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第152回MMS「モビリティを通じて次世代の人達に夢(=能力の拡張)を提供する」前編 Cartivator代表 中村翼さん

●ご挨拶と出演者紹介

三木:第152回マイクロモノづくりストリーミング本日も始まりました。本日も司会は株式会社enmonoの三木でございます。本日はCartivatorの中村さんにお越しいただきまして、空飛ぶクルマの開発について色々お伺いしていきたいと思います。よろしくお願いします。

中村:よろしくお願いします。

 

●中村さんの自己紹介と会社紹介

三木:中村さんには約2年前こちらの番組にご出演いただきまして、まだあの時はクラウドファンディングをやってる最中でしたね?

中村:そうですね。

三木:それからどんな変化が起きてるのかということを含めて、お話を伺えればということで、まずは自己紹介からお願いします。

中村:有志団体Cartivatorの中村と申します。空飛ぶクルマの開発をやっています。元々東京出身で理系の大学を出て自動車会社に入ってます。小さい頃から車が大好きで自分で夢の乗り物を作りたいと思って自動車会社に入ったんですが、普通の量産している車以外に夢のモノを作りたくても会社ではなかなか難しいというのもあり、自分で勝手にやろうというので入社して3、4年目ぐらいの時に、会社の同期を誘ってこのCartivatorという活動を始めました。

宇都宮:おいくつぐらいの時ですか?

中村:27か26ぐらいの時ですね。大学院を出て3、4年ぐらいです。

三木:ちょうどムズムズムズムズする年代ですね。

中村:そうですね。大学の頃学生フォーミュラというレーシングカーを作る活動とかもやっていたので、自分で手を動かしたいなという想いはありつつも、会社は基本的にオフィスワークがメインになるので、すごくムズムズ感はありました。

宇都宮:集まってきた人も同年代のムズムズした…

中村:そうですね。今さらにメンバーが増えてるんですけど、かなりムズムズしている人が多いなというのは感じます。

宇都宮:エンジニアばかりじゃないんですか?

中村:当初はエンジニアが多かったんですけど、今は比率的にはエンジニアが6割ぐらいで、事業企画やマネジメント系が4割ぐらいです。2012年に始めて最初は空飛ぶクルマではなかったんですけど、違うアイデアでビジネスコンテストに出て優勝することができて、そこから活動をやっていこうというので空飛ぶクルマの開発を始めて色んなコンテストに出ました。

三木:東京都のコンテスト(TOKYO STARTUP GATEWAY)が大きいやつですね。

中村:そうですね。優秀賞というのをいただいて、450人ぐらいの中から選んでいただいたのが大きくて、ちょうどそれが終わった翌日か当日ぐらいにzenmonoさんでクラウドファンディングを始めさせていただいたというタイミングです。

三木:すごいいい感じのタイミングですね。全てはスムーズに。

中村:そうですね。もう狙ってそこでやらせていただきました。

中村:次に有志団体Cartivatorの紹介ですが、業務時間外でやりたい人が集まって勝手にやるという位置づけの活動で、今空飛ぶクルマを作っていて自動車関係や航空、ベンチャー、広告代理店の人や学生さんも含めて本当に色んな人が入ってやってます。普段は平日の夜と土曜日がメインの活動時間です。場所に関してはメインの技術のほうは愛知県の豊田市で廃校の小学校を借りてやってます。東京も最近拠点を立ち上げて、富士通さんのテックショップさんというところで活動させていただいてます。これは一部のメンバーですが、赤で示したのが技術系、青で示したのが事業系です。示した通り自動車、航空、ソフト、ベンチャーとか色んな人がいて、今はアクティブに動いているメンバーが40~50人ぐらいいます。

三木:すごいですね。

宇都宮:どうやって組織を運営しているんですか?

中村:基本はやりたいことをやるみたいなのがベースなんですけど、例えば設計チームとか広報チームとか5人ぐらいのチームに分けて、そのリーダーが戦略を作って進めています。

宇都宮:ホラクラシーな感じなんですか?

中村:はい。本当にフラットにやってます。誰かが「やれ」とかじゃなく、みんなで「これをやろう」と言って…

三木:コミュニケーションはどういうツールを使ってるんですか?

