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第130回MMS放送 「『チームビルディングプログラム』を展開し、結果を出せるチーム 作りのノウハウを広げる」後編 楽天株式会社 楽天大学学長 仲山考材株式会社 代表取締役 仲山進也さん

中編からの続きです。

 https://zenmono.jp/story/276

●適切な視座を持つこと

仲山         (起業後)しばらくはなにもやることがないので……。

enmono(宇都宮)   資金繰りは必要ない。

仲山         僕の仕事の仕方は例えば講座みたいのをやったりするので、仕入れも必要ないし。

enmono(三木)   それは会社の売上として上げるんですか?

仲山         会社の売上というか、なにをやるかも決めずに会社を作っただけなので、なにをやるかをそこから考え始めて、あまりにも手間がかかりすぎて、楽天の中では「効率悪すぎ!」と絶対に実現できないようなプログラムをやり始めました。

enmono   それは依頼されてではなく自分で。

仲山         自分で作って。オンラインの私塾なんですけど、お題があってそれを回答するクラスの人たちが10人くらいいて、お題が25個あるんですけど、それを3ヶ月くらいにわたって、みんなが全部に答えていって、それを赤ペン先生みたいな感じでやり取りをするっていうプログラムをやり始め。

enmono   それは経営的なお題なんですか?

仲山         例えば一つのお題としては視座の高さ。社長視座と平社員視座、課長視座、部長視座で見えているものって違うよね、という感覚を持てるかどうかは結構大事だと思うんですけど、それをGoogleMapで自分ちの住所を入れてみてくださいと。何メートルとかの目盛りがありますよね。それをマイナスしていくと高いところへ。
仲山         それって視点は一緒だけど見えてる範囲・視野に入ってくるものが変わってくることによって、高い視座から見た状態になることによって、ここで起こっていることの解釈って変わるよねという体験をしてもらうために、それぞれの視点の高さを設定してもらって、その高さで見た時に一番頭を悩ませる喧嘩は誰と誰の喧嘩ですか? みたいなお題をやるんですよ。

仲山         そうすると自分ちの近所しか見えてない時は夫婦喧嘩が一番頭を悩ませる問題ですみたいな話になるんだけど、段々上がっていくと町内同士の争いになったり、県と県の争いになったり、

enmono   そのお題は自分で考えるんですか?

仲山         自分で考えてやるんですけど。

enmono   それをオンラインでずっと?

仲山         そうです。その当てはめがちょっとズレてると、せっかく県と県を収めているはずなのに、ここに視点が行っちゃって、ちっちゃい争いに引っ張られて、要は現場の問題解決を自分がやってしまうみたいな。ここのポジションの人はそれをやっている場合じゃないんですけどねみたいな体験もあったり。

enmono   面白いですね。

 

●今いるステージに合わせたやり方

enmono   そういう体験をまとめられたのが、こちらに持ってきていただいた3冊の本。

仲山         本当はこれの前に『「ビジネス頭」の磨き方』という本があって、それがお題を1冊の本にしたものなんです。

enmono   この中央と右の2冊を買って、今真ん中のを読んでる最中なんですけど、この写真右側の――。

仲山         これはチーム作りの本で、それこそ楽天で商売始めて最初は売上伸ばしたいってなるんですけど。

enmono   ECの講座でチームビルディングをするっていうのが最初「なんでそんなことをやってるんだろう?」と。

仲山         違和感がありますよね。ネットでの売り方をやっていると思われるんですけど、元々三木谷さんのお題としては「出店している人が自分で商売を考えて、自分で動けるようにならないと楽天のモデルは機能しない」そういう自走してもらうためのプラットホームを作るのがウチの仕事なんでと言って、考えるためのフレームワークを体系化しろというオーダーだったんですよね。

仲山         そういうのをやっていくうちに、うまく行き始めるところに「最近どうですか?」と聞くと「売り方はわかるんだけど、人数増えてきた割には儲からないんだよね」という話で、人とか資金が。

enmono   会社の経営自体がうまくいかないとECもうまくいかないということですよね。

仲山         しかも中小企業の社長で自分がネットでやってみようかといって自分でやったりとかするんですけど、その人のセンスとかヤル気とか、その人がスーパーマンだったから伸びたっていうのがほとんどで、そうすると人数が30人とか50人になっても結局自分だけが全部を決めてるみたいな状態になってて、ほかの人は発送だけやるとか誰も会社の売上のことは気にしてないみたいな。自分だけという風になったり。

enmono   結局ECなんだけど経営なんですね。

仲山         経営です。

enmono   出口としてのECというアプローチですね。

 

