NEWガイアの夜明けで紹介された、クラウドファンディングを活用して新規事業を立ち上げるためのスクール「zenschool(ゼンスクール)」 22期新規募集(残席1名)

第159回MMS「3D技術を駆使するメタル仏師が生み出した新感覚仏像『Polygonアシュラ』」後編 (株)アイサク 今井 祐二さん

前編からの続きです。

●3D技術を駆使したPolygonアシュラの制作と今後の展開

 三木:引き続き阿修羅像の制作に関して色々お話を伺っていきたいですけど、これは実際3Dのデータ作成というのが大変だったということで、これはまだのっぺりバージョンだと思うんですけど、このデータを見ながら合っているかというのを会話しながら業者さんと作ってきたという感じですか?

今井:そうですね。これはまず最初に作っていただいたやつなんですが、これから修正を加えていったんですが、これをもとにまず紙で作ってそれで表情を確認して、実際この顔は全然納得できなくて。

三木:そうですよね。あまりにものっぺりで顔がないみたいになっちゃって。

今井:そうですね。だけどこれは忠実に再現するとこんな感じになってしまうんですが、本当はこのままいくのがリアルにはなるんですが、それとはちょっと違うかなという部分もありますので詰めて直していきました。他の部分も布の感じとか…

三木:布の感じがとてもよく表現されていますね。あと背中の辺りも結構よくできてるなと思って。

今井:そうですね。背中のラインもキレイな曲線ができてます。

三木:これで身につけた技というかこれを作る中で色んな3Dのデータの取り扱いとかそういうのも学習されたんですか?

今井:そっちのデータのほうはほとんどお任せで指示するだけでやっていただいて、作るほうに関してはこの仏像以外にもちょっとしたランプシェイドとか作ったりはしているんですが、やるごとに精度は上がっているなと。失敗もほとんどなくなる。多少の修正なら図面なしでもパパッとできちゃうぐらいに、もう現合で合わせてやっちゃうということも身についてきました。

宇都宮:アルミの板から部品を切り出していって曲げていくというプロセスですよね?

今井:そうですね。全部手作業で機械は使わずに手で切って…

宇都宮:切り出しもハサミで切って?

今井:平面図を紙に印刷して貼りまして、その線に沿ってまず切りまして、こういうカクカクを出すには裏に薄く線を入れてそれで曲げないと曲線になっちゃうので、曲げる部分がエッジ感が出ないので薄く線を入れるんですが、その線も入れ過ぎちゃいますと曲げた時にパキンと折れちゃいますので、その辺の力加減とかもどんどん慣れてきて。

宇都宮:スピードも上がってきて生産性も上がって…

今井:でも今回は直し直しでやってきましたので、実際時間数にすると200時間ぐらいかかってるんです。バージョン1の時はもう出来上がった図面でしたのでその半分ぐらいで実際できてますので、これももう次作る時はその半分の100時間ぐらいでできます。

三木:実際今後の阿修羅像の販路というか何か考えていますか?どうやってビジネスにしていくか。

今井:自分のいけないところなんですが、とにかく売ったりとかより作りたいになっていまして、もう阿修羅像以外にも次はこれ作ろうあれ作ろうっていうのはあるんですが、そればっかりですと会社に迷惑をかけてしまいますし、続けていくにはやはり入ってくるものもないと継続できませんので…

三木:どのような用途が考えられますか?

今井:まずターゲットとして考えたのは、飲食店とかに演出とかも含めて飾っていただくという、光で演出とかも色んな色の光を当てたりするとすごくキレイですし、実際クリエーターズマーケットの時もそうでしたけど、これを見るとパッと見ただけで頭の中に記憶として残りますので…

宇都宮:目立つということですね。

今井:インパクトはあると思うので、そういった飲食店とかでも使っていただけるのかなと。あとはもちろん販売とかレンタルとも考えてますし、まず自分の中で考えているのはどんどん発信してファンを増やすことに…

宇都宮:色んなアイデアをもらってとかですかね?

今井:そうですね。今後の予定としてはまだ販売まではつなげないですが、展示会としては豊田市の展示会でとよたビジネスフェア(http://www.toyota-bizfair.jp/)というのが3月にありますので、そちらにも出展します。それとzenschool卒業生の富山の梶川さんのところのFactory Art Museum Toyama(http://www.fujita-k.co.jp/art/)に展示してもらいたいというのもあります。

宇都宮:4月ですよね?

