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第145回MMS「株式会社という組織の有り様を研究し新たな時代にふさわしい会社像に変革している起業家」前編 ダイヤモンドメディア株式会社 代表取締役 武井浩三さん

●ご挨拶と出演者紹介

三木:第145回マイクロモノづくりストリーミング本日も始まりました。本日はダイヤモンドメディア株式会社様にお邪魔しまして、新しいホラクラシーというスタイルの組織に非常に興味・関心があり実践されてるということで色々とお話を伺っていければと思います。よろしくお願いします。

武井:お願いします。

 

●enmonoとの出会いについて

宇都宮:元々三木さんとはお知り合い?

三木:いや、カヤックの柳澤社長の「何かおもしろい会社があるよ」っていうプライベート講演会みたいなのがあって…

武井:あれが最初ですね。

三木:それが1年半ぐらい前かな?2年ぐらい。鎌倉の某所で講演会があって、お話を伺ったのが初めてで。それでカマコンバレーにも興味を持ってほとんど毎月来ていただいて。

武井:そうですね。今カマコン入って月に2、3回鎌倉行ってますね。

三木:カマコン以外でも?

武井:そうです。そこからのご縁ですね。

 

●武井様のバックグラウンドについて

三木:ちょっとブログとかで拝見したんですけど、ご経歴はロサンゼルスに音楽留学、ギターか何かでしたっけ?

武井:そうです。小さい頃から色々音楽好きで、小学生ぐらいの頃からミュージシャンになりたくて。

三木:小学生ぐらいから?すごいな。

武井:ピアノやったり。ピアノといってもクラシックが嫌いで、ポップとかそういうのが好きで弾いてて、中学入ってすぐギター始めてバンドをやって、色んなジャンルをやったんですけど、ロックビジュアル系とかハードロック、ヘビーメタル、スカパンクとかオルタナティブとかメロコアとか全部やって、そしたら無駄なものがない音楽がだんだん好きになってきて、ブラックミュージックが一番無添加というか何も加わってなくてシンプルで、コード3つだけでこんなに心地良いものが作れるのかみたいなので、そこからブラックミュージックにどんどんはまっていって、ブルースとかファンク、R&B、ヒップホップとかが好きになって。

三木:ブラックミュージックっていうと無駄なものがあんまりない感じですか?

武井:そうですね。やっぱりクラシックの音楽って経営とかマネジメントでいうとすごい合理的なレガシーな正解があるんですよね。もちろんその上で色々あるでしょうけど、でもブラックミュージックって基本は全部アドリブというかインプロビゼーション…経営とつながりますね。それでもうこれはアメリカ行かなきゃと思ってロサンゼルスに留学させてもらって音楽を勉強して。

三木:何年ぐらい向こうにいらっしゃったんですか?

武井:2年ちょっとですね。向こうの短期大学の音楽学部を卒業していて、音楽勉強しながら生活してるとやっぱりアメリカと日本って全然感覚が違って。日本にいる時ってビジネスとか仕事っていうのがすごい生活にもっと近いなと思って。例えば車が好きだったら車を仕入れて直して売ってそれでお金を稼ぐことができますし、C to Bができる国というか、いいモノを売ってたら企業が個人でも取引しますし、「ああ、これがそもそも生きるってことだな」と思って。

三木:シンプルな感じで。

武井:そうそう。シンプルで。やっぱり音楽をやってると我が強くなってアンチテーゼを求めてしまうので、他人と違うっていうことが音楽って価値なので、だから日本では働くってことに対してすごい抵抗感みたいな心理的な壁があって、「働いたら負けだ」みたいな。

一同:(笑)

武井:だけどアメリカ行ってみたら自分の好きなことをやるだけだなと。他の人ができないことを代わりにやってあげてお金をもらうっていうただそれだけのこと。じゃあ日本に帰って音楽やりながら、音楽ももちろん好きなので、でも音楽って下積みが多少必要なので、その間バイトで食いつなぐみたいなつまんないことやるんじゃなくて、だったら会社作ってそこでお金稼ぎながら音楽やったらいいじゃないと。

三木:かっこいいですね。

武井:で、帰ってきて起業して失敗して。

三木:最初の会社はどういう?

