NEWガイアの夜明けで紹介された、クラウドファンディングを活用して新規事業を立ち上げるためのスクール「zenschool(ゼンスクール)」 22期新規募集(残席1名)

第126回MMS放送 「オープンソースハードウェアとデジタルファブリケーションを活用しイノベーション創出の方法論を探求」【後編】 情報科学芸術大学院大学[IAMAS]産業文化研究センター 小林茂教授

前編からの続きです。

●自分でも気づいていない能力が発揮されることも
小林         だから、ここで集まって、ある方が枡を光らせたらなんかすごく魅力的なんじゃないかというアイデアを自分でドリルで穴を開けて電球埋めこんで持ってきて、こんなの本当に数百円くらいでできてますし、「これってどういう時にどういう風に光るのがいいんだろう?」と考える際も数百円の部品で、「こういうセンサーで傾けたら光るといいよね」というのをやっていって、本当にここまでだと――人件費を計算に入れなければですけど――数千円くらいですよね。

enmono   ファクトリーXという団体があって、Googleグラスを生みだしたチームらしいんですけど、「このプロトタイプ、何日でできたと思いますか?」みたいなTEDトークがあって、「1週間?」「1ヶ月間?」「実は1日でできたんですよね」なんて。「ホームセンターにあるもの、まわりにあるものをテープで繋ぎ合わせて作りました」みたいな。モノがあって、そこから発想していく方が早いんだよという話があって、まさにこの手早く作っちゃうというところが通じるものがあると感じました。

小林         実はこの光る枡というのは闇に葬り去られかけていたアイデアで……。というのは、絵に描いただけだと全然魅力がわからないんですよ。さっきのカメラマンの方が絵に描いて持ってきたんですけど、「いや、そんなのあまり面白くないんじゃない?」みたいな感じでポイって捨てられそうになったのを、「いやいやそんなことないんだよ、わかってよみんな」って言って家に帰って穴開けてグリグリってやって光らせたら、「すごくいいじゃん」ってなって、次のミーティングに持ってきたらそれまでみんなの主力だったアイデアが忘れ去られて、「いや、コレだよね」ってなったという。
小林         本業のスキルはもちろん申請していただいたんですけど、彼はお父さんと二人で工房みたいなものを家に持っていて、色んなモノを作るのが大好きな方なんですね。実はこの後も色んな困難が訪れるんですけど、彼が色んなアイデアを思いついて試して、ざっくり作ってみたのを例えば枡屋さんに提案して、そっちで高性能で作って製品レベルに持って行くみたいなやり取りが起きていったんです。
小林         先程仰っていたように、「これどうしよう?」ってどっかの専門家のコンサルに持っていったり、どっかにお金出して投げたりではなくて、「なんかできるはずだ」って自分の手でやってみるという方々が多かったのはやっぱり……。

enmono   自分でも気づいてなかった能力が発揮される可能性があるわけですね。

小林         ほんとそうなんですよ。

enmono   そこが面白いですね。

小林         それがすべて計算ずくでできたらいいんでしょうけど、なかなかそれはっていう。
小林         それで傾けて光るっていう基本部分ができたので、じゃあどうやって実際のモノに持って行くかっていうことで、この辺までは結構スピーディに行ってるんですけど、上下に枡を分けて磁石でカチッとつけるようにしようとか、あとはこういう電子回路の基板を素早く作って――これもこの辺が得意な人が数日でササッと作ってしまったと思います――あと光を遮る部分は本当に卓上型の3Dプリンターでミーティングの最中に「このぐらいですかね」とデータを作ってビューッと出してみたいな感じでやっていきまして、だから皆さんが「初めまして」って会ってからこのビデオに出てくる実際にセンサーが入っていて光る枡ができるまで3ヶ月くらい。

enmono   ものすごく速いですね。

小林         ここまで本当にすごく速くて、おおーすごいじゃんみたいな感じになって、地元の新聞もそうでしたし、あとはテレビ番組にも取り上げていただいて、その当時そこそこ話題になったんですね。

enmono   この動画のクオリティが結構高いんですが、これはそのカメラマンの方が?

