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第148回MMS「日本の技術を武器にしながらフランスで製造業を営む町工場」後編 株式会社ダイショウ 代表取締役 石塚裕さん

前編からの続きです。

●今後に向けて

石塚:今後に向けてということで、これは全てリンクしてるんですけど、仲間ともっともっと連携してチャンネルを増やして営業や生産活動を進めていきたいです。受託加工で我々の規模でこちらで生産しているとなると、おそらくフランスでも初めてですしヨーロッパでも初めてなんです。コチラへ進出を目指してる会社とか実際に取引がある会社さんなんかも町工場でありますが、生産ができるということは強みになるので、うちの会社を生産拠点の一部という形で営業してもらっても全然構わないですし、例えば不良が出ちゃったよとか何か事故があった時に引き取って直すということももちろんできるし、うまく連携できればいいなと思ってます。enmonoさんのマイクロモノづくりにつながると思うんですけど、色んな工夫をして色んなプロダクトを持ってる会社が多いので、町工場プロダクトを販売したりするお手伝いをできたらなと思ってます。

三木:例えばさっきのロボット(KUMIITA)ってどうなんですか?フランスに受け入れられそうですか?IoTロボット、教育用のロボットで子供向けのプロダクトなんですが。

石塚:基本的に日本製というものに対して非常にリスペクトしてくれてて、モノが良いとか興味を持って見てくれる土壌があるので日本製だから売れるということが一つ、中身が伴ってるモノに関しては趣旨が伝われば売れると思います。意外と我々が「えっ?こんなモノが!?」っていうのが売れたりするので、そこも色んな試行錯誤が必要だと思ってます。

三木:たぶんヨーロッパで販売をしたい町工場はたくさんいると思います。

石塚:そのお手伝いをしたいし自分も試してみたいです。話はちょこちょこ今来てるので、これから具体的になっていくと思います。具体的にはまだ販売はできてないですけれども。

三木:ロボットの社長にちょっと話してみたいと思います。モノとしては結構良いんですけど値段が少しはるんです。でもたぶんフランスの富裕層とかプログラミングを子供の時から勉強したいみたいな人がいれば。

石塚:学校の教材としても…

三木:そうですね。ちょっと話のネタにはたぶん食らいついてくると思うので、一台あると「どうやってこれ動くの?」とか。言葉が通じなくても直感で分かるようなプロダクトなので、あれが一台あると営業のツールにもなると思います。

石塚:いいですね。おもしろいですね。営業代行という形で、自分が一人で活動しているもので、本当にコミットのところまでは難しい部分はあるんですが、欧州進出を目指すような我々の仲間でスタートアップの協力なんかができればと思って、「展示会に出たい」といった時のフォローアップをしたりとか

三木:展示会いいですね。

石塚:とにかく町工場の仲間とたくさんパートナー、仲間を作って販売チャンネルを増やして販売なりリーチを広げていきたいと思ってます。

 

●zenschool受講後のモノづくりについて

三木:石塚さんがzenschoolに来た時のことを思い出してたんですけど、アートとかそういう方向のプロダクトを考えられてて、言葉というものに結構こだわってそれを削り出すみたいな。

石塚:そうですね。モノを作ってるので、そこが結びつくとおもしろいなということは常に考えてて。zenschoolに行ったきっかけもあって、西村さんとお会いするようになってからモノづくりを結構やらせてもらって、そこでは何点か作ることができて。またその延長線上で作ったモノを先日オープンしたミュージアム(Factory Art Museum Toyama)のほうにも展示させてもらったりとかそんなつながりが持てたので、そのアイデアが今少しですけど生かされてるなと感じています。

三木:最初zenschoolにお誘いした時に確かアート的なモノに興味を持たれていたような気がしたんですけど、フランスとかと連携していくみたいな話もたぶんしてたので、それが現実になりつつあるという感じですかね。