今井:そうですね。一周年記念で何か企画しておりますので、いずれ情報は出てくると思いますのでそちらに参加したい。

三木:あとはクラウドファンディングとかはどうですか?

今井:これもちょっと話したことがあるんですが、夢は大きく海外に持っていきたいというのがありますので、ニューヨークのMoMA(ニューヨーク近代美術館)とかそういうところに…

三木:個展を開きたいのでその渡航費用をクラウドファンディングで…

今井:そのようなイメージで最終的には狙っていきたいなと思います。

三木:いいですね。ぜひzenmonoでやらせてください。

今井:はい。

三木:海外からもたぶんこれは注目が集まるものだと思いますので。

今井:阿修羅像に限らず色んなシリーズを…

三木:なにか考えてるのがあるんですか?

今井:考えているのは先ほどもお話に出たクリエーターズマーケットの年に2回あるうちの1回、毎年12月に参加してその都度新たな仏像を発表して、そちらに関してはもう準備は実際始めてまして…

宇都宮:阿修羅像の次?

今井:そうですね。ちょっとそれはこの時点では内緒にしようかなと、お楽しみということで、必ず出展はしますのでこれを見ていただいて、もし見に来ていただける方がいたら楽しみにしていただきたいなと思います。

今井:そうですね。色んな卒業生がzenschoolにいますので、色んな方と交流していけばそういった色んなアイデアもいただけるというのも実際ありますので、そういったことも今後どんどんやっていきたいなと。

宇都宮:発表会とかにも来ていただいて、その時に交流していただいてもいいでしょうし。

三木:そうですね。これはインパクトがありますから。

宇都宮:これを持ち歩くのは結構大変なんですよね?

今井:いや、これは分解ができるので、本当にバラバラになりますし…

宇都宮:じゃあ車のトランクに入るんですか?

今井:入りますし、アルミで中は空洞ですので重さもこれで3.5kgぐらいで全然持ち上がっちゃうぐらいですので。

宇都宮:今ちょっと持ってもらっていいですか?ちょっと横向きにしてもらっていいですか?サイドもこういう感じになっています。

三木:背中もすばらしい。後姿がいい。

宇都宮:衣服の感じとかも。なかなか見ないですよね。後姿は。正面のはインターネット上でもあるし写真とかもあるんだけど。後ろも実物と同じ?

今井:もう全部再現していますね。

 

 

 

 

 

 

 

 

宇都宮:本当にそういう後姿になっている?

今井:そうですね。

三木:腕の表現がすごいなと思って。ちょうどこういう感じなんですよ。ちょっと細くて折れそうな感じの腕が本当についているので、そこがすごくよく表現されていますね。すばらしいです。将来的にはどんどん仏像を増やしていく感じですか?

今井:そうですね。

宇都宮:三十三間堂みたいに(笑)。

今井:そうですね。もう次作るやつの事前のお参りは済ましてますので。

宇都宮:お寺参りもセットにして、魂を注入するという…

三木:バージョン1の時も反響があったと思うんですけど、今までどういう反響が起きましたか?

今井:一つあったのはアルミの専門誌のほうから…1日だけ(2017年4月)富山のほうに展示していただいたことがありまして、その情報を聞きつけてどこかから見て直接東京の出版社のほうから会社のほうに「ちょっと取材をさせてくれ」という依頼が…

三木:これはもう取材OKなんですよね?

今井:その時はオリジナルじゃないので表に出せませんので「申し訳ありません。オリジナルを作りますのでできた際には連絡させていただきます」と言って先月連絡はしました。

三木:そうですか。何か取材が来そうな感じですか?

今井:逆に色々質問されてそれをただ出す、写真を送るという形でやってますので、もしかしたら載せていただけるかなと思います。

宇都宮:アルミですもんね。他の材料もこちらに銅があるように作れますもんね?

今井:そうですね。

三木:銅は銅の質感があっていいですね。

今井:銅はこれの2倍の大きさで頭だけ作っていて、何で2倍かというと銅は扱いがアルミと違って、銅自体粘りがありますので…

宇都宮:曲げづらい?