武井:アパレルファッション関係のメディアを立ち上げたんですよね。音楽とつながるんですけど、アメリカの場合って音楽ってライフスタイルの一部なのでその人を見るとどんな音楽が好きでどんな食べ物を好きでどんな車に乗っててどんな生活リズムで生きてるのかどんな友達関係があるのかとかだいたい分かるんですよね。ブラックミュージック好きな人はそういうファッションしてますし、そういう車乗ってますし、パンクミュージック好きな人はそういう髪の毛してますし…

三木:分かりやすい。

武井:だいたい生き方っていうのに一貫性があって。でも日本ってぐちゃぐちゃなんですよね。

宇都宮:分かりにくいですよね(笑)。

武井:これが良くも悪くもだと思うんですけど、日本人ってたぶん順応性が高すぎて、アメリカだと中国韓国ってコミュニティ、華僑とかコリアンタウンとかそういうものができるんですけど、日本人って現地に溶け込んじゃうらしくて。

三木:逆にいいじゃないですか。

武井:そうですよ。その順応性はすごいと思うんですけど、コミュニティが海外だとジャパニーズタウンみたいなのがほとんど生まれないっていうのもあって、音楽もそうなんですよね。だから実は韓国とかのほうが音楽が進んでて、コリアンヒップホップとかってジャンルとしてはすごい強いんですよね。

 

●音楽の研究について

武井:その国の言語に結構由来するんですけど、僕は研究するのが好きで音楽をすごい一人で掘って研究してて。

三木:研究好きなんですね。ここにいっぱい本がありますけどこれも研究の?

武井:そうです。とにかく好きなんですよね。哲学的なことが。音楽はやっぱり音なので、言語って形から生まれた象形文字と音から生まれた発声文字っていうのがあって、音から生まれてる言語のほうが音楽と相性がいいんですよね。

三木:そうすると日本語とかどうなんですか?

武井:日本語は音楽と相性は合わないですね。やっぱり発声言語、音から生まれてる言語って腹式呼吸なので音から生まれてる宗教ってだいたい歌とかそういうものが宗教に盛り込まれてるので、歌う習慣っていうのがそもそもあるんですよね。だからキリスト教って歌うじゃないですか。チャーチバンドっていうバンドがあったりだとか。だからみんな上手いんですよね。基本的に。耳がいいですし。でも日本の宗教って念仏とかって全然音階がないじゃないですか。日本語って胸式呼吸なので。

三木:あんまり腹から声出さない。

武井:でも韓国って腹式呼吸でハングル文字って発声言語なのでみんな上手いんですよ。だから韓国人とか基本的に音楽のポテンシャル高いですね。やっぱり確率論かもしれないですけど勝てないですね。

三木:なるほど。ずっと何千年もそういう環境できた人たちと?

武井:はい。しかも音楽のリズムって生活のリズムなので、町とか都市とかごとに流行る音楽っていうのがある程度必然性が決まってしまってて、田舎に行けば行くほど音楽のリズムってゆっくりになるんですよ。都会に行けば行くほどリズムが早くなっていくんですよね。だから僕はそういうブラックミュージックでゆっくりなリズムが好きだったのでロサンゼルスに行きましたけど、ロサンゼルスに行くとリズムがゆっくりなんですよ。

三木:ゆっくりなんですか?

武井:ニューヨークは早いんです。ロサンゼルスって田舎でゆっくりなんですよ。生活のリズム、音楽のリズム、それから人口密度っていうのが全部つながってるので、人口の密度が濃いところだとリズムが早くなって、生活のリズムも早くなって、音楽も早くなる。そうするとアッパー音楽っていって機械的なリズムでいうと上げのリズムなんですよ。

三木:なるほど。ニューヨークっぽいんですか?