中村:普段はメッセンジャーとかを使ってやってますが、土曜日は直接会うのと、あとは月に1回みんなでリアルに集まる場というのを作ってます。でも東京と愛知はどうしても毎回というのは難しいので、そこはスカイプでつなぎ、それぞれの拠点にみんなが集まって、各自進捗報告をするということで情報共有をしています。

宇都宮:主に2拠点ということですか?

中村:そうですね。ただオンラインで海外から参加している人とかもいますし、オーストラリアとかタイとか。

三木:日本の方?海外の方?

中村:国籍的には日本人なんですけど、ほぼ向こうのネイティブの人とか。

宇都宮:どうやって知り合ったんですか?

中村:日本に来てた時に知り合うとか、あとは問い合わせしてくださる方とかもいらっしゃるので、時差がなければ何とかいけるかなみたいな。我々はブログとかつけてるんですけど、その英語化でサポートしてもらったりとかすごく助けてもらってます。

三木:大きな組織になると、組織運営自体が大変だと思うんですが、こういったホラクラシー的なバーチャルな組織を、どういう風に取りまとめてるんですか?

中村:仕事じゃないので命令指揮系統みたいにはしてないんですが、一番重要なのは“何のために”というところと、“何を目指すか”というミッションとビジョンを、しっかりと統一してブレないでやること。そうすると判断軸が勝手に決まって、色んな人がいてもみんなが同じ方向に向かえるので、そこは大切に示すようにしています。

 

●有志団体Cartivatorの目指す姿

中村:まさにこのCartivatorの目指す姿というのがミッションなんですが、目指しているのは“モビリティを通じて次世代に夢を提供する”ことです。夢という言葉を我々は“人類の可能性の拡張”と書いてまして、今できないことを将来できるようにしようというので、簡単に言うとドラえもんみたいな世界をイメージしています。22世紀のネコ型ロボットですね。色んな道具を持ってると思うんですけど、特にモビリティに関しては自由に空を飛べるモノとか時空間を超えるモノとか色々持っていて、この時空間を超えるのは技術的にまだもう少し時間がかかるんじゃないかと思っています。ただ空を自由に飛ぶっていうのはもう間もなく来る世界だと思っています。「何でできるの?」というところで大きく3つあって、一つはドローンと呼ばれるマルチコプターです。垂直に飛び立てて非常に安くて操縦も簡単で、飛ぶモノが民衆化しているというものの代表だと思ってます。2つ目は自動運転です。これも車でかなり叫ばれてますけど、空を飛ぼうとした時に「パイロットライセンスが必要です」と言われた時点でかなりハードルが高くなりますが、最終的に自動運転になっていけば運転資格が不要になったり、それがたくさん飛んでいくようになってそれぞれをコントロールする時の事故を減らせるといった意味で自動運転の技術が使えるんじゃないかと思ってます。3つ目はライドシェアというタクシーで呼んで乗っていけるサービスで、これによって必要な時に必要なだけ使うことができて、結果的にすごく高いものだったとしても所有せずに必要な時だけ使う分のコストを払うということで…

三木:いいですね。私も空飛ぶクルマに乗れるわけですね。

中村:そうです。一部の富裕層だけじゃなく、一般の方も使えるようになると思っているので、こういったところから空飛ぶクルマは現実に近づいていると思っています。これは飛んだ瞬間にほぼ航空の世界に入ってくるんですけど、自動車より航空が進んでいることが多々あって、例えば安全性の考え方とか飛行機のほうがよりシビアなので。

宇都宮:オートパイロットも飛行機なんかはそうですよね。

中村:そうです。そういうところは自動車に活かせると思います。逆にハイブリッド技術とか、車で培ってきたものを飛行機に、というのもあり得ると思います。

三木:こちらは今任意団体という形ですが、将来的には何かもっと変化していくんですか?

中村:基本的には事業化を目指してるので、会社を作ってというのを考えています。

三木:その時にはまだ明確にはされていないかもしれないですけど、どんなビジネスを展開する感じですか?

