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第128回MMS放送 「100年後も日本でバネを作り続けるためにバネの可能性を拡大するバネ屋魂」 【後編】五光発條株式会社 代表取締役 村井秀敏さん

前編からの続きです。

 https://zenmono.jp/story/271

●共創の成果
enmono   このSpLink、今では店頭に並んでどなたでも自由に買ってくることができるというものになってますけど、こういう自社商品を出して、会社がどういう風に変わっていったのかというのを伺いたいです。

村井         国内で今後100年後もやっていくためには、やっぱりウチを知ってもらうという活動と、お客さんから来た図面をそのまま作るだけじゃなく、高付加価値なも のを技術で作りあげていくという意味で自社商品化をしていきたいと進めてきたので、初めての待望の自社製品がお店に並んだ時はやっぱりすごく嬉しかったで すね。

enmono   これは今どこで買えるんですか?

村井         ハンズさん。ロフトさんでは最近はもう見ないんですけど(笑)。あとはヨドバシカメラとか本屋さんでも少し展開しています。一番嬉しいのは五光のホームページから買っていただくことです。

enmono   会社の雰囲気とか社員の意識はどんな風に変わっていったんですか?

村井         今まで部品だったので、自社の技術に対するお客さんの反応って見る機会がなかったんですけども。色んな展示会とか店頭販売とかも社員の方が一緒にやってく れたりして、お客さんが嬉しそうに買っていく姿を見ながら自分たちが作ったバネの技術で「あ、本当にこうやって喜んでくれてるんだ」というのは触れること ができたので、モノづくりとしての楽しさとか可能性とか色んなことは感じてくれたみたいです。
村井         なかなか褒められることがない世界なので、できて当たり前で失敗した時だけ怒られるみたいな話で、食うために仕方ないから嫌々たまたまバネ巻いちゃってる よねという感じだったんですけど、やっぱり自分たちが持っている技術が実は色んなことができる可能性があるよということで、明るく前向きになったと思いま すね。

enmono   こういう最終商品を出した後、別の展開もあったそうですね。TOYというか玩具ではなくて別の方向が。

村井         すごい技術と面白い発想でこういうことができるんだけど、これは玩具ではなくもっと違う魅力的な製品として売るべきでしょうということで、それこそ共創? 共に創りあげようと。デザイナーの方とか何名かでチームを組んで、玩具ではなくファッションアイテムとしてやるべきでしょうということで。同じように見え るんですけど玩具の場合は抜き差しが半永久にできるんですけど、そっち側の方はデザイナーさんが一回作ったら変形しないと抜けないという機構にしてありま して。

enmono   今私がつけているブレスレットも、これ結構ぐにゅっとやっても外れないんです。これが結構してると目立つというか、なんか面白いブレスレットしてますねとなります。

村井         新宿にある学園のファッションモデル、ファッションショーに採用していただいて、学生の方が新しい見せ方ということで。バネ自体が製品特性上表に出ないの で、皆さんの目に触れる機会がないんですけど、それが逆におしゃれなアイテムとして「あ、そんな見せ方があるんだ」と、今までのウチだけだと絶対に成し得 なかった形だと思います。ウチらの従業員もファッションショーを見に行って、「あー、そういう使われ方をしてるんだ」と。そういう形でも新しい自社製品化 ということでチャレンジしています。

enmono   デザイナーさんと組むきっかけはなんだったんですか?

enmono(宇都宮)   クラウドファンディングのワークショップ。

村井         猫を作るワークショップの時に知り合ったのがきっかけですね。猫を作らないで違うことをしてるんで、あんまり触れちゃいけないなと思っていたら、最後にす ごいかっこいいブレスレットを作っていて、めちゃくちゃかっこいいんですよ。「なにそれ!?」って(笑)。
村井         で、なにか一緒にやれたらいいですねというお話をさせてもらったら、「いい人見つけたよ」ということで。それからだいぶ経ってはいたんですけど、まさに うってつけの方が見つかったということで、新しいジャンプアップジャパンというみんなの力を合わせて日本を躍進させていこうというチームの中でプロジェク トの1番目にこのSpLinkを使って、まさに日本を跳ね上げましょうとやってくれたのがファッション関係の。
村井         スプリングジュエリーという製品名・商品名で展開をしていくということで、これから本腰を入れてやっていこうと思っています。

enmono   単に玩具というだけじゃなくて、それ以上の新しい展開が期待されますね。

村井         そちらは申し訳ないんですけどenmonoさんの方のクラウドファンディングではないんですが……。

enmono   いえいえ。

村井         朝日新聞さんのA-portの第一弾でチャレンジさせてもらったので、両方とも第一弾で関わらせていただいて一応達成できました。皆さんのおかげです。ありがとうございました。

●「自分が欲しいものを作る」は一つの光明だった
enmono   そういう新しい展開をされている中で、村井さんが現在取り組んでいるものは、我々の中ではマイクロモノづくりというカテゴリーのお仕事というか、自分で企 画して自分で作って自分で売るというものなんですけども、マイクロモノづくりについてのご意見がもしあれば伺いたいなと思います。