武井:ニューヨークっていうか東京とかもそうですけど、EDMだったりトランスミュージックとかそういう電子音楽が強くなるんですよね。田舎に行くとヒップホップとかカントリーミュージックとか後乗りのゆっくりな裏打ちの音楽になるんですよね。そう考えると僕がやりたい音楽を日本でやる必要性がないなと。音楽は1回CDデビューもさせてもらったんですけど、それが23ぐらいの時で、それをきっかけに完全に撤退したというか趣味でやろうと。

 

●最初の起業の失敗と学んだこと

三木:その後に起業した?

武井:起業は同時期にしてて、22で起業してて。

三木:音楽もやりつつ?すごい!!

武井:ただ最初の会社は1年で倒産して失敗して。そのアパレルファッション系のメディアですね。全然うまくいかなくて。これは難しいなというか…

三木:それで今始められたのがこちらの不動産?

武井:そうですね。ダイヤモンドメディアという会社自体もう9年ぐらいやってるんですけど、不動産業界に特化し始めたのは6年ぐらい前からで、最初の4年間ぐらいは紹介だけで仕事を受けてて、最初に会社失敗したっていう経験もあってとにかく良い会社を作りたいなと思って。最初の会社は友達を誘って起業して、彼らにも借金してもらって僕も借金して失敗しちゃって。まだ22だったので一人はまだ大学生だったんですけど大学辞めて手伝ってくれて。もう一人は日立に勤めてたんですけどそれ辞めて手伝ってくれて、しかも借金させて。

三木:すごい。

武井:で、失敗して1年間極貧生活したあげく会社潰しちゃって、俺は結局何がしたかったんだろうと。何かを成し遂げたくて起業したんですけど何も意味がなかったというか、結局やりたかったことって僕のエゴであって、個人のエゴのために他人の人生、まして友達の人生をめちゃくちゃにしてまで成し遂げるべきものってないよなって思って、じゃあ俺がやってたのは本当に意味がなかったなと。そこからそもそも会社って何なんだろうとか仕事をするって何なんだろうっていう疑問を持って色んな経営の本とかを読み始めて…

宇都宮:調べ始めるわけですね?

武井:そうですね。実家が製造業っていうのもあって、色々父の影響もあって松下幸之助さんとか稲盛さんとか永守さんとかああいう方の本を全部読んで、すごい精神的なところが「ああ、なるほどな」という…松下幸之助さんの言葉で好きなのは「仕事というのはすごく神聖なものなんだ」と。でも父も昔からそういうことを言っていて、父親としては仕事ばっかりしててあんまり接点はなかったんですけど、すごい哲学がある人でモノづくり職人というかそういうことをやってきた人なので、それに対するこだわりと自負心というのがめちゃくちゃ強くて、長い物には巻かれないし、大手企業でも理不尽なことは全部突っぱねるみたいなそういう人で、僕が実際起業した時に色々応援してもらったんですけど、僕がマジで辛くて返す当てのない借金が1,000万ぐらいあって、本当にこれ人生ちょっと終わったなと。それまでは挫折経験があんまりなくて、音楽やってきた時も色んな音楽大会で賞をもらったりとか高校生の頃バンド大会出て全国大会行ったりとか、俺はやればできるっていう自分自身に根拠のない自信があったんですけど。

三木:重要なことです。

武井:1回社会出てみたら全く太刀打ちができなくて、誰からも必要とされなくて、「うわ~俺はこんなにも世の中では金銭的な価値を提供できない男なのか」と本当に現実を目の当たりにしてすごい自信喪失しちゃって、人の目を見て話せないぐらい…

三木:ちょっと落ち込んだような感じ?