小林         そうなんですよね。これは本業の方のスキルで。光るものを撮るのって実はすごく難しいんですけど、そういったあたりもご本人は当然カメラマンですし、(カメラマンさんと同じ会社の)ディレクターの方にも協力していただいて。

enmono(三木)   見せ方がすごく上手ですよね。やっぱり。

enmono(宇都宮)   これ普通に発注するとウン十万円ですよ。

小林         それぞれがスキルを出し合えば、人件費はかかっていますけど、それがあればできるわけですし。自分たちがこれをやりたいっていうのがあるからですけど。そうじゃなければ、「じゃあ動画何十万円です」とか「ここの部分のパンフレット何十万円」とかなっていくと、「あ、もうやめようか」ってなっちゃうんですよね。

 

●そういえばモノづくりって大変だった
小林         そんな感じでメディアでそこそこ反応が得られたので、じゃあってことであちこちの展示会に出して、実際いくらだったらみんなこれに出すのか、どのくらい反応があるんだろうかというのを見て、結構いけそうだとなったので、いよいよ製品化に向けていきましょうよとなったんですけど、ここからが結構長くてですね。

enmono   ここからが正念場。

小林         モノづくりってそうだったなと。

enmono   思い出したわけですね(笑)。

小林         さっきの動画で撮ってる間はいいんですけど、あのままの構造だと、ちょっと経つとお酒が漏れてきちゃうんですよ。それはさすがに酒器としてはないよねという話になって、それをどうしようかと。最初のヤツは継ぎ目が見えちゃってたんです。よく見るとビデオでも継ぎ目が見えてるんですけど、そうすると最初からネタバレというか出落ちというか、そういう感じがあるので、それはイヤだよねと。

小林         あとはモノづくりの部分で「どこで製造するのか」。最初から何万個も出るとは思えないので、もしかしたら100個で終わっちゃうかもしれないし、1万個いくかもしれないし、そういうのに付き合ってくださって、かつクオリティはちゃんと維持できる工場を探さないといけない。

enmono   重要ですね。

小林         この時も色んな人の伝手で辿り着きました。一番最後に写真を載せさせていただいているプリント基板を実際にやっていただいたところは、鎌倉の大塚さんにご紹介いただいて――。

enmono(宇都宮)   (大塚さんの伝手なら)久田見さん(久田見製作所)でしょう?

小林         そうですそうです。

enmono(宇都宮)   久田見さんはzenschoolの卒業生です。

enmono(三木)   ああ、久田見さんのところで実装されたんですね。

小林         大塚さんのFacebook見てたら「なんか岐阜行ってるなぁ」と思って、「大塚さん来たら言ってくださいよ」ってメッセージを送ったら、「実は久田見さんというところに実装の打ち合わせに行っていて」ということで、「へえ~」と思って久田見さんにコンタクトしたら「あ、大塚さんみたいな案件ですね」みたいなことを言われて。

enmono   (笑)。

小林         「はい、そうです」という感じで。そういうわけでなんとか乗り切って、量産モノができたので、じゃあクラウドファンディングに挑戦しようということで。これはまた同じ撮影チームとIAMASの当時学生だった人たちにお願いして、パーティシーンも撮って「こんな感じになるんだよ」とやって。

小林         それでクラウドファンディングやったんですけど、当初は期間中に色々ネットワークもできてたので、色んなメディアの方に取り上げていただいて、最初のスタートダッシュはギュッといけたんですよ。でもその後なかなか伸び悩むっていうね。

enmono(三木)   つらいところですね。
enmono(宇都宮)   あるあるです。

小林         あるあるですよね。みんな「この勢いであっという間に」と期待したと思うんですけど。

enmono   そこからどう巻き返したんですか?