今井:曲げづらいというのもありますし切りづらい、手が傷だらけになるぐらい切れ味がよくなっちゃうので、だけどアルミにはない重厚感とかも出せます。

宇都宮:経年していくとまた風情が出ますよね。

今井:強制的に薬品で錆びさせたりもできるので、あれはあれで同じ図面で作ることもできますので…

宇都宮:表情が違いますね。肌の色が変わると。

今井:例えば真鍮の板で作れば金色になったりとか。

宇都宮:でもアルミだとアルマイト処理をするとか、やれなくはないですよね。

今井:はい。同じものでもやり方によってはまだまだ広げれるなと思います。

宇都宮:当然照明の当て方でも全然表情が違いますもんね。

今井:そうですね。

 

●zenschool受講後の変化とつながり

 三木:ここで話をzenschoolのほうに戻してもいいですか?

宇都宮:2016年12月に受講されて2017年の2月に発表されて。

三木:受講前と受講後、自分がこういう風に変化すると思っていましたか?

今井:面接の時に思ったように、事前に目を通しても何をやるのかイメージがつかないというのが正直な感想でしたが、終わってみて率直に思ったのが今まで色んなセミナーに出たことがあるんですが、その中でもダントツに楽しかったなと。4回あったんですが、行く度にどんどん気持ちが「楽しいな、楽しいな、次来ないかな」と。最初は4日間長いなと思ったんですが、「もう終わってしまうのか」というのがありました。

宇都宮:どの辺が楽しかったんですか?今井さん的には。

今井:やっぱり自分が事前に考えてもストーブとか実際世の中にあるものしか出てこなかったんですが、実際受けて瞑想してワクワクトレジャーをやりまして、それで自分でも予想外のものが出てきたということに…

宇都宮:これは予想外なんですか?

今井:予想外です。そこに驚きがあったのと、自分でも作っててすごい楽しいので、そういったものができたというのが非常に毎日ワクワクできると言いますか…

宇都宮:自分の再発見みたいな感じですか?

今井:そうですね。

宇都宮:でも元々あったものですもんね。

今井:zenschoolの自分の好きなこと、マイクロモノづくりという考え方とストーブはたぶん似てはいるんですが、でもオリジナリティとか自分しかできないみたいな、自分が考えたんだと自信を持って言えるようなことができたっていうのは、すごく自分の中では大きいなと。

宇都宮:好きのレベルが違うということですか?

今井:そうですね。ストーブもやめるわけじゃないんですが、自分の中でのワクワクが全然違いますね。

三木:ワクワク感のレベルが…

宇都宮:モノに反映していますもんね。

今井:そうですね。今話したように受けたことによって、販売までのノウハウとかそういったことも学べて、実際補助金も受けることができましたし、自分としては度胸がついたと言いますか、同じ卒業生でもよく話をするんですが、「自分でやらなくていいんだよね」「仲間をどんどん増やしたり、自分がやれないことに対してお金を払ってやってもらうということは、別におかしいことじゃないよね」って考えれるようになりました。

宇都宮:昔は違ったんですか?

今井:全部自分でやらないと逆に気がすまないとか、そうすると逆にどんどん進まなくなっちゃう。時間的に限界が来たりとか、技術的にも自分の限界がありますので、プロに任せたり協力していただければ…

三木:他の同期生はどういう風に変わってきた感じですか?

今井:そのセミナーが終わっても「さよなら」ではなくて、定期的に集まったりとかできてますし、昨日の新年会には第二期生も参加していただいてたんですが、すぐ打ち解けて…

三木:そうですね。同じモードで喋れますから。

今井:それでも十分楽しいですし、色んな情報交換もできますし、お互いの工場を見に行ったりとか仕事の面でもフォローできますし、本業のほうでも協力できることは全然できますし。

三木:そのつながりこそ豊田市さんが必要としていたネットワークですね。製造業界の作られたものじゃなくて、本当の意味で対話できるネットワーク。

宇都宮:期が増えていくごとにそのコミュニティがより増えて強固になっていきますから、末永くzenschool豊田市が継続できたらいいなと僕たちは勝手に思っております。