武井:どうしたらいいんだろうと。少しでも会社にお金が残ってるうちに立ち上げたそのビジネスモデルは潰しちゃって、別のことをやったほうがいいのかなと思って父に相談したんですよ。「立ち上げた事業を辞めようかと思ってる。そっちのほうが賢いんじゃないかと思う」みたいなことを話したらすごい怒られたんですよね。

三木:そうなんだ。普通だったら逆に「もう辞めとけよ」みたいなことを言うのかなと思ったんですけど。

武井:経営って正解がないじゃないですか。勇気ある撤退っていう言葉もありますし、でもその時は父に言われてすごい腹落ちしたのは、「全然売り上げが立ってないビジネスだとしても少なからずお客さんがいて仲間がいてっていうその時点でそこには社会的責任というものが発生していて、その社会的責任というのを会社はお客さんだったり取引先だったり働いてる仲間だったりに対してずっと継続しなければいけなくて、その責任っていうのはお前の命より重いんだ」と。「お前が死んだとしても会社はお客さんに仕事の価値を提供しなきゃいけない」という、それが会社同士の約束だから。

三木:それが会社というものですね。

武井:そうです。だから「お前個人がどんな状況にあるかとかっていうのは一切関係がない。」

三木:すばらしいお父様ですね。

武井:「死んででもやり続けなきゃいけない」っていうことを言われて、僕その頃めちゃくちゃ参ってたんで全然わけわからなかったんですけど(笑)、何かそれは正しい気がするなと思って腹括ろうと思って、いざとなったら借金を背負えばいいだけ、それぐらいの額だったら頑張って働けば全然返せるじゃないかと。そうなれば人生3年、5年ぐらいは棒に振るかもしれないけど、それはしょうがないというように腹を括ったんですよ。そうしたらめちゃくちゃ軽くなって、それまでは本当朝起きるのが辛くて辛くて、だけど腹括ってからはどうしたら世の中にもっと価値を提供できるか、自分がもっと価値ある人間になれるか、そこだけに意識が向いて、また仕事に向かうんですけど。結局ビジネスモデル自体は改良を色々加えてもあんまり良くはならなくて、アパレル業界って結構独特な業界で…

三木:人脈というかその…

武井:そうですね。そういうのもありますし、広告に使うお金とかすごいシビアですし、店舗は仕入れて売る小売業なので、すごいコスト感覚が強いので全然ビジネスとして成り立たなくて、結局もう最終的にどうにもできなくなって会社を畳むんですけど、腹括ってるから悪あがきするんですよね。そしたら悪あがきしてる中で、「その事業を買い取ってもいいよ」っていう会社が何社か出てきて、それでそういうところと口八丁で交渉をして、そしたら一社が買い取ってくれることになって1,000万で売れて借金返せたっていう。

三木:すごいですね。最後の最後で。

武井:そうですね。僕就職経験がないのでそれが社会人1年目だったんですけど、ぴったり1年でマイナスからゼロに戻ったっていう。

宇都宮:就職は考えなかったんですか?

武井:就職は考えたことはないですね。性格もありますけど自分がやりたいと思ったことをやればいいだけ、でもそれが就職っていう手段が最も適しているのであれば全然厭わないですけども、そうじゃなかったっていうだけで。

宇都宮:ご実家が事業をされてるっていうのもありますかね?

武井:多少はあると思いますね。あとは音楽をやってたっていうのも。音楽ってみんな個人事業主なので、誰からもやれって言われないじゃないですか。「好きだからやってるんでしょ?嫌いだったら辞めりゃいいじゃん」っていう、それだけの世界なのでそれが当たり前で。

 

●ダイヤモンドメディアの立ち上げ

三木:会社を売却した後は何か別の仕事というか…

武井:ダイヤモンドメディアです。

三木:そっか。すぐシフトしたんですね。その時は最初から不動産系っていう感じだったんですか?

武井:最初は事業目的がないまま立ち上げて、良い会社を次は作りたいと思って。

宇都宮:定款とかは書くじゃないですか。

武井:何かインターネットって適当なこと書いて。

enmono(笑)

三木:その2つ目の会社は前の会社の方も一緒に?

