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第126回MMS放送 「オープンソースハードウェアとデジタルファブリケーションを活用しイノベーション創出の方法論を探求」【前編】情報科学芸術大学院大学[IAMAS]産業文化研究センター 小林茂教授

●出会い
enmono(三木)   はい、ということで第126回マイクロモノづくりストリーミング本日も始まりました。本日はIAMAS(イアマス)の小林先生にわざわざ岐阜から東京までお越しいただきました。色々とお話を伺っていきたいと思います。今日はよろしくお願いします。

小林         よろしくお願いします。

enmono   本日も司会は私、株式会社enmonoの三木でございます。あと、声の出演の――。
enmono(宇都宮)   はい、宇都宮です。
enmono   そもそも小林先生と我々の最初の出会いは数年前のイベントでご一緒したんでしたっけ?

小林         そうですね。2013年の出版記念のイベントで多分お会いしたのかなと。

enmono   あ、そうですよね。大変失礼いたしました。

小林         いえいえ。

enmono   この業界も当初は活躍されている方があまり多くなくて、小林先生はかなり初期の段階から個人のモノづくりを積極的にサポートされてきた中のお一人です。その上、メーカー出身でもある。そういう方はこのモノづくり系の業界ではあまりいなくてですね。

enmono   要はプロトタイピングと量産の違いがしっかりわかっていらっしゃる方ということで、Facebookの書き込みも非常に共感しながら拝読しているので、そういうメーカー視点のお話も今日は伺えればと思います。大変恐縮なんですけど、簡単に今やっていることをご紹介いただければと思います。

 

●幅広い年齢層の学生が集まるIAMAS
小林         はい、わかりました。じゃあ紙芝居方式で。普段IAMASという学校にいるんですけども、IAMASは正式には情報科学芸術大学院大学といいます。それだと長いので、みんなIAMASと略称で言ってます。

enmono   IAMASって言いづらいですね。

小林         どっちも言いづらいですよね。日本で最小だと思うんですけど、公立の大学院大学で、ソフトピアジャパンという岐阜県に情報産業を集積しようという場所に設立されました。2つの建物に分かれていて、今は3フロアずつくらいですかね。学生数が合計で40名ちょっとのところに教員が19名いるというかなり濃厚な感じでやっております。

 

enmono   大学院ということは学卒や社会人……。

小林         社会人の方もいますし、学卒の方もいますし、あとは資格審査というのを受けて認められれば、例えば高校卒業してずっとプログラマやってて、仕事も色々キャリア積んだのでちょっと別のことやりたいという形でやってらっしゃる方もいます。

enmono   そういうのもあるんですね。

小林         なので、かなり年齢層は幅広くて、学卒の23から上は今57~58くらいの方まで。メーカーを早期退職してどうしても自分でこれをやりたいといらっしゃった方までいるという感じです。

enmono   それいいですね。

小林         そういう幅の広さみたいなところは僕ら自身もすごく学ぶところが多くて。分野としてもアート、デザイン、エンジニアリング、地域コミュニティ、バラバラです。同じ話題があったとしても、それに対してどう思うかが人によって違うので、そこはすごく面白いですね。

enmono   先生はIAMASにいつから参加されていらっしゃるんですか?

小林         2004年からなので、もう12年くらいになるんですかね。

enmono   当初から教える側で?

小林         そうですね。その前はさっきご紹介いただいたようにメーカーでエンジニアとしてやっていて、縁があって声をかけていただいてIAMASに行って……なので、教えるところからなんですけど、内容は段々変化してきているというか。
小林         当初はコンピュータの中と外を繋ぐツール。例えば人が近づいてくるとセンサーが反応して、インタラクティブに映像が変化するものを作りたいという人たちが多かったです。当時はまだアルドゥイーノ(Arduino)みたいな普及したツールもなかったので、それがやりづらいという方たちが多かったんですね。


小林         コンピュータと繋ぐことができるようになったとして、無線で繋いで、バッテリーで動かしてとなってくると、いきなりハードルが高くなるので、「それを簡単にできるようになるツールを作ろう」――そういう身のまわりの需要に対応しながらやっていたところもあって。


写真提供:NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]


●「よくわかんない」と言われながらも
小林         あとはメイカーフェア(Maker Faire)という、東京でも毎年開催されてますけど、地方開催の一番最初の回を大垣で2010年にやりまして、ミニ版、ちっちゃいヤツなんですけどね。今までに3回やって、今後も継続していきたいなと。

enmono   どんどん規模が大きくなっていく感じですか?

