NEWガイアの夜明けで紹介された、クラウドファンディングを活用して新規事業を立ち上げるためのスクール「zenschool(ゼンスクール)」 23期新規募集(残席3名)

第157回MMS「IoTベンチャー向けに、ハード+ソフト+システムを網羅する品質保証体系の構築支援を提供する」後編 株式会社コルプ 代表取締役 吉田 貴洋さん

前編からの続きです。

●メイカーズのニーズとコルプの事業展望

三木:この機能って今多くのメイカーズさんがちょうど求めているものだと思うので。

宇都宮:日本国内だけじゃなくて海外でもKickstarter出したけど、量産できるようなモノがデリバリーできないとか発生してて、VCがバーンと何億もお金を出したりとかしててもうまくいかないことがあるから、世界中にニーズがありそう。

三木:品質保証の専門家がいないので。フリーで。

宇都宮:たいていどこかのメーカーに組み込まれているので。

吉田:そうですね。実はzenschoolの発表会の後の大森のてけてけで、デザイナーの西村さんが言われていたのもそういう話です。

三木:そこからビジネスヒントを得たわけですね。

吉田:それもあったのと、会社の中という話をしてるんですけど、会社の外とも関係しないとダメだなというのは自分で仕事をしながらあったので、それとそういう風に思ってらっしゃる西村さんがいたというのもあるし。各ベンチャーが大きいところも小さいところも含めて、みんな困っているのってそこだなというのもあるし。

宇都宮:オープンイノベーションとか言いながらどんどん外と共創しよう共創しようと言ってるけど、企画では共創できてプロトタイプまではできるんだけど量産はできないんですよね。

吉田:そういうのも含めて、あれから3年は経ってるんですけど、特に2016年の後半から2017年ぐらいにかけて何かそういう情報がまとまってたらいいのかなと思うようになってきたというのがあります。

宇都宮:2012年にメイカーズという本が出て、個人でモノが作れるよって盛り上がって、2013、14、15ってたぶんやったんですよね。色々。

三木:みんなやったんです。色々。

宇都宮:やってみんなが打ちひしがれたのが2016年から今年ぐらい。打ちひしがれた人となんとかしてそれをやろうと課題が見えてきたところじゃないですか。きっと。

三木:ようやくニーズが明確になってきたから今ちょうど…

宇都宮:じゃあコルプへというのが2018年(笑)。

吉田:メーカーの中でもたぶん技術分野が違うことでの断絶があるんです。

三木:分断されてますよね。

宇都宮:自動車メーカーも電気が分からない。ほとんどが。

吉田:そうですね。ソフトウェアも分からない。結局でも社内で組み込みソフトは作ってるんだけどとか発注してるんだけどというところでかみ合わないとか、私の中でニーズが大きかったのはそういうところだと思います。

宇都宮:前の会社で物理的にぶつかったところなんですね。

吉田:物理的にそういうところがネックなのかなと。品質保証の人は専門的な技術を教えられて育ってないので、逆に言うと技術の話はプロがたくさんいるので聞けばいいというスタンスのもとに、ただそれを会社としてとかプロジェクトとしてどうまとめるのという話は経営のレベルで話を…

宇都宮:品質保証の線引きによって全然原価構成が変わってきちゃうので、何個作るかというのもあるでしょうし、どの程度のばらつきでとか全部決めなきゃいけない。それって本来は経営判断じゃないですか。

吉田:そうです。だから単純にパッケージを売るんですけど、場合によっては品管や品証の担当者さんが使いやすい情報にするとか、もっと大枠で長期のモデルだったら経営者さんが「こういうのをちょっと社内に入れたい」となって入れるとか、そういう色んな形での振り方というのはあり得るかなと。

宇都宮:従来だと外注管理もやってるわけじゃないですか。品管って。その外注っていう概念がもっと多岐に渡ってきてるということですね。

三木:外注管理もこのサービスの中に入るんですか?

吉田:外注管理そのものというか「こういう風にしたらどうでしょうか?」は入ってくるかなと。

宇都宮:そうすると購買品目とかも?