小林         クラウドファンディングをしたMakuakeの担当者の方のアドバイスもいただきつつ、単独でイベントを主催するのは難しいので、知り合いの方々にお願いしてあちこちのイベントに参加させていただきました。

enmono   地道な営業活動を。

小林         そうですね。これはあるイベントの様子ですが、友達が「手伝ってあげるよ」と来てくれて……そういう感じでなんとかいきまして。ほぼほぼ目標額くらいでしたけど成立したという感じに辿り着きました。
小林         そんなこんなをやっていく中で、色々理由はあったと思うんですけど、今回本当に前のめりな人たちが集まって、本当に製品出すよというのが最初からやれたり、さっきのプロトタイピングの部分をサポートできるような人たちがいたり。あとは途中で失速するというのは本当によくあるんですけど、今回プロジェクトマネージメントをするっていうことで入ってくださった方が、みんなのお尻を叩きながら「ほらほら、やらなきゃ」と言ってやってくみたいな、そういうのがうまーく重なって出せたかなと思ってます。

小林         こういう感じでトライしていく人が段々増えていくと、いま地方創生とかやたらめったら言って色んなお金が動いてますけど、そういうのに頼らずとも自分たちの中から成功する人が出てきたり、次の世代を支える人たちが出てきたりという感じになるんじゃないかなぁと妄想しています。

enmono   なるほど、ありがとうございます。

小林         すみません、長くなっちゃって申し訳ないですけど。

 

●チームビルディングの手法
enmono   CMが明けました。後半は今ちょっとお話いただきました、多様な人が集まってモノを生みだすというところで、我々もクラウドファンディングをやる中で毎回感じているんですが、チームビルディングがもう9割くらいかなと思う次第で、その辺の「こういうチームはうまく行く傾向がある」みたいな、そういうお話ができればなぁと思っているんですけども。どうですか? 何回かハッカソンのようなことをやられていて。チームビルディングに関するご苦労とか。

小林         イベントでやる時も、さっきのような長期のプロジェクトもそうなんですけど、スキルをなるべく混ぜるっていうのはやっぱり基本としてあって……。同じスキルの人たちばかり集まっているのはダメですし、同様に同じ組織の人たちだけでもダメだし、性別とかもできるだけ混ざるようにすると、同じことを話してもみんな見る角度が違います。それを感じられるようにするっていうのは、必ず入れていることです。
小林         あとはメンバー同士がフラットにやるということ。そういう関係に慣れてる方と慣れてない方がいると思うんですよね。いわゆるITの方ってフラットな感じに結構慣れてると思うんです。でも例えば町工場の方で普段受発注の関係だと――。

enmono   いきなり名刺交換から始まりますね。

小林         「何かあったらお願いします」みたいな、そういう話になっちゃうので、「いや、名刺とかはどうでもいいんで」という。

enmono   そういうところで気をつけているステップってありますか? チームが最初にテーブルに揃いますよね。その時どういう風なアクションをして、場を作っていくか。

小林         簡単にスタートできるところからやっていって、例えば自分たちはこんな分野に興味があるんだと簡単に自己紹介してもらった後に、じゃあこういうテーマがあった時に「どんな人がいますかね」「どんな時がありますかね」というのを小さな付箋紙に書いて思いつきで出してもらうみたいな、誰でもできるところからやっていって――。

enmono   割とダイレクトに作業に入っていく感じですか?

小林         そうですね。あとは手抜きと言われたらおしまいなんですけど、イベントをやる時にインプットする時間が午前中にあったとしたら、間にお昼を挟むんですけど、そこをケータリング等で用意せずに、「あとは皆さんチームで行ってください」という風にするんですね。