小林         1回目は1000人くらい集まったらいいかなと思ってやったんですけど、4000人くらいの方が来て。2日間でですけどね。2回目が5000人くらい、3回目が5500人だったかな。なので、段々増えてはいってますし、やっぱり浸透してきてるんで、層も厚くなってきています。

enmono   参加者はどの地域から?

小林         意外と岐阜県内が少なめで、関西からが結構多いんですね。東京までだとちょっと遠いよねという方々が大垣だったら関西結構近いんで「いいか」というか。そういう感じで来てくださったり、あともちろん東京(のフェア)に出している方で、ぜひ向こうの人に見てほしいからと来てくださったり。結構全国からという感じですね。

enmono   こういうフェアをやってみようというきっかけはあったんですか?

小林         当時学長だった関口さんという方がいらっしゃったんですけど、彼がメイカーフェアの東京でやったのを見に行って、「なんかこれ大垣でもやりたいよね」と言い始めたんです。「いやでも結構大変だと思いますけどね」と言ったんですけど、「やるか」という話になって。

小林         学長が段取りをつけた後、僕がディレクターとして入るという形だったんですけど、1回目はやっぱりすごく大変で、そもそもメイカーフェアって説明がしづらいんですよね。よくある展示会・展覧会でもないし、フリーマーケットでもないし、「じゃあなんなのか」というのが説明できなかったので、「それはよくわかんない」と言われたんですよ。

enmono   『MAKERS』とかの前ですもんね。

小林         ああいうのがあれば、可能性があるのでみんな出してみようと言えたんですけど。

enmono   誰に「よくわかんない」って言われたんですか?

小林         いやもう周囲の人たち全部。

enmono   全部(笑)。

小林         地元企業の人から、僕らの学校が所属している行政の人もそうなんですけど、その時の所属している部のトップだった人が、「わかんないから東京でやるなら見に行くよ」と言って見てきてくれたんですよ。そしたら「これメチャクチャ面白いから絶対やろう」と言ってくれて。「わかんないからダメ」と言われちゃうとおしまいなんですけど、「わかんないから見に行こう」というマインドの人がいてくれたのがすごくよかったですね。

enmono   少ないですよね、そういう人は。

小林         少ないです。それは非常にありがたくて。1回やってからはこれだけ人が集まるから誰も反対する人がいなくなったんですけど、地元の企業にも協賛はしていただいたんですけど、1回目は本当に「なんかよくわかんないよね」みたいな感じで言われてましたね。

enmono   すごい勇気をもらえます。実は我々もこの会社とは別にあるイベントを企画していまして、まったく新しいコンセプトのものなので、「わかんない」とよく言われるんですけど、向こう側の方が柔軟でとりあえず1回やってみようと。そういう方が出てくるとすごくやりやすいですよね。

 

●「なんか面白そう」のエネルギー
小林         1回目の「わかんない」時に集まってくれる人の方が結構質が高い傾向がありまして。

enmono   格段に高いですね。熱量とか。

小林         わかんないとこから読み取ってきますからね。それもあってなるべく僕らも――もちろんうまくいったのも継続してやるんですけど――新しいことをやんなきゃなと思ってるので、その苦労は非常によくわかります。
小林         いわゆるメイカームーブメントと言われる活動がもっとほかにも広げられるんじゃないかと思ってまして、今写真に出ているのは僕らの学校のある大垣市から電車で1時間くらい行ったところにある、ほぼ限界集落のところなんですけど、そういうところで集まって、実際フィールドワークというか、そこでどういう人たちがどんな暮らしをしていて、どんな課題があるのかというのを見て――。

小林         それに対して色んな高スキルを持っている人たち――例えばwebやってる人、アプリ作ってる人、ハードウェアやってます、バックエンドやってますという人たちが、自分たちの知っているテクノロジーを使って「こういう解決策があるよね」と考える。そしてそれを実際に短時間で作ってみる、みたいな活動も最近始めています。まだ実際にそこで使われるモノができるところまでは辿り着いてはいないんですけど、可能性は見えてきたと思います。地元の方は「なんなんだあの人たちは?」と感じていたと思うんですけど。

enmono   始めた当初は「何者?」みたいな。テクノロジーでとか怪しい宗教かみたいな。

小林         本当にそうなんですよ。カタカナばっかりですしね。地元のカフェでおばちゃんに(なんか見慣れないヤツだな)と思われたらしくて、「どっから来たの?」って聞かれまして。僕は「名古屋です」、ほかの人たちは「東京から」と答えるので、(何しに来てるんだ!?)みたいな。