吉田:そうですね。これから結局のところメイカーズさんも含めて今まで受託でやられてた会社さんが自社で販売もするとなった時には、それこそ日本国内の場合は特に単一の技術しか持っていないというケースが非常に多いんです。そうなってくると外注って必須になる。外注が必須になった時に何をお願いしたらいいんだろうと。

三木:要求仕様ね。

吉田:そうですね。結局組み合わせてになるのでお任せにできないことだと思います。

三木:海外の工場だと勝手にラーメンを頼んだらチャーハンが出てきて「やめてください」みたいな(笑)。「こっちのほうがいいでしょ」みたいな。「勝手に仕様を変えるんじゃないよ」って。

吉田:結構そういう足並みの揃わなさはたぶん、どういうところであっても起こりうるんです。

宇都宮:Skypeとかじゃクリアできない部分もあるから。

吉田:ただ逆に先に決めておけばとか、どんな風になってたらいいのかが想像できていれば変わるかもしれないです。最終的には品質保証は経営課題なので、そうやって私と経営者さんやプロジェクトの主体の人とお話した内容に沿ってその方たちが動いて、最後お客さんに向かって「これがうちの製品です」と責任を持って出せる形になるお手伝いができればなと。

 

●大企業を卒業して起業した心の変化

三木:以前某大手光学機器メーカーにいらっしゃって卒業して起業するみたいな心の変化は?

吉田:日本の会社がなのかどうなのか分からないですけど、他の国で働いたことがないので、会社にいて何かやるというのと、自分でやるっていうのって違うんだなというのを何となく感じ始めたというのがあります。これは会社でやりたいことなのか自分でやりたいことなのかとか、そうなってくると写真はずっと自分で撮ってたので自分が好きなことだったりしますし、自分でやりたい部分っていうのが少しずつ大きくなっていったんです。

宇都宮:趣味とかじゃなく?

吉田:そうですね。お金を取れる形だからできる関係性がありますよね。趣味で友達ででも悪くはないんですけど、ちょっとそこから一歩違う形にズレた形も作れたらいいなと。

宇都宮:設備投資とか発生しかねないですもんね。個人でやるにはちょっと投資しづらい金額のものが光学機器にはあるじゃないですか。

吉田:ありますね。

宇都宮:それは会社にしてしまうと経費として?

吉田:そうですね。ふと思ったことがあるのは、写真ででもですけど、自分が撮りたいと思ってるものって自分の手元になかったりするんです。他の人が持ってるとか他の人も含めた環境の中にあるとかっていうのがあって。

宇都宮:個人だとアクセスがしづらいということですか?会社になってたほうがいいという?

吉田:そうですね。だからそういう形が見えてきたというのもあるので、それだったら自分で看板を出したほうがいいかなと思ったというのが気持ちの変化です。

三木:それは段々とそうなってきたんですか?

吉田:そうですね。

宇都宮:zenschoolを受講する前からあったんですか?

吉田:zenschoolを受講する前にもありましたね。2011年の末に体を壊しまして、そこで会社の仕事は大変なので疲れるなというのがあったんですけど。

宇都宮:仕事のし過ぎで?30歳前後ですか?

三木:心理的なプレッシャーが?

吉田:そうですね。30歳前後、そういうのも含めてなのかなというのはちょっときっかけとしてはありまして、そこから社外の人と色々会うことが増えたんです。

宇都宮:社外の人と付き合うとまた色々と視点が変わりますよね。社内にずっといる時と違って情報が…

吉田:そうです。だからそれまでは自分の会社も自分の仕事も割と無条件に好きではありましたけど、そこから段々意味付けがちょっとずつ変わっていったんです。好きなんだけど結局それが全てじゃなくて、他には実はこういうものが色々あった上でのここのこれだなということです。だから逆に言えばここにあったものというのはある意味ではここだけでしか通用しないんだけど、もしかしたらここにあったものを本当はもしかしたらこっちの人がほしいかもしれないし、こっちの人も案外おもしろそうに見てるかもしれないし、そういう可能性も含めて、そういう意味での新しいつながり方というのがあり得るんだろうなというイメージになったというのはありますね。

三木:なるほど。それはおもしろいですね。段々と変化するというのは。

吉田:今会社に勤めていると自分の持ち場、自分の仕事っていうところでクローズすることが多い。規模の大中小関係なく。研究テーマの、ユーザーを入れちゃうというのも社内のあまり外の人と関わりが薄い部署の人たちもオープンにしちゃうというようなことができてもいいのかなというのも最初そのイメージになりますね。

宇都宮:オープンマインドにする必要がありますよね。

吉田:そうですね。だから「これはこれで正しいんです」というのも1つの方向性なんだけど、それを見た時に違うアイデアが浮かんじゃう人がいるという事実も含めて、その事実がある可能性を想定するということなんです。

宇都宮:そういう時にぜひzenschoolワークショップをご活用いただければ。

三木:そうですね。一緒にやるといいかもしれないですね。

宇都宮:心の中をオープンにするのは結構僕らの経験では、できない人がいるんですよ。自己開示ができるとガラッと変わるんですけど結構できない人がいる。

吉田:そうでしょうね。たぶんそこに1つのリアルなアプローチとしてはお客さんと直接会うというのはあるかなと思いますね。

三木:なるほど。ありがとうございます。

 