●常識ってなんですかね

仲山         で、チームビルディングがテーマになってくるところが多くなって。

enmono   今僕、この真ん中の読んでるんですけど、いわゆるECの常識と逆のことを「こうやってうまくいっている」という事例をたくさん。

仲山         常識ってなんですかね。

enmono   高いよりも安い方が売れるだとか。

enmono(宇都宮)   広告を打った方が売れるとか。

仲山         その常識って僕から見ると、「胡散臭いからなんとか信用してもらわなければいけない」ステージの次のステージ、「伸び盛りの時」の売上の伸ばし方なんです。だから、それしか知らない人っていうのは、僕から見ると基礎をすっ飛ばしてテクニック的にやったら伸びてしまうみたいな感じなので。

仲山         そういう人たちは伸び盛りの時はイケイケなんですけど、それが成熟期に入ってくるとそのやり方だと効率が下がってきて、儲からなくなってきて、キャッシュが回らなくなってきて、潰れるところは潰れてしまう。仕入れすぎて潰れる黒字倒産みたいな。

enmono   ECにもたくさんあるし飽和しているところもありますよね。

仲山         ずっと売上は伸びていくものの、段々しんどくなってきてみたいな人が、幸せそうじゃなくなってきて、でも売上を伸ばさずにそこで一回自分のやっていることを見直して。

enmono   S字カーブがこうなってきたら――。

仲山         次の(やり方)に乗り換えることになるんですけど、「自分の理念ってなんだっけ?」と振り返ったり、「誰でも売れる商品を仕入れてきて売るのは自分の仕事じゃないな」ということを確認して、とりあえず何千商品、何万商品と広げてきたヤツを自分が本当にやりたいとか強みを持っているところに絞りこんできっちりやっていくというスタンスに変えたりとか。そんな形になるところが時代の流れ的に増えてきて。なので、そういう意味で僕から見ると昔やってたことと一緒なんですよね。

enmono(宇都宮)   時代が追いついてきたという感じですか?

仲山         一周して元に戻ってきた感じがしていますね。

enmono(宇都宮)   スパイラルアップしてますね。テクノロジーも進歩して、マインドも変わってきてるし。

仲山         まさに。

 

●マイクロモノづくりに通じるスタイル

enmono   そう考えると僕らはモノを作る方の仕事をしているんですけど、結構近いところがあって、これまでの大量生産で大量消費するモノづくりはもう疲れちゃったと。どんどん納期があって、それに合わせてモノを作っていって、でもどんどん利益が薄くなっていく。疲れちゃうので、今後は本当に自分が欲しいモノを作って、それを共感できる人とシェアしながら育てていくみたいなモノづくりだなぁと。それがマイクロモノづくりの考え方なんですけど、まったく僕らの考えと同じ。

仲山         同じですよね。僕も楽天に出店しててお付き合いのある人は小売りの人もいれば、今まで卸しかやってないという人もいれば、メーカーの人もいて、結構印象的だったのが、木彫りのフクロウみたいなのを作っている人がいたんです。その人が楽天で初めて直販をして、買ってくれた人がその頃まだレビューの機能もないんですけど、メールをくれたと。

仲山         「すごいよかった」ということが書いてあって、「ありがとうございます」みたいなコメントが書いてあって、それを読んで「めちゃくちゃ嬉しい!」。今までは業者の人に価格と数量と納期だけで収めることしかしていなかったのが、お客さんからダイレクトに来るっていうのでハマって楽しそうにやるみたいな。そういう姿とかを見ているので。

仲山         あと逆に小売りの人とかが段々大きくなっていくと、ファンの――応援してくれる人たちの裾野が広くなるので、クラウドファンディングができるようになるんですね。オリジナル商品はロットの壁があって今まで作れなかったけど、このくらいファンの人がいて、メルマガを読んでくれて、新しいものが出ましたって言ったら「イイね!」って言ってくれる関係性ができてくると、PB(プライベートブランド)が作れるようになって、要はメーカーになっていくんですよね。

enmono   そうなんですよね。

仲山         製造は外ですけど。そういうような流れを見ていくと、なんかこう産業革命から高度経済成長の中でも分業化されていった役割分担が機能しなくなってきて、またグルッと一周回って全部上流から下流まで作るところから直接お客さんに届けるところまで一つの会社としてやるみたいなスタイルに行き着いた人が結構幸せそうだなと。

enmono   この本を拝見していて、仲山さんの視点は売るところから入っているんだけど、僕らは作るところから入っている、でも結局同じことをやっているということがすごくわかって共感しました。

enmono(宇都宮)   「ワクワクすること」というのを僕らは理念にしているんですけど、「つまんない」っていうのは伝わるんですよね。そのモノ自体が。買う人ってわかるじゃないですか。