武井:いや、そこはまた別で。

三木:また別で?すごいですね。段々と今の仕組みというかシステムを作るようになったんですね。

武井:最初の4年間は本当組織づくりというか「良い会社って何だろう」っていうことばっかりを…

三木:その4年間はでも何か日銭というかホームページを作ったりはあったんですか?

武井:目の前のお客さんの課題に答えるっていうただそれだけをずっと繰り返していって、ただ技術も何もなかったのでデザインから始まって徐々にシステムとか難しいものを段々作れるようになってきて、コンサルティングしたりマーケティング支援したりとか何でもやって。そのうち会社10人超えた辺りからこういう経営スタイルをやってても、会社って仕事をする組織なので、ビジネスモデルがないと結局個人事業主の集まりにしかならなくて、会社としての資産というか価値、強みを深堀っていきたいなと。そのためには何かに特化しなければいけなくて、特化をする時に技術特化とか業界特化とか色々ありますけど、うちは不動産業界に絞ってそこで深堀りしていこうと5、6年ぐらい前に絞って。

 

●ダイヤモンドメディアの事業内容について

三木:具体的には今どういうサービスを提供されてるんですか?

武井:今は不動産業界といっても結構実は広くてですね。不動産ってまず大きく分けると不動産建設業界と不動産流通業界とみたいな、建設はいわゆるディベロッパー、アパート・マンションメーカーっていうところなのであんまりIT関係ないですけど、流通のほうは賃貸と売買とあって、流通構造でいくと物流とかと一緒で所有者が一番最初にいてここが全ての始まりなんですけど、そこから一般消費者までに色んな流通経路を経て辿り着くっていう、すごく物流と同じ構造ですよね。不動産もそういう構造があって、うちはこの流通構造の中でいくと比較的上流に対してサービスを提供していて、仲介会社に対するサービスの提供っていうのが不動産業界だと結構目に付くというか一般消費者に触れるのでホームズ、スーモ、アットホームみたいなメディアとかお部屋探しとかっていうのは全部この不動産流通でいうと下流なんですよね。そこから最初始めたんですけども、そのマーケティングのシステムを提供したりとかしていて、これが一番歴が長くてお客様が今まで200社ぐらいいて結構大手が多いんですけど、長谷工さんとかミサワさん、東急さんとか…

三木:ダイヤモンドテール。大手さんが多い?

武井:物件のデータ管理と顧客のデータを管理してインターネット上で効率的に集客をするっていうマーケティングシステムで、大手が多いですね。あと売買だとオープンハウスさんとか福屋不動産さんとか、最近の会社だとインベスターズクラウドさんとかアンビションさんとか、比較的良いお客さんが多いです。ハウスコムさんとかタウンハウジングさんとか。

三木:聞いたような名前がたくさんありますね。ASPを提供する?

武井:そうですね。ASPを提供してそれをカスタマイズして各社のマーケティング戦略に合わせていくっていうことをするので、結構システムを提供して終わりじゃない。コンサルテーションとかマーケティング戦略を一緒に練るとか、それをシステムにまで落とし込むっていうのがうちの強みで、それができる会社っていうのがほとんど他にいないので。不動産のこのマーケティングシステムで何か凝ったことをやろうと思うとだいたいうちに相談が来るみたいな。