小林         悪い人たちじゃなさそうだなぁと思われる段階までは来たと思います。

●多様性のあるチームを作る
小林         あと、これもそういった活動の一種なんですけど、今IoTって流行ってますけど、ああいうハードウェアのところからサーバラックの中で動くようなところまでっていうのは、やっぱり色んなスキルがないとできないので、そういうスキルを持った人たちを集めて色んな視点からアイデアを出して、それを実際にプロトタイピングして「モノ」にまで落としていく。そういう活動を3年くらい前から積極的にやっています。

enmono   これはどちらでやってるんですか? ロフトさん?

小林         渋谷のロフトワークさんですね。大々的にやり始めたのは3年前の6月だったかな。この時が初めてだったので、僕ら自身がどうやればいいのか、どのくらいアウトプットが出てくるのかがわからないし、参加者の人たちもそんなの知らないし、なんか面白そうだと集まってくれた人たちで。

enmono   女子がいるのがいいですね。どうしてもこういう技術系というかオタク系というのは男子だけになりがちなんです。女子力があると結構議論が活性化する傾向にあります。

小林         そういう多様性みたいなものは僕らも非常に重要だと思っていたので、この時、ロフトワークさんにもなるべく違う方、スキル持ってる方でなるべく性別も違う方にお願いしました。あと、1回目だったので公募だけだとなかなか集まらなかったので、知っている方にお願いして、特に最後には男性ばっかりになりそうなんで……となって、知り合いの女性すべてにメッセージを送って。

 

enmono   (笑)。

小林         どんどん断られるみたいなこともありましたけど(笑)。

enmono   海外の方も参加されてたんですか?

小林         この方は留学生で来てらっしゃったのかな。色んな人たちのネットワークで集まっています。

enmono   多様性っていう意味だとチームの中に外国の方、全く異なる文化、言語体系の方がいると、最初はコミュケーションが重たいんですけど、段々チームになってくると全然考えもしなかったことが出てきて、すごくいいと思うんですよね。

小林         そうですね。そういうのを短期間で集中してやるというのを続けてきている、という感じですかね。

小林         その一環として去年の年末に製品としてリリースされたヤツなんですけど、「光枡」っていう傾けるとほのかに隅っこの方が光ることで日本酒を飲む体験に彩りを添えるというコンセプトの製品をつくるのをサポートしました。これも色んなスキルを持った方たちが集まって、お互いにアイデアを出しながらやるというものの発展系として、実際に世の中に製品として送り出すところまでやってみたものです。

enmono   これが出る前くらいに1回Skypeかハングアウトでお話をした時に「すごく大変なんですよ」って仰ってた印象があります。

小林         そうですね。大変だったなって。自分自身メーカーにいた最後の時期にやっていたのが新規事業というか新規分野の開拓だったので「モノづくりって大変だったよね、そういえば」と、再び思い出したっていう、そんな(笑)。

enmono   商品として販売する最後のところが、一番大変ですよね。プロトタイプは早くできるし、むしろ情熱があるんだけど、その先情熱が続く人が少ない。

 

●コア・ブースター・プロジェクト

 

enmono   そういった新しいものを生みだす仕組みとして、こちらのコア・ブースター・プロジェクトが生みだされたと。

小林         今、宇都宮さんが仰ったように、とりあえずプロトタイプまで作るっていうのは僕ら自身も色んなイベントを経て、色んな企業と組んできた中で「できる」とわかってきて、でもそれを世の中に送り出すっていう時にやっぱり失速していってボトンと海に落ちちゃう感じがあるんですよね。

enmono   作るところまでで満足して「あああ~」みたいな。

小林         なんとかそこを、コアができたらブーストして送りだそうと。

enmono   それってお金じゃないんですよね? 気持ちをどう持続させるか。

小林         お金じゃないですね。

enmono   これは外部の相談があってこういうことをやりましょうという感じになったんですか?