●マイクロモノづくりについて大企業側からの視点

三木:我々マイクロモノづくりという自分で商品を企画して作って売るというような考え方をしているんですが、これを大手メーカーにいらっしゃった吉田さんから見るとどういう風に映るのかなと。

吉田:でも「ベースはこれですよね」というのはすごく思っていて。今でも。

宇都宮:分業ですもんね。大企業は。

吉田:そうですね。ただ自分がほしいと思ってないモノは仕事だからとはいえ興味が湧かないというか、何か良いアイデアがすごい出てくるかというと、そうじゃないというのが人間なのでしょうがないんじゃないかなと思うんです。

宇都宮:それってクオリティが違いますよね。数字には出なくても。

吉田:だから大きい会社が大きい会社として考えちゃうと、やっぱりユーザーとして想定する相手も大きくなって最大公約数になりがち。

宇都宮:そうすると見向きもされなくなっちゃうようなモノがマーケティングでごまかそうという…

吉田:そうなんです。だから星形の結局真ん中しか埋まらない。だけど今のニーズは結局のところ星形の尖がってるところをどう埋めるというところを含めてのニーズがたぶんあると思うので、そこに対するアプローチはもうこれしかなかろう。だから当事者ということなんです。

宇都宮:でもメーカーの商品企画ってそうなってないケースが多かったりする。でもまずいって自覚し始めてるんですか?

吉田:し始めてるんだとは思うんですよ。ただそこで足枷になる可能性があると規模なのかなと思います。

宇都宮:市場が10億あってとか100億あってとか…

吉田:だから社内に人がいるし販路もあるんだけどそれを動かすためにどれぐらいのパワーがまずいるよねという。子育て中のお母さんが考えただけのアイデアだけだとなかなかそこまでのパワーになるのかが分からないから結局商品ができないみたいな。そうなってくると結局大企業として見ると企画者と製造が分離しちゃってる状態が出てきてる。だから企業側からすればユーザーに近づくとか、あとは企画者がどういう風にそのプロジェクトにコミットするかとか、そういうことになるのかなと。

三木:企画者は情熱というか腹積もりが圧倒的に重要だと思うんですけど。

吉田:その企画者が本当に最初に目をつけた

三木:その人が最初から最後までプロジェクトのマネージャー的にずっと並走する形じゃないとまずいと思うんですよね。

吉田:そうですね。そうなってくると必然的にマイクロになっちゃうんじゃないかなと。

三木:今の大企業の中が分断されてるんですよね。企画者と開発者は。

吉田:そういうこともたぶんあるんだと思うんです。「これがいいんです」って言いながら作るんだとは思うんですけれども、なかなかそうなってくると色んな意見が出てくるでしょうし。

宇都宮:しかもリリースタイミングが決まってるじゃないですか。2年後とか。「何が変わったの?」っていう商品が出てきたりしますもんね。

三木:色んな意見を取り入れてると全然つまらないモノになってしまうということですね。声の大きい部長とかね。

吉田:だからそういう社内的な要素があとは何から来てるのかなんですよね。

宇都宮:過去に成功したからというのは、外しづらいんじゃないですかね?

吉田:それもあるんだと思うんですけど、あとは怖さもそうだし、案外そういう人も含めて「実は自分が見てきた所ではこうだったよ」というのが入ってるんだと思うんですよ。だからそれがある事例とかある可能性の1つとして捉えられていればいいけど、それがその社内でとかチームの中での話で盛り上がったところだけになっちゃうと、結局それが全てになるということは人が集まると起こりやすいのかなという気はします。だから企画者が作る本人というのが一番いいんだと思うんです。

三木:チームもあまり大所帯じゃなくて最初は4、5人で。

吉田:会社もそうだしプロジェクトもそうですけど、1回1回解散するのでもいいんだと思うんです。会社にしちゃうとなかなか解散しづらいですけど、プロジェクトの場合には組み替えが起こっても全然いいと思うし。

三木:いらっしゃった所ではそういう感じではないんですか?固定化しちゃってるんですか?

