動をされてる財団があって、その方達がバイオリンとピアノを弾く人を準備して広報もしていただけるので、うちは場所を提供すると。それもそこの現場でやる予定です。

三木:現場で!?すごい。

梶川:それは全国に広めようという目標があるらしいんですけど富山は初なんです。100万人のクラシックライブコンサートといって、要はクラシックに馴染んでない方達にそういう場を提供してクラシックを愛してくださいっていうチャリティ的な場を全国どこででも開催しますという…

宇都宮:町工場とクラシックってあんまり接点がなかったようなところでもあるし、いいかもしれないですね。

三木:いいですね。素晴らしい。その後は何か?

梶川:その後はゴールデンウィークに尺八のライブを今計画してますけど、まだ全然広報もできてないですが。

三木:僕の友人の工藤煉山(くどうれんざん)さんなんですが。

梶川:それはちょっとマインドフルネス的なところを入れて…

宇都宮:毎週末ある感じ?5月6日まで。

梶川:そうですね。毎週末と平日寂しいので何か即興でやれないかなと思ってたら、ここを設置してからすごい夜がキレイなんですよ。撮影スポットになるので夜オンリーの撮影会でもしようかなと思ってます。

三木:平日夜限定の1ドリンク付きのみたいな?

梶川:そうそう。1ドリンク付きの。

三木:ちょっとワインっぽいテイストのノンアルコールジュースで乾杯みたいな。

梶川:撮り放題ですみたいなそういうので…

三木:いいですね。それはおもしろいね。こういうイメージって僕らとzenschoolやってる時ってありました?

梶川:全くないですね。

三木:でもちょっと以前の写真を見返してみたらこんなのが出てきまして。これはzenschool2015年の7月に梶川さんが我々のschoolに参加した時にホワイトボードに梶川さんの言ったことを書き留めたら、まず1番まっ白。

梶川:まっ白です。全部白です。

宇都宮:でも白をオーダーしたわけじゃないんでしょ?

梶川:「白くしたい」って言った私の記憶はあんまりないんですけど、結果白くなっちゃったって感じです。

三木:2番目がシンとした空間。誰もいない美術館。いかがでしょうか?

梶川:毎日誰もいないです。

三木:シンとしてますね。3番、工業団地だけど気持ちいい。確かに気持ちいい。お花があったり仏像があったり本当気持ちいい空間です。どうですか?この適合具合は。

梶川:適合し過ぎててすごいですね。あの時何もなかったのに言語が現実化した。

三木:削り出し技術で生み出して展示する美術館のような工場、ミュージアム、TFM、Toyama Factory Museumっていうあれだったんですね。

(現在のFactory Art Museum Toyamaと以前の物置き)

梶川:そうですね。最初はね。

三木:どうですか?こういう現実を見て。どうしてこういうことが起きたと思いますか?

梶川:分かんないです。分かんないけど夢中になって走ってたら結果ができたって感じです。

 

 

                             

●zenschool受講のきっかけとenmonoとの出会いについて

三木:zenschoolに来た理由は何だったんですか?

梶川:zenschoolに来た理由はずっと遡るとリーマンショックの次の年(2010年)に私社長になったんです。その前はルールもなければ組織もない動物園的な会社で、しまりがないというか規律もない。まず「改善しましょう」ということで3S活動を入れて、3年くらいすると売上同じなのに、経常利益が良くなっていったみたいな感じで、何かやったら結果は出るんだと思いながら、その次の先って考えたら、今のやってる仕事を今後10年続けれるのかなって考えたらすごい疑問符があって、やはり仕事自体も変えなきゃ、あるいは違うことをしなきゃっていうことを常々ずっと探してたんです。でも見つからない状態でした。

三木:その探している期間ってどれぐらい探してたんですか?

梶川:もう社長になってすぐだから5、6年。

宇都宮:震災の前ぐらいですか?

梶川:いや、震災の後ですね。震災はある程度きっかけになりました。あの時は積み上げてきたものが震災で一瞬になくなっちゃうっていう衝撃というか、朝元気だった人が震災で亡くなるっていうことが家族として起きたら、やりたいことっていうかもうちょっとやれることをやらなきゃいけないのかなっていうのは感じました。ブツブツ自分で日々肩を落としてることが馬鹿らしくなったことは覚えてます。

宇都宮:(やりたいことって)そんなすぐ見つからないですもんね?