小林         そうすると「じゃあどこに行きますか」となれば、食べログみたいなので見る人もいれば、自分の経験で言う人もいれば、何か別の方法で探る人もいて、あと例えばランチの800円を高いと思うか安いと思うか、「いや、僕はカレーが好きだ」「絶対これは譲れない」みたいなところとか、結構違うんですよね。だけど最終的にはみんなで同じものを食べるっていうことで、その時点から「あ、お互い違うのか」と。
小林         例えば会社名がすごく有名なところだと、みんなお互いにちょっと構えてしまうんですが、食べながら趣味の話をしてもらうことで「あ、この人こんななんだ」と理解が進んで……。

enmono   ランチを有効に使ってもらうわけですね。

小林         そうですね。余所のワークショップではアイスブレーキングにすごく手間をかけています。それに比べると雑かもしれませんけど、意外にうまくいくんです。

enmono   僕らもランチを戦略的に使ってみようかな。

小林         どうぞどうぞ、もちろん。そういうのを経てくるので、例えば「日常生活をもっとテクノロジーで面白くしよう」みたいなトピックだった時に、お互いの趣味の話とかが自然に入ってくるわけなんですよね。
小林         あともう一個気をつけているのは、僕らがアイデアスケッチと呼んでいるんですけど、こういうペンを使ってこういう風に描いてくださいという簡単なスケッチの方法はしなくて、全員に描いてもらうんです。そうすると普段「いやいや、僕企画とかできないんで」と言ってる人が実はすごく面白いことを出してきたり、「絵とか描けないです」と言う人がすごくうまかったり。

enmono(三木)   絵ってすごく意味があるんですよね。描くことに。
enmono(宇都宮)   zenschoolでもストーリーボードって描いてもらうことが。
enmono(三木)   絵はそんなにうまくなくても描いた絵を説明している時に、こっちから聞くんですよ。「このユーザーは今どんな気持ちですか?」「この人はどういう趣味ですかね」みたいに。
enmono(宇都宮)   どんどん答えていく中で気づきがすごく増えていって、それがストーリーになっていくので。
enmono(三木)   そこがすごく面白いなと思っています。

小林         みんながそうやって黙々と描いた後に、まずは今仰ったようなことをチームの中でやってもらってて、そのアイデアを紹介して「ここどういうことなの?」と絵だけではわからないことを聞いて、それをその後全部貼りだしてもらって投票してもらうんです。単なる多数決じゃなくて「何でそれがいいと思ったのか」ということを徹底的にディスカッションしてもらって、そうするとそこに描かれたものと全然違うところにうまくジャンプする場合があるんですよね。
小林         チームビルディングという意味だと、その辺までを「初めまして」から大体5~6時間くらいでやる場合がイベントだと多いんですけど、そのくらいまでやるとお互いが何者でどんなこと考えてて、どの辺が得意そうでみたいなところと、このスキルを集めたらこういうのできそうだよねというところがわかるという感じです。

 

●チームの熱量はどうやって維持するのか
enmono   今までそういうハードウェア系のハッカソンをやってらっしゃったと思うんですけど、燃料が途中で尽きちゃうチームと、尽きないでグーッと最後まで行くチームの違いみたいなものは何か言い表せますか?

小林         一つにはマネージメントというか、そんなに難しい話じゃなくて、「じゃあ次いつ集まろう」「これとこれあるけどどうやろう」ということを、誰かがうまく整理してくれると進むんですけど、そうしないと「次いつ集まりましょうか」という話だけで2~3日過ぎているということがあり得るわけですよね。「AかBかCか提示するので、どれにしよう?」みたいな感じでやる人がいると結構グイグイ進むなというのはありますね。
小林         そこはフラットに集まった場合の逆の難しさで、普段だったら同じ企業内だと命令系統みたいのがあるので、それで進んでいっちゃうところが、フラットだとお互い遠慮し合ってしまうことがあるんで。

enmono   リーダーというのは明示的に決めてくださいという指示を出すんですか?