吉田:それに近い感じはあるんですけど、担当部署があるので1つの製品が終わって次の製品にいくと担当しているのは同じ職場の別の人とかそういう掛け持ちは多少あります。

三木:何点か掛け持ちしているんですね。

吉田:そういう感じはあると思います。私がいた所はプロジェクトごとに個別にチームを作ってみんなで相談できたので、そういうやりやすさはあったんですけど、ただ企画全体とか、商売としての上がりを会社として出すということも考えると、そのプロジェクト1個1個が大きいですよね。なかなかチームとしては何人か顔を合わせられる範囲かもしれないけど、モノづくり全体としてマイクロかというとまたちょっと違うかなと。

三木:その中でクオリティコントロールというのは重要なポジションを占めるということで、吉田さんの会社が…

吉田:出ちゃうのかと(笑)。

三木:たぶんこれって中小企業とかメイカーズだけじゃなくて大企業でも必要だと思うんです。

宇都宮:大企業はたぶん細分化していくじゃないですか。リストラしたりして。外出た人が何か事業を興すにしても持ってるものを事業にできないから、そうするとつながり合わないと事業が成り立たなかったりするんですよね。

三木:大企業にも営業したらいいじゃないですか。

吉田:そうですね。規模問わず使えるパッケージにしたいなと。

宇都宮:オープンイノベーションという言葉が花盛りじゃないですか。光学機器メーカーさんも色々各社やられてますし。

三木:みんなこぞってオープンイノベーションしてますけど。

吉田:ただオープンイノベーションっていう単語はあっても、オープンイノベーションっていう単語が消えて別のものに細かく分かれていかないと進まないんだと思うんですよ。

三木:もわっとしちゃってるんですね。「わー」「楽しい」って言って以上みたいな、「だから何だったんだよ」みたいな、そういう事例がたぶんこれからまた山ほど出てくるでしょう。そんな時にお勧めなのがzenschoolです。

一同:(笑)

三木:これだけオープンイノベーションでおそらく何もうまくいかないという状況が、いよいよ我々の時代が来るということで。

宇都宮:吉田さんにもぜひお手伝いいただいて。

 

●吉田さんの考える「日本の○○の未来」に対する想いについて

三木:吉田さんが考える「日本の○○の未来」について教えてください。

宇都宮:○○は色々キーワードを入れていただければ。日本でなくても世界でもいいですし。

吉田:日本という括りで言えば日本なのかもしれないし、別の括り方をしてもいいんだと思うんですけど、それこそ日本全体が1つの工場になるというか、誰かが「こんなのほしい」って言ったら「じゃあこうやったらできるよ」というアイデアと、「その日だったらうちの機械が空いてるよ」って言ってくれる工場さんと、「そしたらうちの倉庫、作業するのに使っていいよ」って言って組立場所を貸してくれる人と、あとは置いてくれるお店と、そういうのがバラバラになっちゃった上で、そういう風に組み替え自由になったら1つの工場になれるなと。

三木:まさにzenschoolの卒業生同士みたいな感じですね。

吉田:だから本当にその形がたぶん散発的に起こってきて、それをつなぐプラットフォームみたいなのが必要になってくるんだろうなと。

宇都宮:機能として提案する人はいるんだろうけども、現実問題それを回すというとたぶん僕らはOSが必要だというイメージがあるので、だからzenschoolでの基本OSを注入するということをやって仮説。たててます

三木:共通のマインドセットがないと無理なんですよ。

宇都宮:企業同士をつなぐっていうのはビジネスマッチでいっぱいあるし。

三木:金銭取引関係だけではもう無理だろうって。

宇都宮:契約じゃ縛れないしね。品質保証とかは特にね。

吉田:そうですね。だからそういうのがもう極論契約関係を超えて起こったらおもしろいなと。

宇都宮:紳士協定ってやつですか?

吉田:そうですね。なかなかそういう意味で文字になりにくい話っていうのがたぶん増えるんだと思うんですけど。

三木:吉田さんの修論がどうなるか分からないけども、今言ったバーチャルファクトリー的なものが何か論文に…

宇都宮:文字にしづらい。

吉田:そうですね。だからそういうのも含めて何か少なくともそこにあるというのが分かる形が作れれば。

宇都宮:幸福度はどうですか?幸福度。

吉田:それもいいと思うんですよ。

三木:共通のマインドセットみたいなのを論文にできるといいですね。同じ手法をみんな学んできたzenschoolみたいなものがあれば、その上にプラットフォームがあって、金銭関係、取引関係がそこにあって。

吉田:それが派生しつつある形が1つあると。

三木:そういう論文を書いて、ご卒業はいつぐらいなんでしょうか?

吉田:2019年の3月になるんですけど。今も実は実験をしつつデータを取りつつ、そういう場を持てる作れるという方向に発展するとおもしろいなと思いながら…

三木:ぜひ我々も研究対象にしていただければ、データご協力しますので。

吉田:ぜひよろしくお願いします。

三木:本当に今日は貴重なお時間ありがとうございました。

吉田:こちらこそありがとうございました。

吉田貴洋さん
https://www.facebook.com/takahiro.yoshida.77

 

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