小林         割と思いつきっちゃ思いつきで、さっきお話ししたロフトワークさんでやったのが2013年6月で、その後Engadgetさんで同じような試みをやった時に、「これってもしかして自分たちのまわりにある色んな地場産業、特に岐阜県は町工場がすごく多いので、そういう人たちが何か新しい製品やサービスを生みだしていくというのに使えるんじゃないか」と思って。

小林         僕らの学校の卒業生がいくつか起業していわゆるベンチャー企業を作ってるんですけど、たとえばプロトタイピングを得意としているところ、そういうワークショップの運営を得意としているところに声をかけて、「こういうのをやりたいんだけど、どうだろう?」って言ったら「面白そうだからやりましょう」という感じでやりました。

enmono   地場産業さんや町工場さんが入ってくる感じなんですね。

小林         やっぱり製品として送り出すということを考えると、製造物って色々と規制もあったり、売って終わりじゃなくて変なモノを売ってしまうとリコールがあったりということもあるので、そういう経験をある程度持っている人が入っていないと難しいだろうなと。


●傾けると光る枡というアイデア


写真撮影:井戸 義智

小林         岐阜県には色んな産業があって、自動車や航空機の部品が多いんですけど、それ以外にも千何百年くらい前からやっているものもあります。

enmono   刃物とかいいですよね。

小林         (歴史が)長いですね。関の刃物とか。多治見にあるセラミックとかもすごく長くて。

小林         これは枡屋さんのデモ映像なんですけど、枡って1200年くらい前からあるという風に言われてるんですけど、枡って日本全体の生産量の8割を大垣で作ってるんです。あんまり知られてないんですけど、5社くらいあって、こういうような伝統産業というとちょっと違うかもしれないんですけど、ずっと前から脈々と続いてる地場産業をやっている方たちがいます。

 

enmono   いいですね。この木の風合いっていうのがね。

小林         工場を見に行っても面白いですし、これはどこの町工場でもそうだと思うんですけど、それ専用の機械というのがあるんですよね。

enmono   ありますね。

小林         枡の組目となる溝(ほぞ)を彫るカッターがあって、あれが企業によって幅が微妙に違うらしいんです。だから枡を見るとこれどこのだって実はわかるという、そんなモノづくりあるある的な話があるんですけど。

小林         このプロジェクトでは、IoTの中で既に大きな競争相手がいる主流ではなく、辺境的なあたりでやっていこうということで始めました。一般的にものづくりというといわゆるメカトロニクス的なところまでなんですけど、IoTというと全部の人たちが関わらないといけなくて。そういう全部の人たちが関わらないとできないところにチャレンジするのって面白いなぁと思って、それをテーマにしました。

小林         細かいところは省くんですけど、地場産業と情報産業から人を集めてチームを僕たちで作って、そこからアイデアを出して、それを固めてコンセプトにして、それをコンセプトプロトタイプという実際体験できるモノまで作ろうというのが第1ステージです。この辺までは極力お金をかけずにやれるというか。

小林         例えば卓上型の3Dプリンター――そういう安く使えるものを使ってやろうということで。そこまで行ったら色んな人たちに見せると本当にそれが欲しいかどうかある程度わかるので、展示会や体験会をやって、それが行けたらいわゆる量産設計という一番難しいところですけど、「製品にするには」というところを。

enmono   そこをきちんとやってらっしゃるんですね。素晴らしいですね。

小林         最後にクラウドファンディングで、本当に成立したら(製品を)出そうということで。途中に何回か区切りを設けて、例えば「作って見せてみたけど反応が全然ないなら諦めよう」とか、クラウドファンディングやったけど成立しないということは、「多分これ本当に欲しい人いないんだ、じゃあやめようか」といった感じで極力リスクは減らした状態でできるようにすると。

enmono   非常に我々のマイクロモノづくりと近いところが。我々にないところはこの量産型のデザインというところで、やはりきちんとモノづくりを考えていらっしゃるんだなというところがありますね。

小林         まぁ白状すると最初からこれが綺麗に考えられていたわけじゃなくて、やっていく中で「あー、やっぱりこれちゃんとやらなきゃ」という感じで。

enmono   そんなもんですよね。我々もそんな感じなので。

小林         そうしてできあがったのがこの「光枡」というもので、もしかしたらweb等でご覧いただいた方もいるかもしれないです。本当に普通の枡のように見えるんですけど、傾けると端っこの方がこういう感じで、暗いところだとめちゃめちゃ綺麗だったり、それを持っている人が魅力的に見えたりというものです。

 

enmono   これは今、販売中なんですか?