村井         本当にそこが商品開発というか自社製品の肝になっていると思います。今までなんとなく「こういうのを欲しがるんじゃないか」という考えで例えば面白い数字 クリップを作ろうとしたり、実際自分自身がクリップを一回も買ったことないのに、これ本当に売れるか売れないかもわからなかったんですけど。

村井         結局「自分が欲しいものだったら、ほかの何人かは欲しいでしょう」というのは一つの光明だったし、力になるなと思っているんですが、やっぱり製品化・商品 化までできることは実証でわかったんですけど、売れる・売れないっていうのが次のテーマかなと思っていて。その売り方? やっぱりネットでは拡散してメディアに取り上げられてってなっていくんですけど、本当にいい形で回っていくというのにはもう一工夫とかコツとかが今後必要 だなと思っていて。

enmono   必要ですね。

村井         それこそ置き場自体がないので、せっかくこうして商品化して面白いものがどんどん出てくるんですけど、本当はenmonoさんでどこかに実際に置く。

enmono   棚を作る?

村井         そう。作ってもらえると……で、そこでしか買えない。「町工場の一点物はenmonoのなんとかストアで!」とか。それがあると作った人たちの希望になるので助かるなっていうのはありますね。

enmono   僕らもそういう妄想をして、大手の百貨店などに町工場の専用棚というのは発想としてはあるんですけど、なかなか我々も社員2名の会社なので信用度という問 題もあってなかなか難しいんですけども。ほかのクラウドファンディングさんは大きな資本のところはやってたりしますね。

村井         あ、そうなんですか。

enmono   伊勢丹とかでやってたりします。

村井         ぜひ。

enmono   ぜひ?(笑)

村井         組んでください(笑)。

enmono   やっぱり売るところが一番ハードルが高いですね。マイクロモノづくりは。例えば大手の百貨店さんに卸す時はマージンのところが大変だと思うんですけど。

村井         ああ、そうですね。講座の中では教えていただけるんですが、実際にそれなりのモノを作っていくと、かなりお値段が……。それでも欲しい人をターゲットにし ているんですけども、まだその殻を世の中が破ってくれるのがもう少し先なのかなとか。そこに感度よく「これ欲しいよね」という人がうまく来てくれるともう 少し回っていくのかなと思うんですけど。

enmono   要は原価と販売価格のアジャストがなかなかうまくいかないということですね。

村井         自分とか実際に作った者側が説明したら買ってくれるんですよ。店に置いただけだと、ポップだとかビデオの説明だとしても熱量が伝わらないので、そこの価値に辿り着くまでのアレが、お店だと店員さんが言ってくれるわけではないので。

enmono   村井さんが行商すれば売れる。

村井         そう、「うおー、すげぇ! レゴ超えた!」って言ってくれるんですけど、なかなか置いただけだと伝わらないので。

enmono   そこの戦略は今なにか考えていますか?

村井         実際に言えば買ってくれるんで、仕方ないからビデオを作るしかないのかなと。

enmono   村井さんが語るビデオにしたらいいんじゃないですか?

村井         まぁそういうことですかね。

enmono   そんなにかっこいいのじゃなくて、私が開発しましたみたいな。

村井         ただ、相手のニーズに合わせて説明もしていたのでアレなんですけど。

enmono   マイクロモノづくりの販売の部分で苦戦していると。

村井         そうですね。全部面白いものなので、説明するとすごくツボに入るんですけど。

●バネの持つ可能性
enmono   村井さんからバネの持つ可能性について語っていただきたいです。

村井         バネの持つ可能性はもう皆さん薄々感じていると思います。ありきたりな言葉ですけど無限の可能性があると思います。多分最近気づいてきちゃってると思います。

enmono   世の中が?

村井         世の中が。気づかれちゃったので今少し困ってはいるんですけど。バネの可能性を五光っていうか自分の方で独り占めしちゃおうかと思ってたんですけど。

enmono   それはあまりにももったいないから。

村井         そうですね。仕方ないのでみんなでバネの可能性を(笑)。色々試せたらなと思いますけど。でも実際に金属の発展と人類の発展はイコールなところもあるんですけど、このバネ材自体が実はすごく技術の粋が集まっているものです。

村井         色んな制約の中で鍛えられたバネ業界なんですけど、材料が持つ感触とエネルギーを創りだすことができること自体、人類が人工では造れなかった超生命体とウ チでは捉えていますので、このバネをどこかに取りつけるだけで静のものが動く新しい何かが生まれちゃうんですよ。ただこれは内緒にしてくださいね。

enmono(宇都宮)   あ。

村井         あ! 撮ってるんですか!? 聞いてないですよ~!(笑) そういうことはちょっと事前に言ってもらわないと。ここカットでお願いします。

enmono(宇都宮)   大丈夫。多分わかってくれないと思うんで(笑)。

enmono   生命体。

村井         そうです。なので、またあらゆるもの。え? そんなところにバネ? というところに、またバネをどんどん。

enmono   具体的にはどんなところに?