小林         そこはそんなにはしてないですね。僕らの側でやれることとしては、応募する段階で自分のスキルとかを書いてもらうんですけど、その中で「マネージメントみたいなことを業務の方でやってます」「できます」「得意です」という方たちをなるべく配置するようにします。同様に例えばエンジニアもいないとできないので、それをなるべくバラバラになるようにして。そういう感じで自然にその人が仕切っていく場合もあれば――。

enmono   全然こちらが意図していなかった人がリーダーシップをとる場合も。

小林         ありますね。

enmono   それは自然な流れを待つというか。

小林         そうですね。昨年末にBONXというウェアラブルトランシーバーを出した宮坂さんという方が参加された回がありました。彼はプロ級にスノボがうまいんですけど、それについて本当に趣味の紹介として自己紹介で言ったんですよ。でもごはん食べて帰ってきたら、なんか10年前からチームだったんじゃないかという感じで、みんなが「おまえのために作る!」みたいになっていて。

enmono   すごい(笑)。

小林         彼は別にそんなことを言ったわけでもなくて、ただ単にポロッと言っただけなのに「あれぇ?」みたいな。そういうお互いの中で、カリスマ性っていうと間違うかもしれないんですけど、求心力がある人が出てくるとそっちにギュッと引っ張られるというのはありますね。

enmono   実際我々もチームがどういう風にできていくかというのを見ていると、逆にこっちが面白いんです。今回の期は誰が引っ張っていくかというのを自然発生的にどうやったら起こせるのかというのが非常に興味があってですね。我々の学校のzenschoolも毎期、期によってカラーが違うんですけど、そこのチームの自動生成方式には非常に興味があります。

小林         それが想定通りに全部いけたらいいですけど。なかなかそれも。

 

●ほかの地域でもIAMASのような活動は広まるか?
enmono   現在、岐阜県でやってらっしゃるじゃないですか。こういうIAMAS的な活動っていうのが岐阜県という場所だからうまくいっているのか、それとも他の地域にも展開可能なのかというところに興味があるんですけども。

小林         そこはよく聞かれることで、展開可能なはずだとは思ってるんです。ただ、その土地土地に特徴がいろいろあるので、その土地の事情次第という面もあります。岐阜県は多様性があるのがいいところで。地理的には海はないですけど山があって、色々気候も違う。産業的には一般的なイメージとして自動車や航空機が多いんじゃないかと思われがちなんですけど、ほかの産業も色々あります。
小林         あと、僕らのところがちっちゃな特殊な学校だというのもあって、色んな人たちがある意味HUBみたいになりやすいというところは一つあるんと思うんですね。だから、そういう下地が何もないところでやるというのは難しいことが多くて――。

enmono   そうですね。


小林         全然問題意識がなくて、「今の産業のままでいいじゃん」と言ってるところでは起きないですし、そういう多様な人たちがいないところ――例えば「鉄しかやってません」というところだと――そこで同じようなことっていうのは難しいだろうし。
小林         (岐阜県と)同じような多様性があって、それを繋いでくれるようなインターネットをはじめとするテクノロジーに明るい人たちがいるという感じになってくると、同じようなことができる可能性は充分あると思います。

enmono   このモノづくりファシリテーションというんですかね、そういう活動をほかでやろうと思った時に、多分IAMASさんでやってらっしゃる型を身につけて、その地域で展開する地元の方がいないとなかなか難しそうだと思うんですけど、そういうIAMASでやっていることを学びに来てくださいというアプローチはされてますか?

小林         そういうスクールみたいなことはまだやっていなくて、なかなか時間がかかるんですよね。そういう気運が高まってきたら、学校のカリキュラムとして走らせるというのはやりたいんですけど。
小林         ちょっとご縁があって、北九州でも同じようなことできないかなとご相談を受けて、ひとまずイベントに仕立ててみたんですけど、その時にも地元でずっとハンガーを作ってらっしゃるマルソー産業さんに参加していただきました。マルソー産業さんって確か(zenschoolの)卒業生ですよね?