梶川:見つからないですけど、つまんないことに時間をかけるのがもったいないって思いましたね。

三木:つまんないことっていうのは?

梶川:例えば会社の中の小さいことで悩んでたりしたので、そんなことで悩む時間あったらみたいな…

三木:やりたいことやろうよみたいな?

梶川:もっと大きなこと目指したほうがいいんじゃないかなっていう…

宇都宮:色々調べたりしたんですか?こういう新しいことがないかなとか新しい知識を得たいなとかって、動きとして外に出るというか…

梶川:そうですね。その頃ずっと中にいてまず外に出てなかったので、会社の外に出るっていうことも結構ハードルがあったりして。

三木:ハードルっていうのは自分的なハードル?会社の?

梶川:両方ですね。ずっとCADとかやってたので、それをやらないと現場が流れないので、外に出るのが悪みたいな、仕事が止まるぞみたいな、なのですぐ私の仕事をシフトできる人を入れて、外に出るようにしました。

宇都宮:出始めて何か色々刺激を受けました?

梶川:色んな意味で刺激だらけでしたね。良くも悪くも刺激だらけでした。

三木:その中で2015年2月世界コマ大戦というのが開かれ、そこで初めてお会いしたんですよね。

梶川:そうですね。

宇都宮:インターンの小山くんに連れて行かれたらこの2人がいていつの間にか握手してる、写真も記録に撮って。

 梶川:いや、enmonoさん達は私認識してて、会うきっかけがその時までなくて、その世界大戦の懇親会で、小山さんがまさかインターン生とは思ってなくて、喋ってたら「僕実はenmonoさんでインターンしてるんです」って言うので、「ちょっと紹介してよ」って言って連れて行かれたんですよ。

宇都宮:僕らをどういう認識をしていたんですか?

梶川:よく分かってなかったんですけど、ただ例えば…

宇都宮:iPhoneヌンチャク系の…

梶川:藤澤さんとか、あとそのもっと前にモノづくりのコミュニティで、東京のほうでちょっとしたワークショップを開催してるっていうのをネットとかで見てたんです。ただ一体何をされてるかはよく知らなくてzenschoolも知らなかったです。

宇都宮:でも握手して受講することになっていったわけですけど。

三木:その後色々心の変動があったっていう…

梶川:握手してから10期の発表会を見に行ったんですよ。

宇都宮:10期の発表会って着ぐるみ着た人とか筋肉の人とか。どんな感想だったんですか?

梶川:最初の着ぐるみは何が始まるんだろうっていうので度肝を抜かれました。「え?何?このピエロは」って。筋肉の方も「僕は癌です」って言いながらえらい筋肉があるって思いながら…

三木:それを見て不安になっちゃったんですね。

梶川:不安っていうことはないですけど、私の中ではすごい新しい世界でした。初めて見た世界っていう感じでしたね。もうバーンっていう感じ。「何これ?」みたいな。

三木:自社商品開発って頭にあったのが行ったら何か違うみたいな感じだったんですか?

梶川:違うというか商品だけじゃないなというのと、「自社商品を開発して私は○○で会社を○○していきます」みたいな、キチキチのものがあまり見えなかったので、こういう発表でいいんだっていうある意味ちょっとした安心感がありました。

三木:受講前に色々不安な感じになっちゃったんですか?

梶川:そうなんです。自分の中に新たなモノがあるんだろうか、出るんだろうか、できるんだろうかっていう不安がありましたね。

三木:出ましたね。

梶川:いやいや、今だから言えるけどその時は出なかったらどうしようとか思ってました。

三木:誰の中にも眠ってるんですよね。

 

●zenschool富山とzenschoolマスターについて

 三木:卒業してこのミュージアムを取り出した後に、梶川さんこのzenschoolを極めるためにzenschoolマスターというのになろうということで申し込んでいただいて、このミュージアムの上でzenschool富山を開催致しました。

宇都宮:去年の7月に。

三木:その時の思い出はどんな感じでしたか?