三木:そこが固定の売り上げでずっとあるって感じで?ベースに。

武井:そうですね。月々の利用料もありますし初期費用もいただいてますけれども、これが5年間ぐらいで会社の売り上げを支えるようになってきて、そこから新規事業にどんどん投資をして、今はさらに上流の管理会社さん、オーナーから不動産を預かってる管理会社さんの募集業務って呼ばれる業務をマネジメントするリーシングマネジメントシステムっていうのを提供していて、これは業界でうちしか持ってないオンリーワンのサービスで。管理会社って一般的には管理業務をやってるんです。例えばオーナーから不動産を預かってそこの入居者さんから家賃を回収したり、クレーム対応したり、原状回復の立ち会いとか鍵の受け渡しとか、基本的には事務的な仕事が多いんです。事務的な仕事ってどんどんダンピングというか価格が下がってきていて、管理会社さんってほとんどサービス内容に違いがないんですよね。そうなってくると規模の経済じゃないですけど、どんどんM&Aで大手が買収、買収をしていくっていうのが最近の流れで、でも本来の管理会社さんの価値ってオーナーから預かってる不動産資産の資産価値を高めていくことで、賃料とかを最大化させていく、そして稼働率を最大化させていくっていう。この稼働率を最大化させて賃料を最大化させていくっていうのは管理業務だとできないんです。それって完全にマーケティングとセールスの活動なんですけれど、それを業界用語だと募集って呼ぶんですね。英語だとリーシングっていうんですけど。

宇都宮:プロモーション?

武井:そうです。プロモーション寄りですね。マーケティングとセールスの。管理業務っていうのは部屋が埋まってる時に仕事が多いんです。募集業務っていうのは部屋が空いた時に次の人を見つけないといけない。空室期間が長いとオーナーは機会損失っていうのになる。

宇都宮:それは稼働率を上げるっていうことですね?

武井:そうです。そこを本当は管理会社さんはセールスフォースみたいな営業管理ツールとか色んなマーケティングの管理システムを使ってやるべきなんですけどできないんですよ。

三木:みんなどうしたらいいのか分かんないみたいな感じですか?基本的には。

武井:リテラシーが低いっていうのが一つですし、そもそも一般的なマーケティングツールとかSFAっていうのは使えないんですよね。なぜかって言うと不動産の場合には物件単位でプロモーションしないといけないし、物件がどんどん入れ替わっていくので、しかも一点モノなのでデータベースと営業履歴なんかを結び付けるっていうのは不可能なんですよ。しかも募集業務は自社だけで完結しないで、その先の仲介会社っていうのがまた各社色んな活動を行っててそれもトラッキングしないといけない。それができない。でもそれをできるようにしたっていうのがこのツールで、超マニアックなんですけど。

宇都宮:通常マーケティングってたくさんモノをばらまくためのマーケティングじゃないですか?一点一点変わってくるモノっていうのはマーケティングってしづらいじゃないですか。そもそも発想が出づらい。

武井:そうですね。それを契約に至るまでのプロセスを今まで分断されてたものを自動的にトラッキングをして見えるようにして、プロセスマネジメントをできるようにするっていう超独特なシステムで、これはマニアック過ぎてたぶんうち以外開発できる会社はいないです。マーケット大きくないので、顧客対象になるような不動産管理会社って日本でおそらく5,6千社ぐらい。だからここはじっくりお客さんを増やしていこうかなと。

宇都宮:不動産投資とかまで含めちゃうともう少しマーケットが広がって?

武井:そうです。投資物件を扱ってる会社とかもお客さんですね。

三木:最後のOwnerBoxっていうのは?

武井:OwnerBoxっていうのは、今度まさにオーナーさん、不動産オーナー、不動産投資家向けのサービスをやっていて、ダイヤモンドテイルにこんな感じで東急さんとかの賃貸のサイトとかうちが全部やらせてもらったり、あとLMSっていうのがマーケティングオートメーションで、管理会社の内部にあるデータ、営業履歴とか反響のデータっていうのを取り込んで、それからマーケットデータっていうのをこのシステムが自動的に取ってきて、募集をしている物件のデータっていうのも全部取ってきて、ガーっと分析するとすごいシンプルに言うとGoogleアナリティクスみたいな。