仲山         わかります。

enmono   欲しいんだけど欲しくない。そもそもモノがいらない時代だから。

仲山         だから、なんでApple好きな人がApple買っているかというと、ジョブズのワクワクを買いたいみたいな向きもありますよね。

enmono   でもスティーブ・ジョブズさんがいなくなって……。

仲山         そしたらモノとしては同じようなもんなんだけど、ワクワクっていう価値がなくなるんですよね。

enmono   今色んなラインナップ揃えてますけど、どんどんワクワク感が減少している気がします。

仲山         メーカーの人はダイレクトにお客さんと繋がってコミュニケーションが取れる状態を作るっていうのが多分すごく大事なのかなと。

enmono   共創ですかね。3冊目(『あの会社はなぜ「違い」を生み出し続けられるのか 13のコラボ事例に学ぶ「共創価値のつくり方』)の話題になりますけど。

仲山         こっち(『あのお店はなぜ消耗戦を抜け出せたのか』)が元々の商売系の話で、こっち(『今いるメンバーで「大金星」を挙げるチームの法則』)がチームビルディングなんですけど、これとこれを掛け合わせると、「お客さんとチームになれたら最強だよな」っていう、そういう発想になってきて、お客さんとチームになるというのを色々工夫しながらやってみようという場(プログラム)を作ってみると、うまく行きだすところが現れて。

enmono   レモン部。

仲山         レモン部っていうのがあるんですけど、苗木屋さんが始めたレモンを育てる部活動で、普通に売ってたレモンの苗木を「レモン部」っていう風に言って30人くらい募集をかけて、1年間にわたって写真を撮ってもらって成長日記を送ってもらい、そこにコメントをつけてページにupしていくというのをやって、病害虫とかトラブルが出た時にはこうした方がいいですよというサポートとかをしてくれると部員もど素人なのに枯らさずにちゃんとレモンがなったりする。

仲山         そういう部活を始めたことで、素人の人ってこんなこともわかんないんだなって。例えば「葉が元気ないから水やりをして」と書いたら「水やりというのはどのくらいあげたらいいんでしょう?」「何リットルなんでしょう?」と聞かれて「何リットルというかドボドボ、という感じで」というやり取りをしたりしながら、「あ、そうか、ここから伝わらないのか」と。

仲山         いかに自分が今まで知識のあるお客さん――玄人しか相手にしてこなかったのかということがわかる。今までお客さんじゃない人がなにを知ったら園芸にハマっていくのかとか、ウチの店でずっと買い物をし続けてくれる人になるのかといったところに初めて接して、「なるほどな」って思う。まだまだできることがあるなって気づく。

enmono(宇都宮)   専門家も隣のことを知らないとか。モノづくりは本当にそうなので、設計できる人はデザインわからないとか、マーケットわからないとか。それって一通り全部みんなでやってみると、お互い教え合いになってくるというか。

仲山         みんなで同じことをやってみて、この人はこの辺が得意だからと役割分担が初めて決まっていくみたいなのがチーム作りだと思っているので。

enmono   3冊目の本にはチーム作りとか、あとは共創というのが結構……。

仲山         共に創るの共創。

enmono   最近、大企業もコ・イノベーションとか共創とか言ってますけど、やっぱり繋がる人の中に軸がないと繋がれないんですよね。

仲山         結局強みを持っている者同士、違う強みを持っている人が強みを持ち寄って、チームビルディングもじゃもじゃやると、うまく組み合わさって新しい価値を生み出せますみたいなのがチーム作りなので、うまくいかないよくあるコラボは「ここと組んだら向こうのファンが買うんじゃないか?」みたいな、お互いに相手に集客を依存しているというか。

enmono(宇都宮)   依存を手放さないと。各自が持ち寄るという感じですかね。

enmono   バーベキューも、ちゃんと肉とか野菜とか持ってこないと、なにもありませんじゃ参加できませんからね。

enmono(宇都宮)   お金だけ持ってきた人だけじゃ……。

仲山         なにも始まらない。お金もみんな持ってこない、みたいな(笑)。

 