梶川:良い思い出です。楽しかったです。あれは思いつきだったんですよね。「フリースペースできたからzenschool富山しますか?」みたいにふと言って「いいね。やりましょう」って言って募集かけたんです。

宇都宮:そしたらすぐ野末さんが申し込んでたんですよ。

三木:3日後ぐらいにページを作ってリリースだったんですよね。

梶川:そしたら1名すぐポンと。

三木:その野末さんが今哲学カフェを上でやってる。

梶川:そうなんです。野末さんが今哲学カフェの講師。

三木:どうでした?zenschool富山を第1期やって1周年。

宇都宮:今回マスターとして眺める側の立場で、zenschoolを自分が受講した頃とは違う目線で見て。

梶川:やっぱりカチンってスイッチが合った人っていうのはもう全然表情変わるんだなっていうのは分かりました。「あ、この瞬間なんだ」っていうようなのは…

宇都宮:野末さんとか前田さんとか分かりやすい。

三木:それが自分にも起きてたってこと知ってます?

梶川:分かんないです。

宇都宮:写真には残ってましたけどね。某ガイアの夜明けに出ましたし。

梶川:でも分かんない。自分では。

三木:だからもう本当0.0何秒なんです。ドーンってそれがイメージがボーンと下りたらもうバーンとこれができてるんです。

宇都宮:その一瞬をちょっと時間をかけて書き留めただけなんですよね。

三木:その一瞬を僕らは見逃さないように超集中してるんです。その人の表情を見て。

https://lh5.googleusercontent.com/V0tVzNkG1iZ_p4YhYivxRdCNWlOoTEOxkxL1GGdAwAulKfBUGQ3HoHn8Sk55BMaJvfZfKVE75L7Pb4oc6P37_B6tuIzA8qVEBIlDtHm2LZnVOcoOtAqAbJOm37C1Ngn-ErVIbnyi

宇都宮:(梶川さんが)モノづくりをしようとして来られて、僕ら「本当にそれしたいんですか?」って聞いても表情が明るくなかったんですよ。「美しいモノを作る」って言ってるんですけど「本当に美しいモノを作りたいんですか?」って確認するとパチンと弾けれない感じがどうしてもあって、でもご自身も行き詰った感があって外の空気を吸いに行かれて、ちょっと間を空けて翌日に「他にも使える資源ないんですか?」みたいなことを…

三木:これが生み出された直後の表情です。

 梶川:本当だ。笑ってる(笑)。

三木:これを僕らは何回も見て、何回もその人の中で起きることが何回も経験してるので、「あ、これ今下りた」みたいなのが分かるんです。

梶川:分かるんですか?

三木:ドーンと下りてバーンみたいなのができたので。

宇都宮:前日の「美しいモノを作る」って言ってる時と表情が違うわけですよ。

三木:これは本当に不思議なことに起きるんですよね。これはちなみに梶川さんのチャートですけど、この時はまだモノになってるんですよね。モノづくり。https://lh4.googleusercontent.com/zAafAADDaE-fai-A3jscx6UANVHXsXYOgPfa1koPkmyhyqPcE2Oh2-SjJvmxb6Q9SJ1IGtVKqGrRtW8xvo7xyt8MRdSgpReYvL3ZMPKxdGjUZZKyh-E7IBKT89V6eGt16mYy2nMa

梶川:そうなんです。頭から離れないんですよね。会社の現場みたいな。

宇都宮:でもそれは社長だから仕方ないですもんね。

三木:何か“ガツーン”と書いてますね。すごい驚かせたいみたい。

梶川:あと「ぽくないよね」っていうのをよく言ってましたね。「工場っぽくないよね」とか「社長っぽくないよね」って。

宇都宮:でも機械加工からまだ離れてないっていう意識が…

梶川:だって工作機械使わなきゃって思うと…

三木:“企業価値=自分のやりたいことがチャレンジできる”とか…

梶川:すごいこと書いてありますね。そういう会社にしたいんです。チャレンジしない人はいらないというか来なくていいからみたいな。

三木:“製造業じゃないことをやる会社”みたいなことを書いてます。

梶川:いいですね。イベントしてますから製造業じゃないことやってますよ。

三木:こういうプロセスを経て今ここのFactory Art Museumができてると。

宇都宮:この場にこんなに色々モノが集まってくるっていうのって…

梶川:モノもね。びっくりしますよね。

後編に続きます。

梶川貴子さん
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