enmono   はい。

小林         加えて、たまたまそのあたりにデータセンターを作ったIDCフロンティアさんもいたので、その方たちにも入っていただきました。これが仮に岐阜に来てもらってという形になると、地盤が違いがやり方の違いにもなってくるので、土地に合ったものになりません。もし、「ウチでもやってみたいんだけど」と本当に思っている方がいらっしゃれば――。

enmono   IAMASさんや小林先生が行って、実際にやってみて、体験した方がそれを継続できるかどうかというところにかかっているんでしょうね。

小林         そういう形の方が実現性が高いと思います。

enmono   先程仰っていた地場のリソースはそれぞれ異なると思うので、同じモデルが簡単にできるということはないと思うんですけど、まずは「ここから新たなものを生みだしたい」という意識を持つモノづくりファシリテーターみたいな人の存在が出てくるか、もしくは育てるか、そこは重要な鍵になりそうですね。

小林         そういうのをやりたいんだけどという相談もたまに受けるんですけど、座学で何十時間かやったらできるかというと……。

enmono(三木)   道場みたいなね。一緒にやって、レベルが上がってきたらおまえやってみろみたいな。

小林         そうなっていったらいいなと思います。

enmono(宇都宮)   弟子を取ったらいいんじゃないですか?

小林         そうですね。弟子は確かにアリかなと思いますね。

enmono(三木)   IAMAS道場。

小林         (笑)。現場で実践するしかないですからね。

 

●日本の「地域」の未来
enmono   すみません、もっとお話を伺いたいのですが、時間の都合で最後の質問になります。皆さんに伺っているお話がありまして、日本の○○の未来についての想いを教えてください。○○はご自身の関心事でいいんですけども、未来に対してご自身の特定カテゴリーの中で思っていることがあれば。

小林         ○○を「地域」とした時に、今この場所は東京ですけど、僕らは普段地方・地域と言われるところにいます。今は地方創生とか色々言いますけど、とはいえ「じゃあどうすればいいのか」がなかなかはっきりしないところがあると思うんです。今日ご紹介したような活動のような、次々と何か新しいものを生みだしていくことが、もっともっとほかでもできるはずだと思うんですよね。そういう形で自発的にクリエイティブな人たちを増やしていくことが、これからの日本全体を面白くしていくことに繋がるんじゃないかという風に思います。
小林         それがいつできるのか、どうなるのかっていうのはわからないところではあるんですけど、そういうことを信じてチャレンジしていくというか、そういう感じですね。

enmono   それは多分お金だけあってもできないと思うので、継続的にやるためには特定の領域に関心がある人たちが集まって、お互いに学び合えるような場というか道場というか。

小林         そうですね。道場ですね。

enmono   我々もそういうのを運営しているので、何かそういったところで協力して――。

小林         いいですね。

enmono   協会を作ってみるとか(笑)。モノづくりファシリテーター協会的な。お互いノウハウをそこで共有していって、お互いの卒業生がまたそこで発表していって……となると広がっていくんじゃないかなと。

小林         それはすごく有効な感じがしていて、3月に出ていたカンファレンスでもキックスターターの人たちが色々話していました。お金だけ集めればモノができると思っていて大失敗した例って山ほどあるんです。

enmono   あります(笑)。

小林         そういう人たちをいっそ6ヶ月くらい中国の深せん(土偏に川)とかに送りこんで、一通りのプロセスを体験しつつ……まさに道場ですよね。という風にやれば、そんなミスはないなと。

enmono   失敗した人の話を聞くのが、また勉強になるところもあって。失敗者をどんどん集めて、「こういう風に失敗した」というのをやるとそれも面白いかもしれないですね。

小林         そうですね。それがクラウドファンディングみたいなものだったら失敗してももう一回トライすればいいっていうのはあると思うので、そういう環境が増えていくことはすごくいいことだと思います。

enmono   ぜひそういうモノづくりファシリテーター協会、未来をご一緒できればと思います。

小林         ありがとうございます。

enmono   その際はよろしくお願いします。

小林         よろしくお願いします。

enmono   今日はIAMASの小林先生に非常にわくわくしたモノづくりと地域という有意義なお話を伺いました。ありがとうございました。

小林         ありがとうございました。



▼小林茂教授
https://www.facebook.com/yapan.org

▼WEBSITE
http://www.iamas.ac.jp/

 

 

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