●日本の中小企業の未来

enmono   3冊目、私も買って読んでみようと思います。

仲山         よかったら読んでみてください。

enmono   まだまだお話を伺いたいんですけども、そろそろお時間の方が来まして、最後にいつも皆さんに質問していることがあります。「日本の○○の未来について」なにか。○○はご自身で入れていただいて結構なんですけども。

仲山         僕は楽天に入った時に共感したのが、「日本の中小企業を元気に」という理念だったので、「日本の中小企業の未来」ですかね。大企業ってなんで大企業かというと、製造業とかだと装置産業なのでデカくないと装置が持てないみたいなところがあると思うんですけど。

enmono   効率の問題ですね。

仲山         今よくよく考えるとそういうデカくないとできないことって……。

enmono   どんどん少なくなってきています。

仲山         どんどんなくなっていくし、あとは「ずっと同じメンバーでやらなければいけない」というのが逆に弊害になる部分があると思うんですよね。変化が激しくて「これ、このメンバーでやらなくても、こっちで違う人も入れた方がいいよね」みたいなこととかがあるから、そういう感じで言うと大きいことの強みみたいのが相対的になくなってきてるというか、むしろ弱みになってきてると思っていて。

仲山         そういう意味で言うと小さいことを強みにできる人たちが活躍しやすくなっているのかなという気がするので、自由な働き方みたいなテーマとちょっと被るところがあると思ってるんですけど、どういうことかと言うと大企業でサラリーマンやってて自分のやりたいことが組織のせいでできないなと思って独立をするみたいなパターンってあると思うんですけど、でも独立したからと言って仕事を大きいクライアントさんに依存をしてたら、それって上司が社内の人から社外の人に替わっただけで。

enmono   はい。上司の下請に。

仲山         まったく自由じゃない独立状態だと思うんです。自由な働き方って大きい組織の中にいても自由な働き方があるし。

enmono(宇都宮)   こういう事例もあるし。

仲山         独立してても不自由な人もいるので、あとは自分の強みがなんなのかとか、どういう価値を生み出せるのかとか、ワクワクすることってどういうことなのかみたいなので、ワクワクを共有できる人と集まって、公園でサッカーしたいみたいな……メンバーは日替わりですみたいな、そういう状態のプレースタイルを編み出すことができるのは、大企業はなかなか変われないと思うので、中小企業の人の方がチャンスが大きいなと思っています。

enmono(宇都宮)   オーナーシップがないと多分無理ですよね。どっかの子会社の中小企業ではまた雰囲気が違うでしょうし。

enmono   結論を言うと日本の中小企業の未来は明るいということですか?

仲山         明るいと思いますけどね。だって、やりたいことをやればいいんですもんね。

enmono(宇都宮)   やりたいことを見つけようとしても、見つからない人も多分います。

仲山         「やりたいことをやったらいけない」っていう思い込みってあるような気がするんですよね。「仕事なんだから」みたいな。

enmono(宇都宮)   常識と勝手にこう定義しているだけですもんね。

enmono   みんなやりたいことをやっていいんだよ、と。

仲山         「仕事なんだから我慢しないといけないんだよ」っていうのがすごいあると思っているので、逆に自由に働きたいというと、なんか朝寝てたいとか、がんばらないでもいいようにしたい、怠けたいみたいな、そういう考え方の人ってすごい多いなという気がしています。

enmono(宇都宮)   自由になるほど仕事時間が増えたり。

仲山         増えますよね。楽しいからやめ時が来ないし。

enmono(宇都宮)   むしろ身体に気をつけなきゃいけないという

仲山         でも精神的には健康だったりするので、あんまり身体壊さなかったりしますけどね。

enmono   なるほど、ありがとうございます。「売る」という立ち位置からの見方で色々お話を伺って、僕ら「作る」方なので、でもやってることはすごい近いなという、考え方もすごい近いなという、マイクロモノづくりにぴったりのこの3冊でございますのでぜひ。

仲山         そんな、営業していただかなくても。

enmono   よろしければAmazon等で……。

仲山         楽天ブックスで!

enmono   あ、楽天! 楽天ブックスで(笑)。

仲山         どこでもいいです(笑)。

enmono   ぜひご購入くださいませ。ということで本日は非常に貴重なお話ありがとうございました。

仲山         ありがとうございました。



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