三木:不動産業界のGoogleアナリティクス。

武井:グラフが見えて、何をしたらどうなったっていう因果関係が全部見えるので、どの対策が効果的だったのかっていうのが分かると。

三木:なるほど。

武井:これはもう日本でうちしかないサービスですね。

三木:これはASPで利用料をもらうという

武井:そうですね。今はまだお客さん10社ぐらいしかいないんですけど、東急さんとか三井さんとか大手が使っていただいてますね。

三木:すごいですね。

武井:OwnerBoxっていうのはオーナーの不動産資産管理サービスで、管理会社さんとオーナーをつなげて、クラウド会計ともつながっていて確定申告までできるっていうサービスで、今マネーフォワードさんと業務提携をしていて、不動産って現物資産なんでマネジメントコストってめちゃくちゃ高いんですね。しかも金融資産と違って買った人の力量によって利回りが変わるっていう特性があるじゃないですか。だからおもしろいわけですけど。株価ってみんな一緒ですから。でもそういったマネジメントコストが高い割にオーナーからするとできることが少ないんですよね。管理会社に預けちゃってるので任せっきりみたいな。本当はオーナーってもっと色んなことやりたいんですよね。それをするためにまずは収支のデータを家計簿みたいにちゃんとつけていくと。オーナーさんって本当は投資家ではなくて不動産賃貸経営者なはずで、経営者だから普通に管理会計とか会計をやるべきで、売上が何で支出が何でそれをちゃんとマネジメントしてってやるべきですけど全くやってないじゃないですか。

三木:そうですね。普通は。

武井:個人なので。月に1回送られてくる収支の情報とかを見て「ふんふん」と。

enmono(笑)

武井:で、税理士さんにお願いする。なんだったら失くしちゃうみたいな。税理士さんが今度は管理会社さんに、しかも確定申告の忙しい時期に「紙ください。○○オーナーの○月分ください。」その頃管理会社も繁忙期なんですよ。「もうふざけんなよ!」って言いながらFAXしたり郵送したりみんな不幸せなんですよ。それをデジタル化して。

三木:そっか。そしたらこの管理会社も助かるし。

武井:管理会社も助かるし税理士さんも助かるしオーナーも無料で使えるので。

三木:無料なんですね。オンラインで見てればいいんですね。

武井:お金の動きの推移が見れるので。

三木:それはおもしろいですね。

武井:お金って流れで見ないと最適化できないじゃないですか。それに加えて管理会社側はこのCentrl LMSっていうリーシングマネジメントシステムを使ってる場合には空室が今どういう状況かっていうのもオーナーが把握できるということです。そうすると募集戦略っていうのが立てられるので賃料を高めで攻めるのか、ちょうどマーケットに競合物件がないから高めでいいじゃんとか競合物件がいるから下げたほうがいいのか、どっちのほうが…

三木:何かエリアとか絞っていくとその平均みたいなのが出てくるんですか?

武井:平均だったり。ただ不動産って平均値で出すというよりは結構入居者さんのニーズが一人ひとり違うので、高くても決まる場合もあれば低くても決まらない場合もある。結構独特なんですよね。それをどう考えるかっていうのが結構実は…

宇都宮:期日もありますもんね?

武井:そうです。戦略が必要で、賃料を維持させた状態で業界用語でADと呼ばれる広告料、業者さんにバックするバックマージンがあるんですけど、それを高くつけて賃料を高く維持させるという手も打てるわけですよね。賃料って収益還元法で不動産の資産価値にそのまま反映するので、例えば賃料10万円の物件ってだいたい売値が2,000万とか2,500万とかそれぐらいなんですけど、1,000円値引きすると99,000円、1,000円ぐらいいいじゃんって不動産会社は思うんですけど、オーナーからすると資産価値が1%目減りするって考えるんですよ。そうすると彼らからすると20万円なんですよ。1,000円の値引きじゃなくて。だったら20万円減っちゃうんだったら5万円でエアコン付けて設備投資したほうが1,000円維持できるじゃんと。そっちのほうが実は投資効率が高いわけですよ。

三木:それが分かるんですね。

武井:そうです。

三木:技術モデルがおもしろいですね。

武井:そうですね。

後編に続きます。

武井浩三さん
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