今井:豊田市はおもしろい企業がたくさんあるんですが、つながりがあまりないというのが自分でも感じるところがありまして。

宇都宮:通常製造業同士が集まるとライバル感がどうしても出ちゃうじゃないですか。「こんなこと言っちゃいけない」とか…

三木:ここではそういうのがない。だってみんな自分の好きなことをやっているから関係ないんですよ。

宇都宮:どんどん自己開示しちゃうわけですもんね。

今井:だからすぐに打ち解けれられるし、すごいおもしろいなと思います。

三木:豊田市の卒業生も時々東京の発表会に来ていただいたりとかして。

宇都宮:先日も渋谷のほうに来ていただいたし。

三木:我々が慶応大学さんと一緒にやっているzenschool殿町も同窓生なので、そっちのほうにも来ていただけると医療系のことをやっている方が多いので、そういうつながりもできますし、どんどん日本全国、東京、東大阪、富山、豊田市、台湾にも卒業生がおりますし、ここに入るとみんなつながっていけるというコミュニティを、我々は作っていきたいと思っています。

宇都宮:豊田市という地元でつながるのもありますけれども、それがまた日本中世界中に将来的につながっていけば。Facebook上にはいつもいますので。

 

●今井さんの考える「日本の○○の未来」に対する想いについて

 三木:最後の質問で「日本の○○の未来」ということで、○○はご自身の好きなこと、製造業、中小企業、モノづくりでも何でもいいですけども。

今井:普通になっちゃうかもしれないですけど、日本の製造業に対してですが、僕は社長でもないですしサラリーマンで、結構zenschoolの参加している方は社長さん、経営者の方が多いんですが、僕が社長だったらという考え方を常にしたいなという想いはありまして、そういった考え方で話させていただくと、かつてメイドインジャパンといってすごく名が世界中に知れ渡ってて、だけど今それが崩れかけちゃってるかなという印象がありまして、それは何なのかなと考えると、技術的な部分は日本はすごい持ってるなと思うんですが、それを作る人の気持ちですかね。

三木:そうですね。ワクワクしながら作っていたと…

今井:仏像もそうですし、昔の作った仏像ってすごく魂を感じると言いますか、今の人では再現できないんじゃないかなとつくづく感じる部分でありまして、そういったモノに込める気持ちが変わっちゃってきてるのかなというのがありますので、昔の人が持っていた良い道徳心とか武士道とか、ちょっと個人的にもそういったものをもう一回見直したほうがいいのかなと思って、先日武士道の本を読んだりとか、自分も含めて会社でも鍛えて教育に反映したりとかしていきたいなと。

宇都宮:技術とか技だけではなくそういった魂とか…

今井:その違いが出てきてるのかなと僕は思います。

宇都宮:心技体って言いますよね。

今井:そうですね。昔の伝統工芸とか見ますとすごい理にかなったことをやってますし、品質も本当に追求して「これでどうだ!」という感じで、手に触ったり見た時にも相手が感じ取れるというレベルまできてますので、そういった考え方でやっていきたいなと思います。

三木:今井さんが感じたそういったことを、他の社員の方に共有していくみたいなのはあるんですか?

今井:今のところ僕一人で活動してますので、これも社長のフォローとか参加させていただいたこと自体非常にありがたいなと、お金の面でもフォローしてくれてますし、zenschoolに参加すると販売まで考えたり、経営者的な考え方が身につくと思いますので、できれば社員がどんどんそういうところに参加して自分のオリジナルのモノを開発して、みんなが社長になれるようなそんな会社を目指していきたいなと。

宇都宮:すごいですね。それが今度アイサクさんという会社だけではなく、他の豊田の企業にも広がってくれば…

今井:そうですね。おもしろい会社だなという風に…

三木:社長とちゃんとディスカッションできるぐらいのレベルの人材がどんどん育っていくという会社に、zenschoolを受講することになればいいんじゃないかなと。

宇都宮:社長一人で経営判断をしててもたぶん時代的にも追いつかなくなってきてますよね。

今井:よく言われることですけど、豊田市は自動車産業中心ですので、リーマンショックの時もそうですがそこが倒れちゃうとバタバタバタっといっちゃうので、自動車関係以外の商品も持っていたほうがリスクは分散できます。

宇都宮:先日トヨタの社長がラスベガスの家電ショーに出展されてましたもんね。

今井:そういった面でも進めていかないといけないなと感じています。

三木:本日はメタル仏師の今井さんにご登場いただきました。どうもありがとうございました。

今井:ありがとうございました。

今井祐二さん
https://www.facebook.com/profile.php?id=100010399304742

WEBSITE
http://www.aisaku.jp/pc/index.html

 

 

story一覧