石塚:今自分の置かれた立場でいうとちょっとまだそこに行き着くまでの余裕がないですが、これから先々軌道に乗った時にはそういうこともやりたいなと思ってます。

三木:たくさんのアーティストさんもパリとかにはいらっしゃるでしょうから。

石塚:そうですね。ここのユネスコのデザイン都市という認定を受けてて、アートフェスをたくさんやってるんですよね。

三木:この町でアートフェスをやってるんですね。

石塚:はい。今年そのデザイン発表の年で、世界各国からデザイナーが来るイベントを1ヵ月間、そんな活動を盛んにやってるので、工業が元々盛んで発展した土地なんですけど、やっぱり工業も少しずつ下がっている部分もあって、今町としてはデザインに力を入れてるんです。

三木:ちょうどいいですね。

石塚:日本人のアーティストなんかも結構来てましたね。

三木:なるほど。今ちょうど富山にFactory Art Museumができて、梶川さんっていう石塚さんの後輩が作った…

石塚:さっきお話した西村さんとのコラボの品物を置かせて出してもらいました。

三木:そうですよね。もうちょっと余裕ができたらフランスのアーティストとコラボしたようなモノを作って、またそれを富山で展示したりとかそういう交流ができるといいんじゃないかなと勝手に思ってます。

石塚:メイドインジャパンってフランスで結構ウケるんですよね。そうなったらメイドインフランスを日本人が作ったモノを逆輸入してもいいかなとか

三木:いいですね。そういうコラボレーションがどんどん生まれていくといいかなと思います。

 

●日本とフランスの製造業の違い

三木:そちらのほうでお仕事されていて、日本で得られた技術をそちらで展開していくにあたって、「これ日本で経験しといて良かったな」みたいなことがありましたら教えていただけますでしょうか?

石塚:自分の会社で試作とか単品をやってたので、とにかく色んなモノを手掛けたので、それは経験値としてすごい残ってて良かったなと思ってて、こちらに来ても一通りできるのでそこは良かったと思いますね。

三木:図面とかは日仏違わないんですか?

石塚:図面、日本って三角法なんですけど、フランス一角法なんですよ。

宇都宮:そうなんだ。

石塚:配置が逆なんですよね。なので、ミスする原因だったりとか非常に見づらい。今3次元データがほとんどなので、それを見れば別に加工上問題はないんですが、パッと図面を見た時に勘違いをよくしますね。

三木:一応紙の図面と3D両方あるんですよね?

石塚:そうですね。

宇都宮:見積もりとかはどんな感じなんですか?

石塚:今展示会ですとか現地のお客さんの営業活動なんかで入ってくる見積もりもいくつかあるんですが、先ほどお話した通りなかなか頭数が少なくて、色んな課題をクリアしていかなきゃいけない。ただ、日本のネットワークを使えば作れるモノってたくさんあるので、本当はそういうところにもどんどん話を持って行って膨らませたいなと思ってます。いくつかそういう試みもやってはいるんですけれども、まだまだ課題が多くて取捨選択をしながら見積もりをやってるので、もっともっと実績を作ってやっていきたいです。とにかく数をこなさないと。まだまだ受注に至って利益を上げるところまでいってないと思ってるので、そこをどんどんやっていきたいと思います。

宇都宮:日本の製造業とフランスの製造業って違いというか特徴ってあるんですか?

石塚:大量生産ではなくて、そういったものはアジア、北欧、東ヨーロッパ、北アフリカとかに流れてるんです。そこで安い労働力で大量生産をする。もちろん中国とかもそうなんですけど、本当に日本に似てる感じで今残った会社っていうのは淘汰の波を経験して残ってる会社なんです。それなりに残ってる理由があるんですが、やはり日本と同じで後継者の問題だったり色んな悩みはあります。日本とちょっと違うのは比較的数が減ってきてるので、お客さんから守られてる感じがすごいしますね。

宇都宮:逆に潰しちゃまずいみたいな雰囲気なんですか?