小林         2月くらいに一通りクラウドファンディングの支援者の方へリターンの発送が終わったので、Makuakeのオンラインショップなどで少しずつ一般販売を始めています。
小林         これに関しては、僕が「やりたい」と言って仲間に声をかけて、2週間経たずに――1週間くらいかな――説明会をやってるんですけど、なので相当勢い余ってまして、多分何を言ってるのかわかんなかったと思うんですよね。わかったのはとにかく新しいことをやろうっていう話と、なんかIoT的なことをやるんだということだけだったと思うんです。

小林         それでも割と前のめりで集まってくれた人たちがいたので、例えばどういう風なところへトライしたいとか、こういう企業とは組めないとか、むしろこういうところと組みたいとか、当然企業には事情があるので、お話を一人一人、一社一社伺って、それを元にパズルみたいな感じですけど、チームを組んだんですね。

enmono   枡というコンセプトは、そのヒアリングの段階で?

小林         この段階ではまだないですね。なので、さっきの枡屋さんも「ウチの枡をどうにか売れるようにしたい」とか、そういう狭い考え方ではなくて、「広く捉えると木工なので、ウチの製造技術でなんかできるんだったら、色々できそうだよね」という感じだったんです。

小林         メンバーがきっちり写った写真が実はあんまりないんですけど、この方が枡屋さんで、その隣の方がITに専門特化した人材サービスなどをやっている企業のプロジェクトマネージャーの方で、この方は大垣にある印刷会社のカメラマン。こちらの一番端に写っている方がトリガーデバイスっていうところの佐藤さんという方なんですけども、色んな企業のプロトタイピングを請け負っている方です。結構異色な人たちです。

 

●形式よりも体験・実践
小林         最初に集まってもらった人たちにレーザーカッターや3Dプリンターを使うと、このくらいの時間でこういう精度のものができますよと体験してもらって、その後にイベントでやってきたのとほぼ同じやり方ですけど、「初めまして」と会った人たちに名刺交換してもらうんじゃなくて、アイデアをどんどん思いつくだけ出してもらおうみたいな感じで。

enmono   ハッカソンみたいな感じですか?

小林         そうですね。そうやることでお互い何を考えてるのかが段々とわかってきますし、あとはやっぱり「自分は普段企画とかやってなくて……」という人も実はアイデア持っていることもあるんです。そういう人に自信を持っていただくことも含めて進めました。

小林         昔だったら数百万ないと電子回路で無線で繋がるものはできなかったんですけど、今だったら数千円でそれができるので、そういう体験をしてもらって、それで基礎の部分はできたことにして、各チームでアイデアを出してくださいと。だいたいチームごとに数十個くらいですね。

enmono   何チームくらい?

小林         この時は5チームだったと思います。

enmono   これ自体はどういう位置づけなんですか? 費用は学校が出してる感じなんですか?

小林         この時は割と手弁当ですね。

enmono   場所とかは……。

小林         岐阜県が持っている場所だったので、「こういう活動をしたいんだけど」と話したら、「じゃあそこは県の側で費用を持ちますよ」という感じで。

enmono   それはすごいですね。

小林         みんなが少しずつ出し合って。例えば外部からすごい有名な講師の方を呼ぶとお金がかかりますけど、全部僕らでやってるので。

小林         そういう公的なところのネットワークを使って、例えば「ここの部分の人がいないので誰か声かけてもらえないかな」と声をかけてもらうことも。そういう意味でもお金が最初にあって、プランがガッチリあって、申請書書いてというのよりも、割とこうオーガニックにというか。

 

enmono   その方がやりやすいと思います。

 

小林         最初にカッチリ作って、それを外注してとかやると、あっという間に数千万円かかってしまうので。

enmono   しかもそれを回収しないとってビジネスモデルを考え始めると1年くらいすぐ過ぎちゃう。そして市場がなくなってしまう。

後編へ続きます。

https://zenmono.jp/story/268



▼小林茂教授
https://www.facebook.com/yapan.org

▼WEBSITE
http://www.iamas.ac.jp/

 

 

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