中村:色んなアイデアはあってもちろん個人に売るという話もありますが、まずはライドシェアでタクシー的に使うというのを考えています。“次の世代に夢を”と言ってるんですけど、我々がターゲットにしているのは2050年という時間軸です。33年後ですね。自分たちの子どもたちの世代になるんですけど、その世代にどういう社会課題があるのか、そこにどういう風にこの空飛ぶクルマを役立てるのかというのを議論した中で、2つあると思っています。一つは都市化というので、2050年には世界の7割ぐらいの人が都市に集まってきます。そうなると交通麻痺が東京の比じゃなくて、そういった世界がボンボン出てきてしまいます。もう一つは人口爆発というので100億人ぐらいになると言われています。そうなった時に都市はパンクした状態ですが、道を作るというのはすごくお金がかかるので、インフラ投資ができない国においては、人はいるのに移動できないという状態も生まれてしまうと思うので、そういうところに我々はアプローチできるんじゃないかと思っています。

宇都宮:すぐですね。33年後って。

中村:そうです。

三木:こういうビジョンとかを具体的に持ち始めたのは27歳ぐらいの時ですか?

中村:いや、まだ当時はおもしろい車を作ってみようみたいなところで、最初「空飛ぶクルマって夢だよね」みたいなところからプロトタイプを作り始めたんですけど、途中で東京都のコンテストやベンチャー関係のコンテストに出る中で、事業企画をやりたいというメンバーが入ってくれて、我々エンジニアってそういうところが妄想で終わっちゃうんですけど…

宇都宮:エンジニアってモノを作ることが楽しくなっちゃう。

中村:そうなんです。事業企画のメンバーが入ってくるとそういうところを具体的に話ができて、そのメンバーとディスカッションする中で「こういう世界を創っていきたいよね」っていうのが段々醸成されていった感じです。

三木:最初のコアメンバーって何人ぐらいなんですか?

中村:本当に最初のコンテストは3人で出て…

宇都宮:3人!?中村さんと…

中村:大学の同期と会社の同期とで最初のコンテストに出て、その後プロトタイプを作ろうとなった時に10人ぐらい集めましたね。

三木:その3人の時にはモノとかまだないんですか?

中村:まだないですね。事業計画書だけ作ってコンテストに出てという状態です。

三木:それは何か賞を?

中村:一応優勝をさせていただいて、一つそれが箔になったのはあると思います。

三木:モノづくり系のプロジェクトなのにモノがなくても一応優勝できたっていうか…

中村:私の個人的なところで、モノづくりというか技術もすごい必要なんですけど、事業と両輪が必ず必要かなと思っていて、何かモノを作るにしても空飛ぶクルマみたいになれば一旦まず研究開発的要素で、とにかく作ってみようと動いてますけど、もう少しビジネスとかをにらんでいくと、具体的にこういうモノを作ろうとした時に、使い方なりが決まってないと、その仕様も決められないので、そのビジネスのほうを固めるというのが重要だなと思って、コンテストはそういう趣旨から入りました。

 

●enmonoとの出会いとzenmonoのクラウドファンディング活用

三木:2年前にzenmonoのほうでクラウドファンディングを開始されたんですが、その3ヵ月前ぐらいにお話をいただいたと思うんです。

宇都宮:渋谷でお会いして。

中村:そうですね。

三木:たまたまフェイスブックでつながっていたある方から紹介を受けて、その方の後輩ですか?

中村:そうです。大学の私にとっては先輩。

三木:先輩の方で、「とりあえずスカイプか何かで話してみましょうか?」みたいな、「空飛ぶクルマ」って言った時に、空飛ぶクルマを開発している方がいるってちょっと「う~ん、ちょっともしかしたら…」

宇都宮:三木さん的には懐疑的だったんですよ。

三木:もしかしたら「う~ん」かもしれないと思って、実際にスカイプでお話した時に何かもうプロトタイプを作ってることとか、大学でフォーミュラをやられていた経験とか、今お勤めの某自動車会社での経験とかが、ちゃんと積み重なって層になってるのが見えたんです。だからこの方は本物だと思ったんですね。

中村:実現してからじゃないと本物とは言えないんですけど(笑)。

三木:そうですね。お手伝いをさせていただくことになって、実際にzenmonoで最初はスロースタートでしたけど、ある段階で一気にお金が集まって。

中村:そうです。投資家の方とかも入れてくださったり。

宇都宮:鎌田さんとか。

中村:はい。それでドーンとなったりしたのが大きかったですね。

三木:それで終了したのが年末でしたっけ?