石塚:そうですね。かといって単価がものすごいかって言ったらそうではなくて、今フランスは大統領選挙なんかもあってちょっと景気が下向いてて、終わったらまた上向くとは思うんですがここ1年2年悪い時期でもあって、値段も決して良くなくてそこは非常に日本とは似てるかなと。

宇都宮:日本って中小企業政策とか支援があるんですが、フランスも結構そういう中小企業政策とか国の支援とかってあったりするんですか?

石塚:ちょっと自分はまだ突っ込んで詳しくは見てないんですけど、普通に補助金なんかはあったりします。日本とかは元請けさんと下請けさんっていう上下の縦の関係みたいな並びなんですけど、お客さんと下請けっていう言葉が正しいかどうかは別として、パートナーとしてモノを作って納めるという並列な関係なので、値段の部分で非常にいいかなと思います。

宇都宮:パートナー関係って中小企業側も結構提案力とかが必要になってきたりするんですか?

石塚:日本でいうと本当に上下なのでお客さんの言うことは絶対みたいなところがあるんですが、こっちは横で並列なのでこちらの事情が結構汲み取られたりということはあります。許容範囲が広いところはあるので仕事はやりやすいとは思います。何かあっても、日本だと頭下げて「すぐ直します」って言うんですけど、「それはこういう事情だからこうなんだ」とかありますので。

宇都宮:バカンスもちゃんと取れる感じなんですよね?残業したりとか土日出たりとかはなくて。

石塚:納期感覚は本当そうですね。こちらは従業員の生活が中心なので従業員の生産ペースでモノができてる感じです。

宇都宮:石塚さんの労働時間もフランスっぽくなってきましたか?

石塚:私は経営者、マネージャーなので普通に土日もやってます。夜中までやってますし。

宇都宮:マネージャーは違うんですか?

石塚:マネージャーは仕事してますね。土日なんかも出てきてやったりしてる人もいます。

宇都宮:結構分かれるってことですね。おもしろい。今度ぜひフランスに行きたいと思いますので。

石塚:ぜひ。enmonoさんの世界征服を援助して力を貸したいと思いますのでぜひ一緒に。

宇都宮:ありがとうございます。

 

●石塚様の考える「日本/世界の○○の未来」に対する想い

三木:一番最後に皆さんにしている質問がございまして、石塚さんの考える「日本あるいは世界の○○の未来」で、○○はご自身で入れていただきたいんですが、大上段からお願いできませんでしょうか。

石塚:日本にいた時からそうなんですけど、町工場というキーワードで、今やってることを次の世代にバトンタッチをしていかなきゃいけないです。今までは下請けとしてやってきたのがここへ来て社会構造も少しずつ変わりつつあって、我々がこうやって色んな形でみんな工夫して経営をやられてます。あとは事業所の数が減ってしまうと全体的にはマイナスに働いてしまうので、何とか残っていけるように血縁以外でも色んな形で町工場、中小企業が回っていくような活動を自分はしていきたいなと思っています。そういう中の一環でヨーロッパに来てやってることが少しでも刺激になればいいなと思ってます。

三木:すごい刺激になってると思いますよ。色んな町工場に。

石塚:町工場だって地域に根ざしてるから町工場で、町工場外に出る必要はないと言われれば無いので。こっちの地域には根ざしている活動にはつながってると思ってるんですけど、新しい言葉作ろうかなと思って。町工場じゃなくて“外工場”っていう。

三木:いいですね。“外工場”

石塚:“外工場”でいいのかなと。そういうことやってる連中もいて色んな人が色んなことをやっていって業界全体が活性化すると思います。

三木:ありがとうございます。フランスから本日は石塚さんにご出演いただきました。どうもありがとうございました。

石塚:ありがとうございました。

石塚裕さん
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WEBSITE
https//www.dyshow.eu/

 

 

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