村井         今はとりあえずこちらになるんですけど。これは山梨工場で、ぜひ地場とウチの技術を使って盛りあげられたらいいなぁと思っていて。山梨だとワイナリーが結構あるんですね。100店舗くらい。

enmono   これ、一本のバネでできていて、葡萄の形になっているんですが、これをボトルに取りつけて……ハイッ(スタンドになる)。

村井         ありがとうございます。本当はコルクだと横にしないと酸化が促進しちゃうのでワインを長期保存するには必ず横にしなければいけないんですけど、横にする時 にせっかくなので面白いものをということで編み出したものです。これ、バネの特性が色々効いてるんですけど、実は色んな形の瓶があって、ここを押すことで (ボトルネックを通す輪っかの部分を)開いて、あらゆる瓶に対応できますよという仕組みになっていたり、ここの斜めに立つところの部分が実は一升瓶のバー ジョンもあるんです。

enmono   一升瓶ですか。

村井         山梨のワインには一升瓶のものもあるんですよ。なので、今後2020年のオリンピックで外国人の方が来られた時に、一升瓶自体が日本の規格で珍しい上にワインを横にするものということで。

enmono   意外と売れるかもしれないですね、これ。シンプルな感じで。でもこんな太いバネ曲げられたんですか?

村井         今はおかげさまで「もの補助(ものづくり・商業・サービス補助金)」で4ミリまで対応できるんです。

enmono(宇都宮)   その太さで龍を……。

村井         本当にちょうど10倍にできるんですよ。SpLinkの1個1個が。そうすると椅子とかベッドとか実際に対応できるものが。だから本当に早く作りたくてウズウズしてるんですけど。

enmono   椅子作りましょうよ。
enmono(宇都宮)   お忙しいんですか?

村井         いやいや、違うんですよ。機械がねぇ……いい機械で空かないんですよ。

enmono   その機械はどこにあるんですか?

村井         下にあるんですけど。

enmono   椅子をクラウドファンディングしましょうよ。

村井         かなり面白いの作れちゃいますよ。

enmono   家具を1個作ってみると、それはまさに無限大な。それこそ西村さんにデザインしてもらえば、かなりおしゃれな、座ってビヨヨンってなるような。

村井         そうするとちょっとまた高くはなるかもしれないですけど。

enmono   1脚数十万くらいのね。

村井         そうできればいいかなと思うんですけどね。

enmono   でもファッション性があれば結構……。

村井         アリですよね。

enmono(宇都宮)   金属だからエクステリアとしても使える。室外の。来年のミラノサローネで。

村井         やりたいですねぇ。

enmono   じゃあ、今年中に試作をお願いします。

村井         (笑)。今はワイナリーさんと集中してやっていて、これ以外のヤツも今第2弾第3弾があるので、それが一巡した後になるんですよね。結局これが多少回っていかないと、新しいことをやる時に……。

enmono   まずは売っていかないと。

村井         多少回ってくれるとありがたいですね。個人では楽しいんですけどね。

enmono   ソファとか家具とか結構可能性ありますし、いずれは家自体もバネで作ると。

村井         おおっ。

enmono   地震に対応できる。

enmono(宇都宮)   バネハウス。

 

enmono   バネハウス。いかがですか。

 

村井         (笑)。いいですねぇ。イケちゃいますね。

●日本のバネの未来

enmono   色々まだお話を伺いたいのですが、そろそろお時間の方が参りまして、一番最後に皆さんに質問している村井さんの考える日本の○○の未来について。

村井         ○○……。

enmono   ○○はご自身のもので結構です。

村井         日本のバネの未来について? まぁ、ウチは明るいです。

村井         バネの機構が架空現実の中で、要はバネの使われる箇所がタッチパネルの世界である程度動いたり可動したりするような箇所で主に使われていたんですけども、 そうじゃなくてやれちゃう世の中になってはきてるんですけども、やっぱりバネ性自体の持っているものっていうのが、それに取って代われない箇所のところも あると思うんですね。結局そこってエネルギーをどうこうする時に、これだけ安価で継続性があってやっていけるよというものがほかにないんですね。

村井         例えば火星の石かなんかで反重力なんとか石でできますよみたいのがあれば違うんでしょうけど。この機構っていうのは多分永久に活用できると思いますので、日本でそれを使った何かっていうのは、多分気づいた人しかやれないのでウチがどんどん。

enmono   それに気づいているのは村井さんであると。

村井         気づいていきますので、皆さん、未来は明るいですから大丈夫です! ということで(笑)。

enmono(宇都宮)   素晴らしい。

enmono   本日は貴重なお時間ありがとうございました。ワクワクするバネの未来について語っていただきました。どうもありがとうございました。

村井         ありがとうございました。



▼村井秀敏さん
https://www.facebook.com/hmurai2

▼WEBSITE
http://www.goko-spring.co.jp/

 

 

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