中村:そうですね。2015年の1月中旬です。

三木:その次の年にお子様がお生まれになるということでご祝儀みたいな感じで渡したことを覚えてます。

中村:ありがとうございます。力強いサポートをいただきました。

三木:そのクラウドファンディングの経験はいかがでしたか?

中村:すごく開発にとって大きくて、お金というのももちろんそうで、皆さんからいただいたもので加速した部分ってすごく大きいんですけど、あとは色んなメンバーも入ってくれたりとか、zenmonoさんのサイトを見てメディアの方とかも問い合わせしてくださったり、だいたい“空飛ぶクルマ”とかで検索するとzenmonoさんのが当たって、それでかなり取材とかもいただいて、それをまた見てメンバーが入ってというそういう循環が生まれたというのはすごく大きかったです。

三木:非常におもしろいご縁でその時にコアメンバーでいた福澤さんが我々のzenschoolというのを受講していただいて。

宇都宮:去年の年末に前職を辞められて羽ばたかれて。

三木:今ハッピーな感じで色々活動をされているみたいです。

宇都宮:世間的には怪しいかもしれないですけど。

中村:彼はうちのチームで事業企画のリーダーをやってもらってて、もうかなり推進してもらってます。プロフェッショナルが自分のスキルを活かしてくれるというのがあって、アウトプットで「おおーー!!」みたいなのが出てくるんですね。

宇都宮:本業よりレベルが高いですよね(笑)。

中村:そうなんですよ。本業だと色々制約があるのに対してここはないので、そういう意味では本当に個人の創造性が、フルに発揮されたようなアウトプットが出てくるという感じです。

宇都宮:その動画とかもそうですよね。

中村:動画とかも全部自分たちで作ってます。

三木:このプロジェクト自体も非常におもしろいんですけど、何かチームとしての成長も非常に変遷がおもしろいなと思って。

中村:あまり意識はしてないんですけど、続けていると色んなことが起きるというので、その中で奇跡みたいなのが時々起こって…

中村:自分たちでも想像し得ない動きが起きるのがすごく魅力的です。突然海外の大手メディアから話が来てみたり、直近大手の会社からスポンサーをしてもらえたり、勝手にやってることを支援してくださる方がいるっていうのが、個人的な感覚としてはすごく不思議なんですけどすごくありがたくて、そうなると実現しなきゃなというのをすごく強く思います。

三木:チームの変化と同時に中村さんの心の変化みたいなのは?

中村:すごく大きいです。毎日変化しています。

三木:初期の頃から段々とチームができてきて、どういう風に自分が変化してきたんでしょうか?

中村:楽しいことをやろうというのは変わっていなくて、実現しようの度合い、コミットメントレベルとか、想いがどんどん強くなってるというのがあります。今までは実現できたらいいな、というような感覚だったのを、どうやったら実現できるのかというところを常に考えて、そのためにはお金だったり人だったりが必要だよねというので、「こういう人が必要です」というのを明確にして「ここにじゃあお願いしてみよう」とかっていう具体的な構造になっていってるという意味で、想いが明確化しているというのが変化ですね。

三木:夢であったことをチームと一緒に活動する中で、段々と現実に実現化するための明確なプロセスというのが自分の中で明確になって?

中村:そうです。ピントが定まってきたという感じですね。

三木:まさに起業の前段階を2年ぐらいかけて助走しているということですね。

中村:そうですね。

三木:もしその状態で最後起業するということになると、かなり2年も経験値を積んでるからエラーが少ないというか…

中村:やろうとしていることがどうしてもかなりお金的にも、規模的にも大きいので、そういう意味で助走でいかにスピードをつけられるかで、その後、谷に落ちちゃうのか先の丘に辿り着けるのかが決まってくると思うんです。すごく早くやらなきゃいけないという想いと、一方でしっかりと一歩一歩着実にというところをバランスを見ながらやっているところです。

後編に続きます。

中村翼さん
https://www.facebook.com/tsubasa.nakamura.374

WEBSITE
http://cartivator.com/

前回ご出演(2015/1/5)
https://zenmono.jp/story/179

 

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